評論家受けは決して悪くなかったのにセールスに結びつかなかった Ultravox が、Midge Ure [ex.Rich Kids] を John Foxx の後釜に据え再始動した 4th アルバム "Vienna" で、新機軸と言える程のものが見当たらないにもかかわらずブレイク。更に、John Foxx 在籍時の Ultravox に影響を受けたと思しき Gary Numan 率いる Tubeway Army が、より機械的な意匠を施してこれまた大ヒット。つくづく運のないヒトだなぁ、と思ってしまいます。
そんな状況下、満を持してリリースされた本作。リズム・ボックスの無機的で単調な音からスタート。簡素な骨組みだけの音で荒涼たる世界が描き出されていきます。Ultravox 時代の彼からはちょっと想像し辛い、抑揚を抑え感情を極力押し殺したような歌声が続くわけですが、この辺りは Gary Numan からの逆影響(?)なのでしょうか。とは言え、そこは John Foxx。抑えようにも抑えきれない情緒の発露とでも言うのでしょうか、敢えて Ultravox 期の名作のタイトル("Systems Of Romance")を引き合いに出せば、そこかしこに彼流のロマンチシズムが滲み出ては来ているのです。それは、残念ながら本編には収録されていない "Film One" や "20th Century" での、荒々しい感情が迸るような過激なインストゥルメンタルに特に顕著だと思います。
次作 "The Garden" でいきなりバンド・サウンドに回帰してしまい、我々を唖然とさせる John Foxx。まあ、それはそれで良質な作品ではあったのですが、出来ることなら本作での方法論を突き詰めた「完成形」を聴かせて欲しかった、と思うのは単なるファンの我儘でしょうか。
それと、初期のソロ作品を網羅した CD を出す気はないんでしょうかねぇ。私が持っているこの CD には "Burning Car" や "This City" が入っていないし、2007 年にリ・イシューされた CD では "Miles Away" と "A Long Time" が漏れている、と言う具合。ファン泣かせにもほどがあります(泣笑)。
【Track Listings】 01. Plaza 02. He's Liquid 03. Underpass
05. No-One Driving 06. A New Kind Of Man 07. Blurred Girl 08. 030 09. Tidal Wave 10. Touch And Go
- Bonus Tracks - 11. Young Love 12. Film One 13. 20th Century 14. Miles Away