一絨毛膜一羊膜の双子(♀&♀)と妹達の成長~

一絨毛膜一羊膜の双子(♀&♀)と妹達の成長~

告知~その1(6ヶ月)


この頃は、服の上からでも胎動が目に見えるくらい元気に動き回っていました。

新しく行った病院は、国立のK病院。きちんと問い合わせもしたし、準備万端で初受診に行きました。
夫は初受診に付き合うため、仕事を休んでいました。里が遠く、飛行機での移動になるので、この日しか受診に立ち会うことができないのです。

担当の先生は、その日赴任してきたばかりの先生でした。他の先生は予約の患者さんがいましたから、初診の私は新しいその先生になったようです。
とはいえ、新卒ではなく他の病院で経験を積まれている先生のようでしたが・・・とりあえず、赴任先第一号の患者が私でした。
今にして思えば、この先生も悲惨ですよね・・・

「里帰りね。一卵性っと・・・とりあえず、赤ちゃんの確認をしましょうね。」
超音波モニターでお腹の様子を見始める先生。
「あの~。性別をしりたいのですが・・・」
出産準備など全くしてなかったので、聞いてみることにしました。
「はいはい。性別ね・・・」
だんだん先生の顔が真顔になってきました。
「あれ・・・??」
口数が少なくなり、最後には無言になりました。
かなりの時間、お腹を出していたような気がします。
あまりにも「あれ?」と連発し、首をかしげるので、赤ちゃんに何かあったのではないかとすごく不安になりました。
しばらくして
「ちょっと待っててください」
そう言って、どこかに行かれました。
その後、他の産科の先生を連れてこられ、もう一度超音波モニター確認。
本当に何かあったのかと、診察中ずっと不安でした。夫と何度も「なんだろうか・・・」と目配せしていました。
先生同士で何か相談された後
「長々とすみません。では診察室のほうへ・・・」
と言われ、診察室へ。
そして、先生の口から最初に出た一言目が
「膜がありません。」
「へ???」
いや、だから、問い合わせの時から一羊膜ですがって言っていたのに・・・
上手く伝わっていなかったのかと思いました。

後で知ったのですが、個人病院などで一羊膜と診断され、大きな病院に紹介されるうちのほとんどが、羊膜が薄くて確認できなかっただけで、
実は一羊膜ではなかったとうケースが多いらしいのです。
ですから、私の場合も疑っていたようで、本物(?)だったので焦ったのではないかと思います。

結果的に、その病院では対応できないと言う事になり、地域の周産期センターが4箇所あるので、どこが受け入れ可能か相談させてほしいと言われました。
性別も知りたかったのですが、それ所ではありませんでした。

朝一番で病院に来て、診察後病院を出たのはお昼過ぎでした。
実は診察の間、私の親はずっと待合室で待っていました。診察が終わったらモニター画像を見せてもらえるはずでしたので・・・
あまりにも待たされるので、何かあったのかとすごく心配していました。
結局、そんなこんなで超音波モニターを見せてあげることはできませんでした。

1週間後、K病院へ再診にいきました。
夫は自宅に戻っていますから、何かあれば連絡することにしていました。
再診の結果
「やはり膜がありません。二人に体格差もあるようです。腹囲も双子にして は小さいですし・・・F大学病院のY先生を紹介しますので、明日行って下 さい。話はしてありますから・・・」
と言われました。
膜無しは分かっていましたが、体格差がある事、腹囲が小さい(とはいえ、普通の妊婦さんよりは大きい)事は、初めて聞く内容でしたので多少の不安がありました。
「Y先生は、以前この病院にいて、すごく良い先生だから大丈夫ですよ」
と付き添ってくれた看護婦さんが教えてくれました。
私としては、気丈に振舞っていたつもりでしたが、不安が表面に出ていたのかもしれません。すごく気を使っていただきました。

次の日、指定された時間にF大学病院にいきました。
紹介してもらったY先生は、穏やかな雰囲気で、医者というより学者のような感じの先生でした。(出産後、名医紹介の本に先生の事が載っていてびっくりしました)
早速診察へ・・・
しばらく超音波モニターを見ていたY先生が
「この機械では詳細が分からないので、違う機械で再度みせてください」
といわれ、外来の診察室から入院病棟の診察室へ移動しました。
入院病棟の機械は3Dで見ることができる、当時入ったばかりの機械でした。

診察の結果がでました。
「まず、ご存知のように一絨毛膜性一羊膜で間違いありません。
 現状ですが、二人の臍帯(いわゆるへその緒)が絡み合っています。
 また、二人に体重差があります。一人は500g。もう一人は350g  です。双胎間輸血症候群の可能性があります。
 今いえる事は、現在の体重や週数では、現在の医療でどうすることもで  きません。まず、週数をかせいで、赤ちゃんの体重増加や発育を待つしか ありません。」
今まで知らなかった、お腹の中の現状を教えてもらいました。
失礼かと思いましたが、先生に思い切って尋ねてみました。
「先生は、一羊膜に携わった経験がありますか?」
「はい。一度ですがあります。一羊膜は大学病院クラスでも10~20年  に一組くらいしかいない珍しい症例ですよ」
「その子たちは生きていますか?」
「もちろん。元気に成長していますよ」 
私は初めて「生きて生まれた一羊膜の双子がいる」事を知りました。
実は、いろいろと調べていても死亡例しか見つけられず、果たして無事に
「生きて生まれてくる」のかずっと不安でした。
この先生の経験された双子の存在が、すごく励みになりました。

24週から管理入院をするようになると説明を受け、この日は入院の手続きをして帰りました。
もっと早くに入院できないのか尋ねましたが、先に記載したとおり、何かあっても医療でどうすることもできないので、入院の意味がないとの事でした。
とりあえず、実家ではできるだけ安静にして、胎動に注意してください(胎動が少しでもおかしいと思ったら連絡するように・・・)といわれました。

私としては、ある程度の覚悟ができていましたのでそれほど感じていなかったのですが(というより、すでに現実逃避していたのかもしれません)
初めて現実をきかされた実家の家族は、かなりのショックがあったようです。これは、本当に申し訳ないくらい気の毒でした。

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