最初にこのアルバムを聴いた時は、正直音楽メディアが絶賛するほどの作品だとは思えませんでした。むしろちょっとサイケデリックなギター・ロックと言う程度の印象でした。どことなく 60 年代ポップ・ソング風な "Bye Bye Badman" とか、Simon & Garfunkel の "Scarborough Fair" を援用した "Elizabeth My Dear" 辺りを聴くと特にそう思います。彼らと同じく、所謂 Mad-chester の一翼を担った New Order ほど無節操ではなく、Happy Mondays ほどに享楽的でもない。私の中ではそんな位置付けでした。「ロックとダンス・ミュージック云々」と派手に喧伝された割には地味と言うか。
但し、出会い頭の衝撃がなかった分、後からジワジワと来たのは確かです。Ian Brown のヴォーカルは未だにどこが良いのか理解出来ないのですが(笑)、決して出しゃばるわけではないのにあちこちに印象的なフレーズを散りばめる John Squire のギターと、バンドの屋台骨を支える Mani と Reni のグルーヴィーなリズム隊。そんな彼らが生み出した最良の瞬間が "This Is One" から "I Am The Resurrection" へと繋がる本作の最後半部です。このおよそ十数分間に渡る高揚感は堪えられません。
【Track Listings】 01. I Wanna Be Adored 02. She Bangs The Drums 03. Watherfall 04. Don't Stop
06. Elizabeth My Dear 07. (Song For My) Sugar Spun Sister 08. Made Of Stone 09. Shoot You Down 10. This Is The One 11. I Am The Resurrection