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5~すべての終わり~
手術当日...
「右典クン頑張ってね。」
「うん…」
‘頑張れ‘ってみんな言うけど何を頑張ればいいわけ?
俺はどうすれば…
「やっぱり不安だよね…」
「まぁ今日で俺としゃべれんの最後だと思っていいからな」
「…どうしてよ?」
「だって植物人間になる可能性は70パーで
死ぬ確立が50パーなんやろ?せやから俺とはもう会えんよ」
「そんなこと言わないでよ!信じて」
信じる?何?神様でも信じればいいの?それとも奇跡を信じればいいの?
フ゜ルルル。
「あぁ俺だわ。はい…」
「えっ……そう…ですか。後で行きます…」
その時ものすごく寒気がしたのは俺だけだろうか?
何か今までにない怖さが俺を襲った。
「…どうしたん…?」
「…いいや。何でもないから」
「気になるやん」
「たいしたことないから…」
「じゃぁ何で涙が出てんねん?!」
「っ…これは…俺にもよく分かんない…」
「おい!!恭平!!」
「ごめん!!ホント何でもないから気にしないで!!」
ハ゛タン。
「わけわかんねーよ。じゃ何でだよ…何であんな悲しい顔してたんだよ…」
「右ー典」
「えっ?奈梨…?」
「来ちゃった」
「どうしたん?学校やないのか?」
「今抜け出してるの。ほおっておけないでしょ」
「ありがと」
「ねぇ右典死んだらどこに行くと思う?」
「どこって天国やろ」
「花畑だよ。それは永遠に終わりがない花畑。」
「えっ?」
「死ぬ時が来たら何を見たい?」
「えっ…そりゃぁ大切な人」
「私は…最後に右典が見たかったな」
「何言うてんねん?お前は今俺と話してるやろ?」
「そうだったらいいな」
「お前らしくないで?どうしたんねん?!」
「右典最後に一つだけ約束して。絶対花畑を見ないでね」
「えっ…」
コロン。
「あっ花びら落ちちゃった…」
右典が花びらを拾う。
「…何で…いないんねん…」
そこには奈梨の姿はなかった。
きっと俺は夢でも見てるんじゃないかな?そう思ってた。
その頃からものすごく心が釘にさされたようだったのは何故?
その時もう一枚花びらが落ちた。
手術中...
「メス」
「やばいな。かなり悪化してる」
「最善をつくそう」
俺は夢を見てた…。
そこには橋があってその先には奈梨が言ってた
永遠に続く花畑が広がっていた。
そこはものすごく美しい場所だった。
向こうから誰かが呼ぶんだ。
「右典おいで。ここはとても居心地がいいよ」
「…」
俺は花畑に向かって歩き始めた。
「先生血圧下がってます!」
ヒ゜ー…------------ー---。
ふとあることを思い出した。
‘右典約束して。絶対に花畑には行かないでね‘
‘もうみんなと会えなくなってしまうよ‘
みんなに会えなくなる?そんなの嫌だ恭平にだって
隼人にだって真希にだって…奈梨にだって会えなくなる。
そんなの絶対嫌だ。
俺は背を向けて青空の向こうへ歩き始めた。
カ゛チャン。
「先生」
「…」
「助かりましたか…?」
「ええ。奇跡的に一命はとりとめました」
「よかっ…。えっ…?」
「いつお亡くなられてもおかしくありません」
「そうですか…」
..「恭平」
「あっ央っちゃん」
「右典は?!」
「助かったよ。でもいつ亡くなってもおかしくないって」
「…」
「何でだよ…何で…二人も…」
「誰にだって死ぬ時はいつか来る」
「だって急すぎるよ…っ…」
「右典んとこ行こう」
病室..
「右典…くん?」
「恭…平?」
「右典くん助かったんだよ!」
「そう…か。よかっ…た」
「うん!」
「奈…梨は?」
「…。きっともうすぐ来るよ」
「早く…来ないかな」
「…」
「早く元気になってね」
…。
「央っちゃんもう俺耐えられないよ!」
「今言ったってどうにもなんないやろ?
このことは右典が元気になっから言うしかないねん」
「だって右典くん…笑顔で奈梨ちゃんのこと話すんだよ?
‘奈梨がいたから頑張れたんだ‘って」
「…俺やってもうどうしたらいいのか分からないっ」
一週間後...
今日の朝は眩しくて暖かい。
けど何でこんな寒くて切ない気持ちになるのか?不吉な予感。
「右典くん」
「恭平?」
「うん。だいぶ元気になったね」
「おかげさまで」
「俺夢見たんだ手術中に…」
「何の夢?」
「花畑があったんだ。それで誰かが俺を呼ぶんだ。
おいでって。
でも俺奈梨の言葉思い出して。
‘自分を信じて‘って。それで俺頑張れたんだ」
「そう…。そこはきっと天国だったんだね。
でも奈梨ちゃんが引き止めてくれたんだね」
「そうだな。早くお礼が言いたい」
「…」
「奈梨来ないのか?」
「…あのね右典くん」
「…」
----「奈梨ちゃんはもういないんだよ!!!!」
「えっ…?」
そのときワケもなく涙が溢れてきた。
「恭平冗談はよせや」
「冗談なんかじゃないよ!!!信じたくなのいのは分かるけど、」
「手術前あいつは俺んとこ来て「頑張って」って言ってくれたで!!」
「もうそのとき奈梨ちゃんは事故で亡くなってたんだよ…」
「じゃあのとき…」
‘花畑には絶対行かないでね‘------。
「でも右典くんはは奈梨ちゃんの分まで頑張ったんだよ!」
「なんで…なんで」
「右典くんこれは事実だから受け止めなくてはならないんだよ…」
「そんなの信じられっかよ。
こないだまであんな元気で何で俺より早く死ぬんだよ!!!」
「人はねいつか死ぬときが来るんだよ。俺だって真希だって」
「だからって…早すぎるだろ?!」
「…」
「何で言わなかったんだよ??!」
「前言ったって右典くんは‘生きる‘ということを失ってしまうから」
「…こんなのアリかよ…」
「右典くん。誰だって悲しいんだよ。
俺だってすごい悲しい。
でもこれでずっと悲しんでたら奈梨だって悲しむよ?安心できないよ」
「…」
「あいつは…あいつは」
いつでも‘笑顔‘をくれた
ホンのささいなコトでも嬉しそうに笑うからそういつだって笑ってる。
今一番ほしいと思う言葉をくれる。
また1人失った-----。
「今度は右典くんが病気と戦うんだ。奈梨の分まで精一杯生きるんだよ」「…」
「奈梨はね最後にこう言ってたんだ。
‘いつまでも…いつまでも元気でいてね。自分から逃げないでね‘って。」
「…戻ってこいよ…またいつもみたいに笑ってくれよ…」
だからあの時花畑を絶対見ちゃダメだよって言うたんやな…
俺をあの世に行かせないために…。
奈梨はいつもそうやな。
自分のことなんてどうでもよくていっつも人のことばっかり。
一番最初に人のこと考えてくれて…。
お前は優しすぎたよ…。
いろんな思い出あったな。
一緒にどっか出かけたりおしゃべりしたり…
ときにはケンカもあったけど二人で乗り越えきたよね。
ホントに…ホントに大好きだった。
俺とお前は離れ離れになってしまった。
道に彷徨っててもお前は助けには来てくれない。
神様はウソツキだ。
あいつに何もしてやれなかった…。
何でいっちゃうんだよ…。
今は…涙も出ない。
それは二度と会えないから。
…ワガガマかもしれないけど
‘ずっと一緒にいたかったな‘。
ずっと二人で----。
奈梨の死から早1年。
その後右典はあの日がきっかけで‘笑顔‘を失くしてしまった。
二度と笑ってくれはしない----。
彼もガンであと何週間しか生きられないと医師から伝えられた。
「やっと…奈梨のところに行ける」
右典違うんじゃないかな?
奈梨は決して右典がこっちに来てくれなんて望んでないと思うよ。
「なぁ恭平。俺はあと何日で奈梨んとこ行けるん?」
「右典くん。この世の中には事故や殺人などでたくさんの犠牲者が出てる。もうその人達は生きたいって思ってももう遅いじゃん。
右典くんはねまだ手遅れじゃないんだよ?」
「手遅れなんだよ!!」
右典が完全に壊れた。前みたいに。
俺はなってほしくなかった。
「右典くん。あと残された君の人生をどう生きる?」
「なんもせえへん」
「本当にそれでいいの?この19年間を君は無駄に生きたことになるよ。
残された短い人生を大切に生きるべきじゃないかな?
今までの思い出より最高の思い出をつくって
眠ったほうがいいんじゃないかな?」
「誰が誰とつくんねん?」
「俺たちと右典くんじゃん」
「俺たちって…。見舞いやってお前しか来てくれないやん。
今更何言うてんの。」
俺は…もう…
‘生きるのに飽きた…‘
毎日…もう嫌なんや。生きるのが…。もう…疲れた…
ずっと迷ってた。死ぬか生きるか。
なぁ奈梨ならどうする?
‘答えは自分で探すんだ‘
答えなんてト゛コにもない…。
俺は生きるべきなのか?教えてくれよ。
‘どうして死ぬことを考えるの?‘
「えっ?」
「右典くん?」
‘強くなるって約束したじゃない‘
「…奈梨?」
「えっ?!奈梨がどうしたんだってば」
‘あなたは生きなきゃダメ‘
「俺はあと何週間で死ぬんやで」
‘可能性があるって言ったじゃん。負けちゃダメ‘
‘振り向かないで‘
「…」
‘絶対、絶対に生きて‘-------。
「右典くんってば!!!」
「えっ?」
「もーさっきから質問してんのに無視しないでよ」
「…ごめん」
「でどうしたの?さっきから独り言みたいに」
「奈梨としゃべってたんや」
「右典くんがあんなこと言うから奈梨が出てきちゃったんだ。」
「…」
「‘右典くん生きる希望を忘れないで‘」
‘イキテ?‘
...それから彼は微笑むようにこの世を去っていった。
やはり病気には勝てなかった。
でも頑張ったよ。精一杯頑張った。
何もやり残したことはないと思うよ。
右典は…最後にこう言ってた。
‘信じてよかった‘
幸せそうに目を閉じた。
まだ春は来ないというのに心が温かいのは光が灯った証。
‘信じる‘それが大事だと思う。
きっとあなたにも素敵な未来が待ってるから-----。
‘ねぇ右典‘
‘何?‘
‘これからもずっと一緒にいようね‘
‘約束だよ‘
俺のあげたもので奈梨は幸せそうだった。
それを見たとき俺は一番うれしかった。
今まで一番素敵な物を俺はとうとう拾うことができた。
---END----
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