アントレプレナー塾長 「大人の探検隊日誌」 夢のソーシャル・アントレプレナー            

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口コミの飲食店


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                第18号
               ★★★★★★★★ 
       「見方が変わる!『超』マーケティング発想法」
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  ●発行責任者:アントレプレナー塾 塾長 三丘 大詩
 読者数:924名
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【はじめに】☆★☆★☆★☆★☆★―――――――――――――――――――
こんにちは、みつおかです。土曜日のマーケティングの勉強会にかこつけて、
日曜日京都を満喫しました。北野天満宮の紅白梅は満開。嵯峨野や哲学の道の
桜もつぼみが膨らんでいました。新撰組ゆかりの建物はどこも人だかり。芹沢
鴨を殺傷した刀傷が今も生々しい壬生の屯所、粋な色街・島原の角屋。バス1
日乗り放題6百円のチケットをフルに活用しての京都ぶらりひとり旅。えっ、
お土産ですか?錦小路で買ったぐじ(アマダイ)の開きに鮎のなれ寿しです。
ああ、それにお茶漬け用のあられに、ちりめん山椒。素晴らしき哉、日本!
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◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇  知る人ぞ知る店に学ぶ  ◇◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆
         行列ができる店、通のみぞ知る店
           口コミだけで栄える秘密          
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●今回は久々にフィールド・ネタでいきましょう。今日ご紹介する店は二店と
も凄い店です。単品メニューなのに、栄える秘訣を探りましょう。
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▼新橋駅の地下に夜になるとサラリーマンの溜まり場となる飲み屋横丁がある
。昼間はシャッターが下り閑散としている。なのに細い路地に11時半になる
と行列ができる。40分を過ぎると人数は2、30人に膨れ上がる。何故、こ
んなに並んでいるのか外から見てもさっぱり分からない。向かいの飲み屋春ち
ゃんの提灯も消えている。隣のクラブ櫻子も人っ子ひとりいないのに何故?

▼その店は木目調の合板に囲まれた5坪程の店である。暖簾には「天茶屋 六
蔵」と書いてある。厳つい檜の看板には「秋田 稲庭饂飩」の彫刻文字。大中
小のみの究極の単品メニュー。三百円足すといくら丼、まぐろ丼から選べるセ
ットメニューになる。カウンターに座れるのは11人だけ。ようやく私の順番
がくる。小どんぶりのいくら丼を頼む。いくらは好物の醤油漬けだ。イクラが
口で弾ける。旨い!白菜と人参の漬物も抜群である。醗酵した旨みが最高!久
々に味わう自然な味に感激。食べ放題でもある。漬物をお替りに次ぐお替り。

▼茹で上がった稲庭を冷水でゆがく。ざるに盛った饂飩がくる。丼にごまつゆ
が入っている。ムム、これはきりりと引き締った味噌味である。稲庭に抜群に
相性がいいつゆだ。鶏か鴨でダシをとっているのかコクがある。ほろ苦いふき
のとうのみじん切りがアクセントになっている。食べ終わると親父が茹で湯を
中に注いでくれる。この味噌スープが実に旨い。締めて千円。人の列が絶える
ことがない。3時を過ぎると暖簾が降りる。夜はやらない。凄いお店である。
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▼先々週、静岡に行った。藤枝に頑固親父がひっそりとやっているこだわりの
鰻屋がある。また通人に連れて行ってもらった。誰も分からない田圃の中にあ
る。看板はかかっていない。目印といえばあぜ道に止められた黒塗りの車の列
だ。昼前だというのに門には「本日終了」の札が下がっている。カウンターに
7、8人座れる。奥には小部屋が4つ。この日も一番奥の部屋に上がる。この
店には看板も目印も屋号も何もない。自称「まるはん へそ曲がり」である。
地元の人も知らないお店だ。しかし遠方よりわざわざ来る鰻好きが絶えない。

▼はじめてこの店に来たのは昨年の夏。やはり奥の部屋に勝手に上がった。ま
るで時代劇に出てくるような粋な小部屋だ。窓はない。障子で囲まれている。
無論クラーなどという文明の利器はない。あるのは鰻をパタパタ仰ぐあの大き
なうちわのみ。障子を開けると、うっそうと茂げる木々とセミ時雨のお出迎え
。待つこと15分。やっとおばさんがお絞りとお茶を運こんでくる。メニュー
などという洒落た物もない。あるのは鰻と肝焼きのみ。お酒何ぞという不貞の
輩が飲む物はない。どうしても飲みたければ自分で持参しろと親父は言う。

▼待つこと30分。お腹が鳴った。ようやくご本尊が運ばれてくる。ふっくら
焚けたご飯だけのお重。肝吸い、漬物の盛り合わせ、お皿に蒲焼1尾が鎮座ま
しましている。以上。鰻はしっかりと焦げ目がついている。確かに野田岩のも
柔らかくて旨い。だが、物足りない。ここのは表面はパリパリに芳ばしいが、
口に入れるとトロける。これゾ、「ザ・蒲焼]である。お手製の漬物も旨い。
ごぼう、人参、みょうが、きゅうり、茄子・・。何時間でもいたい店だ。気が
向かなければ店は閉める。土日、休業。日没アウトである。時折、庭から吹い
てくる風が心地よい。しばし時を忘れる。まさに池波正太郎の世界だ。

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【 みつおか流料理のツボ 】☆★☆★☆★☆★☆★―――――――――――
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●どちらの店も究極の単品メニューです。でも、それをより光らせる名脇役も
見逃せません。シチュエーションもそのひとつです。だから本品の良さがいっ
そう際立つのでしょう。どうです。探していって見ませんか?こんなお店に!



▼沖縄に行くと、大抵の本土の人はカルチャーショックを受ける。最初は豊か
な自然に驚くのであるが、次第に沖縄的ゆったりした豊かな生き方にショック
を受けるのである。「ナンクルナイ」というウチナーグチ(方言)がある。明
日は明日の風が吹く、ドンマイという意味だ。大きな失敗をしても周りがナン
クルナイサといたわってくれる。テーゲーという言葉もあるが、おおざっぱと
いう意味である。夜の8時と約束しても、大体夜の8時から仕度をはじめる。
遅れても皆許してくれる。テーゲーな生き方におおらかなのだ。パンクチュア
リーに生きてきた東京のビジネスマンにとっては驚きである。

▼一万二千人の高税納税者と普通の人を徹底調査した面白い本がある。本田健
の『普通の人がこうして億万長者になった』である。そこで分かったのは億万
長者の条件は意外にも、当たり前と思えることであった。普通の人が成功する
条件としてあげたのは、資格を取ったりキャリア・アップ、ビジネスチャンス
に気づくこと、人とうまくやること、賢く投資すること。これに反し、億万長
者があげたのは、誠実であること、勤勉であることと運、好きな仕事を楽しみ
ながらすることであった。本当の金持ちは心の豊かさを追求していたのだ。

▼昨年の冬に秋田に行った。そこで稲庭饂飩の老舗「七代佐藤養助商店」に寄
った。稲庭饂飩はすべて手作りである。練りに練ってうまさが出る。手ない作
業で細くよじっていく。乾燥させる。手作りだから饂飩の断面がそれぞれに穴
が空いている。この細かな気泡がうまさの原点である。六蔵はこの饂飩に味噌
仕立ての汁。他の店では味わえない素朴なホッとする旨さだ。へそ曲がりの鰻
も凄い。ここの親父は鰻好きが嵩じて、養鰻業から鰻屋に変身したのである。
この偏屈な親父が意外な文化人である。趣味は富士山の写真。玄人はだしだ。

▼雨が降ろうと槍が降ろうと土曜日は必ず、早朝から富士山である。雪でも日
の出と日没の一瞬のシャッターチャンスに丸1日かけるそうだ。相当なへそ曲
がりだ。マスコミの取材には一切応じない。だが、富士山の取材と聞いてテレ
ビに嬉々として出演したそうである。筆もたつ。詩も書く。日没後は、気の合
う旦那集と文化談義に花が咲く。小部屋には富士山の写真と筆で力強く書かれ
た詩が掲げられている。曰く、こう歌ってある。

▼「 天にさえずる鳥の声、   もっともっとと美酒を飲み 
   花は満開、蝶は舞う。   うらら、うららと日が暮れる 」

 何も齷齪働くばかりが人生ではない。量の拡大ばかりを追い求める時代から
質を追求する時代へ・・。へそ曲がりの親父の生き方は、江戸時代にタイム・
スリップしたようだった。なんだか私もナンクルナイ、テーゲーな生き方をし
てみたくなった。人生の本当の豊かさとは何であろう?教えてください。

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【今週のみつおかひろしの薀蓄】☆★☆★☆★☆★☆★――――――――― 
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●【マーケティング原理29】「最善の戦略は戦わずして勝つことと心得よ!」

●【今週の一言】
 「これから、感性が大切な時代になっていくと多くの億万長者が語ってくれ
  た・・・みな口をそろえていうのは、『人に与えることで、豊かになる』
  ということです」 
       本田 健 『普通の人がこうして億万長者になった』 講談社 

 「花は盛りに、月は隈なきのみ見るものかは」   吉田兼好 『徒然草』

 「己のよく事を楽しむを楽しむ」      宋・しょうよう 『楽楽吟』

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★☆☆☆☆☆  <<みつおかひろし の編集後記>>  ☆☆☆☆☆★
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■■■■編集後記□□□□
■■■ どうでしたか? 私は思い立つことあって、かつて猫の額程の畑を借
■■ り、無農薬の野菜作りを5年間続けました。堆肥や肥料も手作りです。 
  30種類以上の野菜を作りました。将来は、「晴耕雨読」が夢ですなー。  

 ■【次回予告】いやー、京都にはまりました。ちょうどこの時期、夜になる
と石畳小路や祇園の路地に花行燈に燈が灯りました。幻想的な世界でした。
次回はいっそのこと、「京都 お茶屋・考」でもやりますか? 

●アントレプレナー塾 塾長 三丘 大詩(みつおか ひろし)
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