宇宙は本の箱

     宇宙は本の箱

仁王様の目をした坊さんのこと



その昔うちに来ていた仁王様の目をした高校生の男の子。
子供の身に襲い掛かる哀しみ。やりどころのない怒り。
地球相手でも闘ってやるというような鋭い眼つきをしていて、大学の頃はやくざ、月給100万。仲間と共にレースもやっていた。

何年ぶりかで現れた時は袈裟を着ていた。
やったね!私達はピースをした。
 跡継ぎやからやなく、俺が選びました。坊主は俺にぴったりですわ。
 こんな俺やから、人の心わかってやれる 思うんです。

そう言った。そんな彼との語らいの日々に終止符を打つ日が来た。
彼と最後の日をつくろうとは努々思わなかったけれども、つくらなければならなかった。

最後の日の会話を思い出すことはあるかな~。
どんなにかいい坊さんになったことだろう。

とても気にいっていたけど、彼の記事は今はもう削除してしまった。


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: