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一絨毛膜一羊膜の双子(♀&♀)と妹達の成長~
病名
胎児時代には必要な血管ですが、産まれてからは閉じなければいけない血管です。
ほとんどの場合、未熟児で産まれてもインドメタシンという薬で閉じます。
しかし、1子2子の場合、薬では閉じることができませんでした。
1子は生後9日目、2子は生後22日目に動脈管を閉じるための手術を受けました。
夫は、二人の出生後に起こりうる傷病名などについて、説明を受けていましたが、
その内容を私には伝えていませんでした。
正確には、伝えられないと思うくらい耐えられない内容だったようです。
(未だにその内容は、教えてくれません)
その為、私としては突然の出来事になりますので、
何が起きたのか訳がわかりませんでした。
(担当医からの手術決定の連絡が来たのが、両方とも搾乳中で、
なぜか搾乳中の病院からの連絡は嫌な内容ばかりでした。
不思議と、搾乳中以外の時間帯には連絡1度も無かったです)
心臓と肺をつなぐ血管を縛る手術。
当然危険をともないます。
夫も急いで飛行機をとり、駆けつけました。
手術は成功。
手術後は呼吸状態も少しずつ安定してきたようです。
(呼吸窮迫症候群)
在胎32週未満、1500g未満の赤ちゃんに多くみられます。
呼吸をしても、上手く肺に酸素が取り込めず、
チアノーゼや無呼吸発作を起こす病気です。
治療は、サーファクタントという薬と人工呼吸器を使います。
1子は未熟児網膜症との兼ね合いで、なかなか呼吸器を外すことが
できませんでした。
結局、呼吸器が外れたのは、2ヶ月と7日目(未熟児網膜症の手術後)でした。
長期間人工呼吸器を使用していたので、
「慢性肺疾患」という病名が追加でつきました。
この病気は、ゼロゼロが続いたり、風邪をひきやすいなどの後遺症的なものです。
(ひどい場合は在宅酸素を必要とするケースもあるみたいですが)
ほとんどは3歳くらいで肺機能の成長も追いついてくるので、
目安的に3歳まで特に注意すればよさそうです。
2子は、27日めに口の呼吸器は外れました。
ただ、時々呼吸を休むことがあったので、鼻腔タイプの呼吸器をしばらく
つけていました。
呼吸器無しでの完全自発呼吸の練習をしていたのですが、
未熟児網膜症の手術のため、再度口からの呼吸器を使用しました。
完全に取れたのは2ヶ月と1日目です。
(未熟児網膜症)
早産児の場合、網膜に栄養や酸素を運ぶための血管が、
正しく成長する前に生まれてしまいます。
(在胎34週ごろ完成すると言われています)
そのため、本来伸びるべき血管(新生血管)が異常な方向に伸びたり、
してしまい、最終的に網膜剥離をおこしてしまう可能性があります。
原因としては、貧血や酸素不足が要因となっているようです。
ほとんどは自然になおりますが、網膜剥離を起こす可能性がある場合、
光凝固や冷凍凝固という手術を行います。
本来伸びるべき血管の成長を止める訳ですが、極端に視野が狭くなったりすることは
無いそうです。
(多少は視野が狭くなるケースもあるそうですが、問題になるほどではないと聞きました)
1子の場合、酸素不足が心配で呼吸器をはずせなかったようです。
一時期、調子がよくこの状態なら自然治癒の可能性がある・・・
というところまでいったのですが、いざ呼吸器を外す段になった頃、
やはり、手術したほうが良いと言われました。
結局、2ヶ月と2目に左右1回ずつ光凝固の手術を受けました。
呼吸器をつけているので、泣き声は聞こえませんが、大人でも我慢できない
痛さと聞きます。
手術後は、両目ともに腫れあがり、本当に痛々しく、かわいそうで仕方ありませんでした。
2子の場合、手術をしなくてもいいと聞いていたのですが
少しだけ気になる血管があると言われ、
「手術をしますか?しませんか?」
とういう決断を求められました。
そんな決断できるはずもなく、担当の眼科の先生に
「先生なら手術しますか?したほうがいいのですか?」
と聞き、結果的に手術することにしました。
やはり、左右1回ずつ、光凝固の手術です。1ヶ月と31日目の事でした。
「手術で呼吸がおかしくなるといけない」
とのことで、当日、再度人工呼吸器をつけました。
1子より日程が先になったのは、呼吸器を外していたので
(自発呼吸の練習中だったこともあり)
進行が早くなる可能性を危惧しての事だそうです。
未熟児が通る道で、この未熟児網膜症が最後の難関らしいです。
これをクリアしたら、後は体重増加に向けて頑張っていけば良いとききました。
確かにその通りで、その後、後遺症が出るような大病には幸いにして
遭遇しませんでした。
(MRSA)
正式には、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌と言います。
メチシリンという抗生物質に対して耐性を持っているので、効果がなくなってしまう病気(?)です。
この菌自体は、強い菌ではなく、単独ではなかなか症状がでません。
ただ、手術後の人や、未熟児や老人など、極端に抵抗力が弱っている人に
悪さをすることがあります。
全国のNICUに入院中の赤ちゃんの50%がこのMRSAを体に持っているという報告もあるようです。
2子がこのMRSAに感染していると分かったのは、検査の結果1ヶ月と20日目でした。
2ヶ月と11日目、面会の時に左の顎の下が腫れていると気付き、報告してから、その原因を突き止めるまでに(培養の関係もあって)1週間かかりました。
MRSA自体が腫れの原因ではありませんが、感染していたのが悪化させた要因の一つです。
腫れが引くまでの間、膿を出すために針で抜いたり、切開したり・・・
かわいそうでしかたありませんでした。
どうして、無菌のはずのNICUで感染がおきるのか、全く納得いきませんでした。
呼吸器がなかなか完全に外れなかったのも、この左の顎下の腫れが原因だったようです。
症状が改善すると、すぐ呼吸も安定し、あっという間に呼吸器が完全にはずれました。
MASAの治療に入ったのは、未熟児網膜症の手術の関係もあり、2ヶ月と15日目。
検査の結果、完全に(-)になったのは2ヶ月と27日目。
キャリアになることはありませんといわれて、少しホッとしました。
(甲状腺機能低下症)
クレチン症ともいいました。
生まれつき、甲状腺ホルモンが不足する病気です。
遺伝や、輸血などで感染するものではありません。
治療は、甲状腺ホルモンを補う薬「チラージンS」を内服するだけです。
原則として、この薬は一生飲み続けなければなりません。
しかし、中には一時的に甲状腺機能が低下する「一過性甲状腺機能低下症」
もあります。
一過性の場合は、将来的に内服をやめることができます。
先天性か一過性かどうかは、すぐにはわかりません。
長期間の検査や、経過観察が必要です。
1子が「甲状腺機能低下症」の疑いがあると言われたのは1ヶ月と16日目でした。
新生児マス・スクリーニングで疑いが出ているというのです。
再検査の結果、この病気であることが確定したのは、それから3日後の
1ヶ月と19日目でした。
担当医の先生と内分泌科の先生が相談され、この時からチラージンSの内服が始まりました。
しかし、幸いなことに1子の経過をみていると一過性の可能性が高く、
10ヶ月と3日目に、治療は終了しました。
ただ、万が一の事もあるので、2ヶ月に一度血液検査を受けていました。
これも、1歳と2ヶ月目に終了することが出来ました。
我が家の場合、幸いにして克服できる病気ばかりでしたが、
頑張って乗り越えてくれた我が子たちに、そして先生方に感謝します。
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