本田班

本田班

HONDAHAZARD (3)



 社長が何かを取り出した。
「では、Yに“H-ウイルスというものをうつ。第一実験だからそうなるか分からない。」
なぜだ?
“H-ウイルス”をうっても仕方がない。
過去に見た資料ではH-ウイルスは副作用がきつく廃止になったはずでは。
「今、疑問に思った社員が多いはずだ。」
社長はあたりを見回して言った。
「確かにH-ウイルスはもともと人間の脳の衰えを阻止するために作られた。しかし副作用がきついため廃止になったと思われていた。」
「しかし、このMIGIDERA氏がそれからも研究し続けて、やっとのことで改良して下さった。それがこの“新H-ウイルス”だ!」
「Yeah!」
社員たちが一斉に声をあげた。
なぜこのような社員たちは怖がらない!?
それだけが頭の中によぎった。
すると社長は説明をし始めた。
「H-ウイルスに侵されると次々と生き物を殺していく。どのような手段でも。」
するとMIGIDERA氏が補足するように
「あと副作用がある。それは銃の弾がよけられるくらいに反射神経がよくなることだ。」
それは副作用というのか!?
いや、今はそんなことはどうでもいい。
もし侵されていまうとヤバイことになるのはよく分かった。
「よし、Yに手錠をかけろ!」
「はい。」
あ、あいつは部長のK・TAじゃないか。
あいつも一体どうなってしまったんだ!
「終わりました。」
とても丈夫そうだ。
ちょっとのことでは壊れそうもない。
すると、Yが目を覚ました。
「ん?俺は何をしているんだ。なぜ手錠が・・・。ファイブ!お前も捕まっちまったのか!?」
「悪いY。今の俺にはどうすることもできない。」
「ファイブ・・・。きっと俺のためにして抵抗して捕まったんだな。」
俺は次に何を言ったら良いのか言葉が出てこなかった。
「もうこれぐらいで十分かね。Yよ、悪いな。」
Yが何か喋ろうとしたが、MIGIDERA氏がすでに新H-ウイルスを投入していた。
Yは意識を失った。と同時に俺も何かを嗅がされ目の前が真っ暗になった。



      HONDAHAZARD 〔“新H-ウイルス”投入〕



                      2006年冬頃に書いたものです。

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