2007年4月25日




今、すごくすごく腹が立ってます。
ワナワナが止まらない。
涙も止まらない。

今日は心穏やかに一日を終わろうと思ってました。

キーボード叩く指が震えてます。
打ち間違いばっかしです。


少し、クールダウンして、
今日のことを思い出してみようと思います。

今日は、JR宝塚線の脱線事故からちょうど二年。
ご遺族のみなさまにとっては三回忌となります。

普段、事故現場を通り過ぎるときは
いつもしっかり見つめています。

暑い日も、寒い日も、警備の人が立っています。
千羽鶴やお花が絶えることはありません。

自分の感情は、もうコントロールできている。

つもりだった。

昨日、夕方のニュースで脱線事故の特集があって、
今まで何度も同じような内容の番組を見たことあるのに、
突然、涙がいちどにあふれてきて、
大声で泣いてしまいました。

あの日、私が見送った電車には、
たくさんの人が乗っていた。
みんな元気にしていた。
あの瞬間は、確かに、みんな生きていた。

思い出すたびに、おんなじ気持ちがよみがえる。

あの時は、生きてたのに、って。


ある瞬間、感情は堰を切って声をあげるけど、
それが長く続くことはない。
自分は、被害者でも、その家族でもないから。



そして今朝、事故が起きた時間に現場を通る電車に乗りました。

ホームに電車が滑り込んでくるのと同時に、
「1~3両目に報道機関のカメラが入っておりますのでご了承ください。」
とのアナウンス。

見ると、おっきなカメラを持った人たちがたくさん乗っていました。

事故現場が近くなると、普段はありえないくらいの減速。
長い長い警笛。
そして事故についての車内アナウンス。
事故現場ではたくさんの人たちが手を合わせていました。
車内ではカメラの絶え間ないシャッター音とフラッシュ。

そしていつものように、次の駅に到着しました。


思うことはたくさんある。
誰にでも、少なくともその場に居合わせた、
乗り合わせた人たちは、
態度で示さないとしても、心の中は思っている。



それを、憶測で、外見で、批判してはいけない。

これが、今私が怒りに震えてる理由です。


直接被害に遭われた方々、ご遺族の方々、ご家族の方々、
そのみなさまの感情と同じとは思っていません。

だから、これは私の個人的な気持ちです。


やっと核心にたどりついたよ・・・。

さっき、今日の夕刊を開きました。
事故についての記事でいっぱいのページ。

読み進むに連れて、ワナワナしていって、
床に広げてた新聞を手に取り、
両手で握り締め、ぐしゃぐしゃにしたい気持ちになりました。

そのまま書くのはいけないので、
ニュアンスだけ。

“去年は、事故現場に来ると車内でも手を合わせてる人や
 喪服を着てる人が多かった。
 でも今年は手を合わせる人も少ない。
 事故現場では顔を上げて窓の外を見つめるが、
 すぐに新聞に目を落とす会社員もいた。

 去年と比べると、手を合わせる人が少ない。
 記憶が薄れつつあるのを感じた。”


・・・・・・・・もう、コメントするのもむなしい。

けどね、

手を合わせることが、思いの強さを表現してるのか?


まだ夕刊見てなかったおとーちゃんに、
そのフレーズを読んで聞かせました。
泣きながら、くやしい気持ち爆発させながら、読みました。


心の中、見えるの?
無表情でつり革につかまってたよ、私は。
きっと何も考えてないように見えるよ。
頭を下げるわけでもなかったし、
手も合わせてないし、涙も流してなかった。

もちろん、その記事の中には、
実際に忘れてる人のインタビューも載ってたけど、
それはホントに少数派でしょう?


その記事で、傷ついたわけじゃない。
そんな権利は自分にはない。

でも、悔しかった。

新聞記者は、どういう表現をするのがベストなのか
って私にはわからない。

思ったこと、感じたこと、目に映ったこと、
ありのままを記事にする。
事実を、記事にする。

だからその記事は正しいのかも。

表現の自由だし。


いろんな感じ方あるし、批判する権利もない。


ただね、正直、すっげー悔しかった。

私は、父が急死したとき、
しばらく手を合わせることができませんでした。
仏様に手を合わせなさい、ってまわりに言われても、
ほとけさまって、父じゃない。と思ってた。

それとこれとは、全く関係ありませんけど、

思う気持ちは、人に見せるものでもないし、
自然と現れるものであって、
手を合わせたくなればそうするし、
手を合わせないからって、なんにも思ってないわけじゃない。


当事者の方々が目にすると、
気分を害される表現かもしれません。
私も、その新聞記者とおんなじことしてるのかも。


感情にまかせて書いてるので、
自分本位で身勝手な表現です。



でも忘れないよ。
忘れてないよ。
これからもずっと、忘れない。

おなじ時間に、おなじ場所で、
一緒に生きてた人たちがいたこと、
私は、ぜったい、忘れない。

手を合わせることはなくっても・・・。


           2007年4月25日





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