極めて個人的な外界との繋がり

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雪村抱月

雪村抱月

November 7, 2004
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 朝のバンコク国際空港は、まさに混乱を極めていた。チェックインカウンターまでにたどり着くのに一体どこから並ぶのかすら、解らない。まだ7時過ぎだというのに、旅行客で溢れかえっている。遅々として進まない列の先をぼんやりみていたら、後ろに並んでいた夫婦が声をかけてきた(多分、欧州のほうから来ているだろう)。「まるでバンコク市内みたいだわ」と奥さんの方が呆れ返っている。「そうですねぇ」と苦笑して返すしかない。男性のほうは、苛立ってそっぽ向いていた。5分で2m進む割合。こんな調子では、飛行機には乗れない!と焦っている処に、課長が飛んできた。「僕の方でまとめてチェックインするから!」と言って、私の荷物を持ってさっさと行ってしまう。後ろに立っていた夫婦もつられて「早くチェックインできるカウンターがあるの?」と聞くので「いや、上司がビジネスクラスだから便乗させてもらうんだ・・・」と急いで返事したけれど、なんだか居心地悪かった。彼女は特に失望した色を露にしたわけではないのだけれど。

 バンコクから1時間半足らずの飛行時間で、ラオスの首都・ヴィエンチャンに到着する。初めて訪れるので、ランディング体勢に入った時に、首を伸ばして外の風景を見た。
 濃淡が入り混じる緑が、視界に飛び込んでくる。しかも日本の都市郊外というよりも「田舎」に見られるような樹木が密集していて、その傍で草原が広がっている。彼方に目をやると、霞んで更紗をかぶせたような地平線の辺りには熱帯植物が風にそよいでいる。高い建物ところか、民家も見当たらず、心細くなる感が少なからず沸いた。
 間もなくターミナルが見えたけれども、「日本の田舎」のイメージが抜け切ってない私は、それが昔の木造立ての小学校のように思えた。二階建てのすっきりとした造りである。
 空港ターミナルビルに入るまでの廊下があって、心地よい風が吹き抜けた。空は快晴。湿度は高め、気温は30度超。11月、乾季に入ったヴィエンチャンは夏である。けれども、空気に、ガソリンなどの人工的な匂いや埃っぽさはなかった。このまま汚染されずにずっとこの空気であればいいと思う。
 ガタガタしたアスファルトの道を走る。街並は低く濃い緑が建物の間を埋めている。臙脂色の屋根に白い壁が目立つ。仏教の寺院が点在していて、道を歩く若い修行僧も見掛けた。
 金曜日までの忙殺された時間との落差に、身の置き場に一瞬困るような、そんな鷹揚とした雰囲気が街にあった。

 おばさんが鈴なりになった蒸篭を天秤で担いで歩く。中にはもち米が入っていて、いわばお弁当屋さんのような感じ。風鈴が鳴っていると思って振り向くと、今度はカットフルーツをおじさんがゆっくり歩きながら、台車を押して売っていた。道端に置かれた椅子に老年の紳士が二人腰がけて、世間話に花を咲かせている。

 ラオスが、我が事務所の連中が赴任したい国外任地No1なのが、早くも納得できた。巧く言葉に出来ないのだけれど、ささくれ立った神経を撫で下ろすような感覚である。ムスっとした表情ではなく、微笑である。

 ホテルに戻って打ち合わせすること2時間半。街並の爽快さ、優しい雰囲気と裏腹に、仕事の面では難航することが必至であるのが、今日の打ち合わせで明らかになった。こんな風に長い日記を書くのも、明日からは難しいかもしれない。
 日記の更新もおぼつかないと思っていたけれども、ホテルのLANに接続している限り、随分快適である(ただ、高い!)。写真はまだほんの少ししか撮ってないから、帰国してからUPする予定。





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Last updated  November 7, 2004 05:56:26 PM
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仕事に全力  
instyle01  さん
時差はどのくらい?...数時間。

ささくれ立った神経を撫で下ろすような感覚である。ムスっとした表情ではなく、微笑である。

全力で取り組んでください。そこにいないと、出来ないこと....人の微笑みや、なでる風が心を潤すでしょう。 (November 7, 2004 06:50:52 PM)

Re:ヴィエンチャンから(11/07)  
悠游  さん
天秤棒で荷物を担ぎ売り歩く姿は、大八車や馬車で荷物を運んでいたり、自転車でリヤカーを引っ張って走るなんて珍しい方だった子供の頃を思い出しました。
あの時代は何もかもゆっくりと事が運んでいて、良い時代だったように思えます。
(November 7, 2004 07:17:19 PM)

ラオスですか!(11/07)  
髭ヒロ  さん
ついにラオスですね!どんなところか、日記でだいたい判りましたよ!フランス領だったと言うことは、もしかしてベトナムににてるんでしょうか?!お仕事お忙しそうなので、時間が出来てからゆっくり、描写力抜群の文で読ませてくださいね!楽しみにしています。 (November 7, 2004 07:48:38 PM)

Re:仕事に全力(11/07)  
雪村抱月  さん
instyle01さん
時差は2時間だから、時差ぼけにはならないで済んでいます(苦笑)。あるだけの力は出したいと思います。ここでしか出来ない事を見極める事が必要です。実を結ぶのはずっと先かもしれないけれど、それに向かって。 (November 7, 2004 10:25:05 PM)

Re[1]:ヴィエンチャンから(11/07)  
雪村抱月  さん
悠游さん
 ヴィエンチャンは、ゆっくり時間が流れています。悠然としているというのがぴったりですね。イライラしたりしていません。ただ、仕事となると、何かお願いしても、二度三度言わないと動いてくれないというのも・・・まあ、愛嬌でもありますし、せわしい事に慣れている私達(うちの仕事関係者)は、けっこうハラハラしていたりもするようですが・・・苦笑。 (November 7, 2004 10:28:33 PM)

Re:ラオスですか!(11/07)  
雪村抱月  さん
髭ヒロさん
 何時も過分な言葉を有難う。ベトナムほど(首都だけで単純に比べているのだけれど)まだいい意味でも悪い意味でも開発の度合いは浅いですね。お国柄なんでしょうけど、ゆったりしています。ベトナムより・・・う~ん・・・物腰が柔らかいですね。物事は二面性があるという観点からすれば、激論を闘わす事が余りないけれども、暖簾に腕押しになる事もままある・・・との由。明日から「実地」で感じた事を書きます。 (November 7, 2004 10:33:02 PM)

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