hiko's style [archives]

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正しいバーの使い方(笑)


このコーナーは『冗談』ですから、真に受けないで下さい。


お酒を飲ませる場所、特にシックなオトナのバーには、色々な人が集まります。
そういう方たちをこっそりと観察してみたり、あるいは自分の過去の失敗談をもとに何かオモシロオカシいコーナーを作ってみようというのがここです。

えっ、hiko's styleにはマジメなコーナーが最初からない?・・・。言われてみれば、確かにそうですねぇ・・・。

『これでモテモテ!!正しいバーの使い方』

監修 : NBA日本バー探訪協会 (Nippon Bar-tanbou Association) 



何のために、わざわざ店で買うより高いお酒を飲みにバーへと私たちは行くのでしょう。
美味しいお酒を飲むため? 精魂込めたカクテルを楽しむため?

冗談言っちゃぁいけません。

カッコつけて酒飲みながら、あわよくばその場でオンナをオトすため。


違いますか!? その通りでしょ!!
ワタシは今まで『違う』と断言できる人に会ったことがありません。これは我々バー・フライにとって永遠に不変の真理なのです。
ちょっと前の流行り言葉で言えば

『定説です』  (アブないかな、こりゃ)

バーにひとりで、あるいは同性の友達とやって来るオンナたちは、 我々アホなオトコ以上にオトナです。

声をかけてきたオトコがマアマアのレベルだったら

「ま、一杯ぐらいはつきあってやるか」

と、彼女たちほど慈悲深い存在はないのです。

にもかかわらず、どうもバーで女性と仲良くなれないというアナタ!!
そう、そこのアナタですよ!!

オンナたちはすべて、『お見通し』なんです。 アナタごときの考えていることは。


アナタは 最初の一歩を間違えている のです。「マアマア」のレベルにも見られていないのです。
ひとつボタンを掛け違えたら、そのままマトモにシャツが着られないのと一緒です。
『LEON』とか毎号隅々まで読んだって、ここに書いてあるようなことは掲載されていませんから、心してお読みください。


* 店選び

何と言っても、バーは選ばねばなりません。

アナタの狙いを果たすためには事前のリサーチは不可欠です。

かと言って、片っ端から飲み歩いてのリサーチは効率が良くありません。
そんなことでは オンナをオトす前に電気料金や水道料金が口座から落とせなくなります。

ここはどうかな、と思ったところはとにかくドアを開けて

「○○さん、来てる?」
と聞いてみましょう。店内を見回して、雰囲気が良ければ「せっかくだから」とそのまま入ればいいし、
そうでなければ立ち去ればいいだけのことです。

注意しなくてはいけないのが探している相手の名前の設定です。

なるべく聞いたことのないような名前の人を設定しましょう。
安易に「鈴木」とか「田中」にしてしまうと、ホントに鈴木さんや田中さんにブチあたって、
相応しくないバーだったとしてもそのまま居残らねばならない確率は 我々の調査では96.4パーセント までに跳ね上がります。

中には、化粧の下からうっすらとヒゲが突き出し始めた 夜の蝶の鈴木さん にブチあたり、
(『彼女』たちは、いとも簡単に改姓できる特技の持ち主です)
目標に到達する前に撃沈された方も少なくありません。



* 作戦開始

作戦決行の店を決めたら、とにかく実践あるのみです。
(最初の一回は捨て石のつもりでいるのが精神衛生上もっとも好ましいと言われていますが)

注意しなくてはならないのは、 アナタはどこの誰よりも早くその店に行っておかねばならない、と言うことです。

初心者が陥りやすいのが、そこそこ人がいそうな時間帯に行ってしまうことです。
そういう初心者に限って先客の中にターゲットを設定してしまうのです。もしその状態で作戦を決行し、
万一それが巧く行ってしまった場合、

ただでさえ軽いサイフが更に軽くなって、 次の行動 に移れなかった方は 我々の調査では実に98.1パーセントにも及びます。

従ってターゲットがどれだけ飲んでいるのかを完璧に把握できるよう、 バーへは一番乗りを心がけましょう。

参考までに、このやり方を 『風上に立つ』 とか 『太陽を背にする』 といった表現をしますが、
上級者になるほどこの方法の採用率は減っていく傾向にあります。

一日も早く、皆さんもこういう表現のできるレベルに到達する努力を重ねてください。


* 作戦のポイント

カウンターは常連が座るところが決まっていたりもしますから、
必ずバーテンダーに『ここ、いいですか』と聞いてから 腰を下ろすようにしてください。

その場合に、『ここ』は必ず カウンターの ど真ん中 を指差しましょう。
こうすることで、仮にターゲットがカウンターの隅に陣取ったとしても、最大の距離はカウンター全長の半分にしておけるのです。
(この『最大距離』の攻略法は後述します)

誰よりも早くカウンターに陣地を確保したら、ターゲットが現れるまでひたすら飲んでください。

アナタにとってのターゲットをどの場所に座らせるかの『裁量権』は店にあるのです。
それまでのお店への貢献度がこの距離を決定すると言っても過言ではありません。
ケチな飲みっぷりではバーテンダーがアナタに『利益還元』することはなく、
いきなり最大距離にターゲットを配置してしまうことが最新の研究で証明されています。

ほとんどの方が誤解しているのですが、 なかなかターゲットが現れなかった場合には、途中で「給水」しても構いません。

しかし油断はせずいつでもターゲット登場に対処できるよう、

『ちょっとそのボトル見せてもらっていいかな』と

ジン、ウォッカなどの透明スピリッツ系のボトルを自分の前に置いてもらうようにし、
いかにもそれらをストレートorロックで飲んでいる、といったムードだけは維持しておかねばなりません。

ヒマだからと言って、 ボトルを手にとってラべルを眺めたりしていてはいけません。
ターゲットが現れてそれを目撃した場合、

「ふっ、バーでのマナーも知らないのね」

と、 コドモ扱いされること間違いなし です。

店への貢献度がターゲットとの距離を左右するからと言って、開店前の準備を手伝うのはあまりお奨めできません。


* 作戦開始

さあいよいよ役者が揃った、となれば作戦の開始です。
比較的早くターゲットが現れた場合、アナタの貢献度がどんなに高くとも最大距離に配置される可能性は
我々の調査では75.8パーセントとなっています。

えっ、話が違うって!? 当然じゃないですか。
アナタは不純な動機でその店に来ているんですよ。 常連みたいに、まーだそんな利益還元してもらえる立場じゃないんですから。
そんな甘い考えだからうまく行かなかったんですよ、アナタは。

さてこれにはどう対処すべきなのでしょうか。

その前に、我々の実施したアンケートでは、失敗した方のほとんどが正規の手順を踏まずにオゴリの一杯を出しています。
しかも、カウンター上をグラスを滑らせるという、西部開拓時代の方法でです。

途中で倒れてこぼれる、壁に激突して酒を飛び散らせるのどちらかですから、やってはいけません。
中には混んでいる時間帯にこれをやって、何人分ものクリーニング代を払うハメになった方もいました。

オゴリは物理、心理両面の距離を縮めてから行うべきことで、その距離を縮めるために行うものではない、
と言うことを覚えておきましょう。


では、この最大距離をいかに克服し、 ターゲットとの物理的距離を縮めるか を解説しましょう。

簡単です。多くの方が盲点だったと感じることでしょう。

開店直後から延々と飲み続けているアナタはトイレに立つことも当然あるはずです。
トイレから戻ってきたら必ずひとつ、席をターゲット側にずらしてください。
これを何度か繰り返せば確実に近づけるではありませんか。

トイレに立つ前に、 バーテンダーの目を盗んで自分のグラスや灰皿をあらかじめ隣に移しておくことが肝心 です。

専門用語では、 これら一連の行動を『トラバース』(平行移動)と呼んでいます。

上級者になると、

『椅子の具合が良くないなぁ』
というボヤキを巧みに併用してターゲットとの距離を縮めています。

トイレに立つ、と言うのは『トラバース』のため以外にも、もうひとつ 『インスペクション』と言う側面があります。
つまり ターゲットに対する偵察行為です。


警戒しておかねばならないのは、 ターゲットの前にアナタの見たことないような、レアなモルトウイスキーのボトルがある場合 です。

そんないかにも難攻不落っぷりで、敵(アナタ)を遠ざけようとする『謀略』の可能性は
我々の調査では93.3パーセント、となっています。

何を隠そう、バーテンダーは、 アナタなんかよりよっぽど上客の彼女 を守るために、
『魔除け』 としてこれらのボトルをアナタがトイレに立ったスキに配置するのです。


アナタはこの バーテンダーの不審な動きを見逃さないためにも、 トイレのドアを閉めてはいけません。

また、ターゲットがトイレとは逆に配置されている場合、『いつもの店と間違った』というように、さりげなく方角を間違ってください。
ただし、この手はせいぜい2回までしか使えませんから注意してください。

こういう状況の 遠距離偵察 も想定しておく必要があります。
だからと言って、バーという場所を考えると双眼鏡を持ち込むのはもってのほかです。

常にスマートさを演出するためには持ち物にもこだわって
上品な『オペラグラス』がバーにはふさわしいでしょう。


トイレの回数が多いと『体調悪いなら飲まなきゃいいじゃん』とターゲットに悪い印象を与えるのではないかと心配される方もいらっしゃるかもしれません。
我々の実施した、 ターゲットの女性たちに対する出口調査の結果、 回答者全員が作戦実施者を

『そんなこと気にならないほどの空気っぷりの人だった』と評価 していますから安心してください。


* スマートな会話

物理的な距離を縮めたら、いよいよ心理的な距離を縮める作戦に移行します。

ここまで来たら、ターゲットも自然と言葉を交わすことも抵抗がないはずです。
なぜなら、拒絶の意思があるならばターゲットも アナタと同じ手段を用いて神出鬼没の座席移動を行っているはずではありませんか。

とにかく、スマートで知性のある会話の切り出しをしなくてはなりません。
最も適切なのが ターゲットの酒を褒める ことです。

この場合の『酒』とは、目の前にあるお酒のことだけでなく、飲み方も含んでいることを覚えておきましょう。

多くの方たちが失敗しているのは、この段階で相手のことを知ろうと 探りを入れ過ぎてしまうこと です。
代表的なのが、一緒に飲みたいからなどと、ターゲットからすれば史上最大の自己チューな理由でメールアドレスやら携帯の番号やらを聞いてしまうことです。
それらは 険しい道のりを克服した後に入手できる、尊いもの なのだと肝に銘じておかねばなりません。

初心者は、次に顔を合わせたときには自然と近くに座れる、と言う信頼関係の構築に専念することです。

この悪い癖 がどうしても抜けない、と言う方は、 せめて『郵便番号』にとどめる訓練をしておきましょう。


まずは『自己開示』ありき、です。自分を知ってもらうことが先です。とは言っても、名刺を差し出すのはいただけません。

慣れるまでは常に履歴書を携行することを心がけてください。



* 『一杯ごちそう』のポイント

さあ、待ちに待った瞬間です。
たとえ儀礼的にでも会話が成立したのならば、 ターゲットのグラスが空いた頃合を見計らって 勇気を出して言ってみましょう。

『何か一杯、ごちそうさせてくれませんか?』 と。

気をつけなければいけないのが、 『オゴリ』とか『オゴる』という単語はタブー だということです。
あくまでもへりくだって、そして仮にターゲットがアナタよりも年下なのが明らかでも、 必ず敬語での会話を続けること です。

何を飲むかはターゲットに決めさせます。アナタが決めてしまったら、ここまでの努力も水の泡です。
ごちそうする、と言うのはそういうものです。

もしターゲットがカクテルを頼んだら、アナタはベースや作り方の同じカクテルを即座に頼んでください。

ベースがジンならジン、調製がステアならステア、のカクテルをです。

ターゲットも このときばかりはアナタに少々負い目がありますから、 アナタのカクテルが出来るまで口をつけようとはしないでしょう。
ターゲットにカクテルを一番良い状態で飲んでもらうためには、インターバルの少ないオーダーは不可欠です。

バーで飲み慣れているターゲットのアナタへの好感度は、 とりあえず3ポイントぐらいはアップします。

これらのオーダーを自然かつスムーズに出来るようにするためには、
誰よりも早くカクテルブックを検索できるよう訓練あるのみです。

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カクテルブックが必要ないレベルに達したら、潔くバーテンダーに転職しましょう。




* 悲願成就に向けて

慈悲深いターゲットは、アナタごとき存在のために貴重な時間を割いてくれました。

たとえ早い時間だったとしても、 初心者のアナタが

『次、もう一軒』などと 不埒なこと を言ってはいけません。


時間を気にしだしたり、席を立つ兆候が見られるようになったらアナタもそれに合わせなければなりません。
むしろ先手を打ってアナタからバーテンダーに勘定を申し出てください。

ここからがアナタの男気の見せどころです。

「こちらの方の分も一緒にお勘定を」 と。

ターゲットは固辞するかもしれません。
しかし、 このときばかりはバーテンダーも『絶対に』アナタの味方です。
何故なら、バーのようにスタッフがあまり多くないところは、 勘定をいっぺんに済ませてくれる客を歓迎するからです。


えっ、話が違う? 一杯ごちそうするだけじゃないのか、って?


今さら、なに言ってんですか!!

彼女は慈悲の心を持って、アナタごときと一緒にお酒を飲んでくれたんですよ!!

アナタはキャバクラあたりでは確実にもっとコストをかけているじゃないですか!!

それに比べたらはるかにローコストじゃないですか!!

だからバーに一番乗りしてセーフティをかけておくんじゃないですか!!


ま、そんなアナタでもクレジットカードの一枚や二枚サイフに入っているはずです。

遠慮せずに使ってください。


このときのためにも、最初の店選びの段階でカードが使えるかどうかを確認しておくことをお奨めします。

当日、さらには勘定の段階になって
『カードは使えますか?』なんて聞いているようでは、せっかくアナタが 奇跡的に獲得した好感度ポイントも消滅してしまいます。


もしクレジットカードが使えなかったとしても、気の利くバーテンダーなら事務所から一般的にトランプと呼ばれるカードを持ってきて、
勝負の結果次第では
不足分をチャラにしてくれるかもしれません。


さあ、これで『次回』への下地づくりは完璧です。二度めに顔を合わせたときは
もっとフレンドリーに接してもらえるアナタがここにいます!!

おめでとう。ここまで出来たら、 初級編は卒業 です。







彼女がその店に、『もう来ない』ってことも、考えられなくもありませんが。


『中級編』へ進む













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