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蓮雅 戎可

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2004.11.10
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カテゴリ: ふぁふなぁ








数え切れない覚悟の末。一生懸命走り続けて。
道を誤ったことにも気づかなかった。







 +白い軌跡+





ひこうき雲が空をとぶ。
くうるりと、綺麗な円を描いて飛んでいくのだ。

あの空の向こうへ帰れたのだろうかと、気を緩めればそんなことばかり考える。




一騎は、泣いていた。

スーツを脱ぎもしないで。
ハイイロの部屋で一人ぼっち。

がつん。鈍い音。
壁に、自分の拳をつき立てた。

「俺の…俺の、俺のせいだ…っ」

一騎は、鳴いていた。泣いていた。 









遠見は、放心していた。
唯、彼女のものなのだうろ桃色のバックを抱きしめて。
その手には、薄手のワンピースが握られていた。

ぽつり。彼女の麦藁帽子が隅に転がる。
其れが合図だったのだろうか。真っ白に変色した拳。
しっかりと握り締められた拳が、小刻みに震え出す。

「しょう、こぉ…っ」 

遠見は、とても小さな声で。ひこうき雲の、名前を呼んだ。 





遠い向こうのひこうき雲。
ぐんと白い綺麗な帯を引いて。一体何処へ行くのだろう。
この蒼穹の上の、らくえんに繋がっているのだろうか。
楽園があったら。 

きっとそこには、綺麗な海があって、綺麗な空があって。
彼女は自分の足で地面を駆け回る。
床に伏せる必要もなく、木々を感じて、風を感じて。
人の温もりを感じて。幸せに。しあわせに。






僕達が目指す場所。
らくえん。
だけれど、僕達が目指す楽園に。

彼女は。











彼女は、いないね。 









…ごめんなさい。














―――――――――――――――――――― 
総士視点、翔子追悼。
あえて口調は幼く。痛々しく。





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Last updated  2004.11.11 00:11:08
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