宇宙は本の箱

     宇宙は本の箱

第九?しかし一密


「それは第九段階ですね」

虹のかかったろうそくをずっと見ていた私が目を閉じたのは、その後でだった。
虹が消えてダイヤモンドか雪の結晶か、はたまた金色の蜘蛛の糸か、
蝋燭の火がそういうものに包まれた。なんだろう、なんだろう・・・私は思うけれど何かはわからない、なぜかはわからない。
ただ綺麗なのだ。まわる、きらきら・・・きらきら、きらきら、輝く。
だから少し目が疲れてきたのだった。
先生の精神統一は一時間といいながら長引く。そんな蝋燭の光を一時間以上も見続けたのでは目もおかしくなる?
そういうことで私は目を閉じたのだった。
しかし、同室の人達は蝋燭の火は蝋燭の火だったと言った。
な~んなんだ!
これが私の二回目の先生との精神統一。

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