映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

カレンダー

お気に入りブログ

レディ・プレイヤー1 New! ジャスティン・ヒーハーフーさん

父との別れ。 天野北斗さん

イタリアンランチと… ちーこ♪3510さん

松河屋老舗☆ fujiうさぎ=^・^=さん

憂きも一時 小烏丸の”てる”さん

プロフィール

hoshiochi

hoshiochi

キーワードサーチ

▼キーワード検索

全て | 料理&お菓子&旅&演劇&その他2 | フランス映画 | 韓国ドラマ・赤と黒(ナップンナムジャ) | その他の地域の映画&ドラマ | アメリカ映画 | 韓国映画 | 真田広之 | 韓国ドラマ | アメリカドラマ | その他のジャンルの日本の小説 | 日本のミステリー小説 | イギリスドラマ | よしながふみ漫画&ドラマ&映画大奥 | 漫画・アニメ | 日本ドラマ | 中国&台湾映画 | 日本の作家が書いた歴史小説 | 海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル | 東欧・ロシア映画 | イギリス&アイルランド映画 | オランダ映画&オランダドラマ | 北欧映画 | その他のジャンルの海外小説 | 日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | 日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル | 日本映画 | 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | カナダの映画&ドラマ | ドイツ映画&ドイツドラマ | 日本のファンタジー小説 | 海外のミステリー&ファンタジー小説 | 堺雅人 | 日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇 | 三浦しをん:まほろ駅前シリーズ | 山田風太郎 | 香川照之 | 松山ケンイチ | 海外の作家が書いた歴史小説 | ジェイク・ギレンホール | イギリスドラマ:SHERLOCK | 塩野七生 | 吉田鋼太郎 | イタリア映画&イタリアドラマ | ローズマリー・サトクリフ | 大杉蓮 | ベネディクト・カンバーバッチ | インド映画 | 長谷川博己 | 内野聖陽 | 林遣都 | ムロツヨシ | ジョシュ・オコナ― | 井浦新 | 菅田将暉 | ディーン・フジオカ | 台湾ドラマ&中国ドラマ
June 17, 2015
XML
みなさん、おはようございます。
サッカ―大荒れでしたね。なんか解説が苦しい言い訳をしていておまけに雨まで降ってきました。

さて、こちらは第二次大戦の難民たちに焦点を当てたノンフィクションです。

遠すぎた家路 戦後ヨーロッパの難民たち
The long road home
ベン・シェファード/忠平美幸

「I'll Be Back」言わずと知れた映画『ターミネーター』で、アーノルド・シュワルツネッガー演じる不死身のロボットが不敵に呟く台詞だ。彼は難なくどんな場所にも戻れたであろう。何せ、戻った場所がどのようになっていても、居心地が良いように破壊すればいいのだ。しかし一般市民は、そうはいかない。

 第二次大戦を扱った映画やドラマは、最後には勝利を祝う国民のショットで終わる。しかし現実はそこからの生活がついてくる。本書は、第二次大戦で大量に発生した難民DP-Displaced Person-達がどのように帰還を果たしたか、或いは果たせずどうなったかを、彼等に関わった人々の証言を元に追ったノンフィクションである。我々がよく知る難民はユダヤ人のホロコーストであるが、土地も財産も奪われ、これまでの生活も根こそぎ変えさせられた被害者は彼等に限らない。ポーランド、ウクライナ、ユーゴスラビア、バルトと彼等の出身国は様々だ。ということは、特定の国民を想定した支援法では役に立たない。国民性も違えば、占領された時の被害状況も異なる彼等を支援する難しさに加え、更に、得意技の「どさくさに紛れて領地を分捕る」ソ連、健全で素直な労働力だけが欲しい西欧諸国、自分達の知らないところでなぜか自分達の領土の一部がユダヤ人に与えられると知って動揺するアラブ諸国など、人間として難民に同情はするものの、彼等を受け入れる事については逡巡する国の思惑も絡む。それを一方で戦争しながら一つの組織でまとめようという方が無理だ。プロジェクトは総括としては失敗になるのだろうが、逆にその状況でよくやった方だと思った。

 難民が最も多く発生するのは戦争である。であるなら、当分日本には縁のない話だ。しかし最近のように天変地異が頻繁に起きたり、或いは原発事故のような人災が起これば、自分の故郷を離れる人々は少なからず発生する。現在はまだ日本の領土に留まっていられる範囲内だから良いが、全ての領土に住めなくなる事態が起こった時、我々もまたDisplaced Personになる。なってからでは遅い。起こらない方がいいのは当たり前だが、もしそのような事態が起こった時に、どのような問題が生じるのか。帰還に向けてどのような援助が必要なのか。全ての国民が領土から一度も強制退去させられた経験のない日本国民こそ、読んでおくべき書であろう。


 遠すぎた家路 戦後ヨーロッパの難民たち/ベン・シェファード/忠平美幸【後払いOK】【2500円以上送料無料】 オンライン書店boox






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  June 17, 2015 05:34:20 AM
コメント(0) | コメントを書く
[海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: