笑う門には・・・

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ダウン症って



21番目の荷物(染色体)はお父さんからもらった1つ、お母さんからもらった1つ合計2つあるのが通常ですが、ダウン症では1つ多く3つになっています。この状態を21番染色体トリソミーと呼びます。この1つ多い21番の染色体を持つことがダウン症の発症の原因であることは間違いなく、21番に乗っている遺伝子の数(225個)が50%増しになることが原因であると言えそうですが、同じダウン症の子供たちで合併症、症状には大変な差がありますから、ことはそう単純ではなく今後の研究が待たれます。
21番目には様々な働きをする遺伝子が解ってます。するとその遺伝子の働きがうまくいかずダウン症の症状が発現することになりますが、今のところダウン症の症状を遺伝子との関連ですべて説明出来ているわけではありません。

どうして3本になるの? それはどういう意味?
それぞれの染色体が2本あるのは、両親から1本ずつもらってきて2本になっているのです。両親は21番染色体を2本もっていますから、精子、卵子も2本持っていると考えてしまいますが、そうすると精子、卵子が一緒になった赤ちゃんの元である受精卵では4本になってしまいます。本来2本で良いのですから4本にならないようにする仕組みがあります。即ち精子、卵子の染色体数は46本から23本と半分に減るのです(減数分裂)。だから21番染色体も2本から1本に減ります。1本同士の精子、卵子が受精して2本になります。そしてそれぞれの染色体にのっている遺伝子が相談して赤ちゃんを作って行きます。ダウン症では21番目の染色体が3本となっています。1本は父、もう1本は母からもらいます。では3本目は誰からもらうのでしょうか?まぎれもなくお父さんまたはお母さんからです。時には21染色体を2本もらった精子、卵子が出来ることがあります(不分離)。それが1本もつ精子または卵子と受精すると3本になります。
この現象を「染色体不分離」といいます。この現象は誰にでも起こるので一般に「突然変異」と言われています。最近の研究では受精卵の半分以上は染色体の数が減ったり、増えたりしているこたが解ってきました。ですから不分離は特別病的な現象でなくヒトでは誰でも起こっている現象と言えます。ただ大部分の染色体では少しでも数の増減があるとお腹の中で赤ちゃんが育たないのです。21番染色体は一番小さく、また数が1本増えても赤ちゃんまで育つ可能性がある染色体なのです。それでも21トリソミー受精卵の70~80%は流産します。だから無事生まれてきたダウン症の子供達は立派に生き抜いて生まれてきた子供達であり、また流産しやすい赤ちゃんを見事に育て上げたお母さんの子供さんでもあるわけです。

             ダウン症健康フォローアップ手帳より抜粋

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