No Music,No Life

No Music,No Life

死刑執行



東京某所でひき逃げ事件発生

車が猛スピードでガードレールが無い路肩に突っ込み、それでも車は止まらずに路肩を10mほど暴走、そして道路に出て逃走した

被害者は路上を歩いていた若者で7名が死亡、10名が重軽傷を負うという大惨事だった

警察は直ちに聞き込みを行った・・・

が、事件発生から5時間後に男が警察署に出頭

犯人曰く、「酔っていて気付かなかった」

この事件を起こす10分前まで5時間にわたり大量の酒を摂取していたという、しかし出頭時は殆どアルコールが抜けていた

その後、数年間にわたり被害者と加害者の間で裁判が行われた

が、弁護団の巧みな保護により懲役5年が求刑された・・・

・・・・・・

そして、五年の月日が流れた

-刑務所前-

1人の男が刑務所から釈放された

「はぁ~、長いようで短かったな、五年って・・・

たしか弁護士が迎えに来るって行ってたな、金ねぇよ(笑

まぁ親が出してくれるし、どうってことないか(笑」

「・・・・・・」

「こちら、ムショ前、ターゲットを発見、作戦Aを実行する」

暫くすると、男の方に車が一台寄ってきた
男は振り向き手を手を振った

「お~い!○○弁護士さん?・・・の事務所の方?」

「はい、そうですよ。5年間の勤めご苦労様です、どうぞ後ろにお乗り下さい」

そういうと、向かい側の扉から長身でスーツを纏った愛想の良い男が出てきて男に変わりドアを開けてにこやかに男に言った

「どうぞ」

「おぉ、悪いねぇ」

男が乗り込むと、ドアを開けた男はドアを閉めて自分の席に戻った

「お久しぶりにお酒でもいかがですか?」

「え?いいのいいの?いっとく?サンキュー!」

男は酒を差し出されると勢いよく飲み干した

「ぷはぁぁぁっ!うまぃ!もう一杯!」

・・・・・・

男がコップを差し出したとき、既に車内は沈黙に包まれていた

「おぃ、なんだよ、愛想悪いな。オヤジに言って報酬もっとやろうと思ったのによぉ、あんた達はあの弁護士さんの下っ端なんだろ?クビにさせるぞ?」

男は声を荒げてドライバーと隣に座ってる男に言い放った

「もし、これからどこに行くか分かりますか?」

ドライバーは再びにこやかに男に尋ねた

「は?俺んちだろ?他に何処に行くんだよ、弁護士事務所か?」

男はゲラゲラ笑いながら言った

「まぁアンタたちには十分感謝してるよ、金さえ払えば罪も軽くなるよう上手く流してくれるから、この事件では死者6人だっけ?次はもっといかねぇかな~?」

「7人だ」

ドライバーは男の言葉を途切るように言った

「はぁ?7人?変わんねぇよ、6人も7人も」

そう言った直後、車は急停止した
男は思わず前に倒れ込んだ

「いてぇな、なにすんだよ?」

男はまたしても声を荒げて言った

「そういえば、どこに行くか伝えたっけかな?」

「は?知らねぇよ、早く家に行けよ」

「家に行きたかったのか…残念だ、実に残念だ、実に残念で無念なのだが・・・・・・」

ドライバーの男は強ばった顔をして男をにらみつけると

「貴様が行くのは、地獄だ。5年間待った甲斐が在ったなぁ」

男はドライバーの変貌に恐怖を感じ隣の男に振り向いた

「別に、出所してすぐに殺るのも簡単だった、だが警備員に迷惑だろうと思ってな、ここにした」

すると男は車のドアを勢いよく開けた

「教会だ、お前にも最後はキリストチックな死を迎えさせてやろう」

男は男を車から引きずり出すと方に抱えて教会に入っていった

「やめ、誰か助けてくれ!」

男は必死に抵抗をしようとした、が、手足が動かない・・・否、全身が動かないのが分かった

「あ、さっきの酒、麻酔薬、遅延性の、ね、分かる?アーメン」

一歩一歩、前の方に抱えられていく

「助けて、なんでだよ、なんなんだよお前等、こんなコトしてタダで済むとでも思ってるのか?」

男は泣きじゃくりながら叫んだ

「我等は死刑執行株式会社の者だ、5年前に発足した。国から許可は出ていないものの現代には打って付けの組織だ。こんなコト?7人殺して何を抗議できる?」

「んなもん解決した事だろ?」

「いつ解決した?あの事件で被害者の家族は未だに嘆き悲しんでいる、今回の依頼もある家庭から受けた物だ。すでにあの時お前の車に乗っていたオトモダチ3人にも処罰を与えた。さぁ友の場所に逝け。」

「嫌だ、嫌だ、嫌だ、死にたくない・・・」

「あの時に「死」という言葉が該当しない人を何人殺した?いくつの死と破壊をもたらした?運命だったとでも言うか?ならば、これがお前の運命だ、お前の本音が聞けて良かった、じゃぁな。」

「・・・!!!!!!!!!!!」







「またしても、殺人事件が発生しました。
今回の被害者は五年前にひき逃げをし5年間の懲役刑を受けて今日出所したばかりの・・・
この事件の他にも3人の若者が同じ謎の死を遂げていて・・・
その共通点は、その5年前のひき逃げ事件の時に一緒に車に乗っていたと思われ・・・
全員の遺体の近くで遺書らしき手紙が発見され・・・
今回殺された男性の足下にも手紙があり・・・
「完了した」と書かれていたそうです・・・

-プツッ-

5人の人影がテレビに見入っていた
「おぃ、消すでない!もっと見たかったのにのぅ・・・」
「一丁上がりですね!」
「丁度一年ごとに1人ずつってのがなんとも芸術的だったわね」
「おぃおぃ、けっこう大変だったんだぜ?日にち合わせンのさ、1人になるの見計らわないといけないし」
「まぁ良いじゃないですか、さぁ、解散です。仕事はまだまだ沢山あるんですよ?
次は・・・民間の裁判官が狙われる事件が多いそうです、また今日から24時間態勢の張り込みですよ」
「24時間って・・・いつも100時間とか、下手すると何百時間も監視させられてんじゃねーかよ」
「まぁまぁ、犯人も賢いんですよ。あ、捕まえたら生け捕りでお願いしますよ。根こそぎ世間から消却するのが我々の仕事です、お金もたくさん貰えます」
「あ、それならアイツが1人捕まえたらしいぜ?」
「そうですか、それでは顔合わせと行きますか」
「うむ、次はいつ2話が出るんじゃ?」
「うーん、ここのマスターって結構いい加減じゃないですか、この日記も久しぶりの更新ですし」
「よし、俺がマスター半殺しにしてやるよ、そうすれば・・・」
ポカッ
「無理に決まってンでしょ!この分綴ってるのがマスターなんだから!」
「次はワシの活躍シーンを入れておくれ!」
「いや、俺だ俺!」
「私よ!わたしわたし!」
「あはは・・・見苦しい三人は置いておいて、ボクって事でお願いします」

「それでは、死刑執行株式会社オーナー、五十嵐 イレイズより謹んで、この物語を飽きずに最後まで読んでいただけた事、感謝申し上げると共に次回に期待をしていただきたい。感想もあったら是非。しかしお答えできかねない確立が高い事、前もってお詫び申し上げておきます。
それでは、さようなら」

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