スーパー大回転…





世はちょっとしたサイクリングブームだ!

軽快にベダルを漕ぎ、風を切って、未到の地を目指す快感は、ナニモノにもかえがたい。

今でこそ、ロードな自転車が市民権を獲得しているが、当時はそんなものなどなく、

人より大きめの自転車をのっていると、その自転車はすぐに、

『大車輪号』

と命名されていた。


先日登場した金本によって…

そして僕らにもそんな時代があった……






その行事が始まったのはいつの頃からだろうか。

僕らは約一か月に一度、近隣の街に研究会にでかけていた。

往復100キロの道のりだ。


いつの季節だったのか…

何回目の研究会だったのか…

どんなメンバーだったのか…

そんなことはどうでもよいことで…

というか忘れた(笑)


僕と、

金本と、

そして今回登場する克巳くんがいたことは確かだった……






今回は克己のチョコ紹介をしよう。

彼は英語が堪能で、特にネイティブワードには滅法ストロングなインテリジェントである。


ある日「タイヤは英語でなんて~の?」とお馬鹿なコト聞いたらマッハで…

『ブリディ~ストン♪』

と言い放った…


「えっ?じゃあ自転車は?」

『サイクリィ~ング♪』


う~ん…可愛いヤツである♪

さてさて……






その日は、雲一つない澄み切った青空で、胸は高鳴り、何かが起こる予感がした。

僕らはそれぞれの愛車にまたがり、ゆっくりと走り始めた。

もうどれくらい走った所だろうか、突然克巳が話しはじめた。


『なんか鍵の調子が悪いなぁ~』

当時の彼の愛車は、ライトグリーンのCOOLなマシンで、なぜだか前輪部分に鍵がついていた。

鍵の所から異音がするらしい。些細なトラブルはランナーにとっては致命傷だ。

彼はおもむろに前輪のその部分を蹴り始めた……






ンーガッ

ガッガッ

ガッッガッガー


その瞬間…


彼は…


自らの足が刺さった前輪を起点に…


美しい放物線を描き…


ゆっくりと静かに…


舞った……






人は死の直前にそれまで生きて来た出来事を走馬燈のように思い出すという。

彼はその経験をしたのだろうか?


『ソノ感覚のトリコ』

それはこの先の彼の人生の序章に過ぎない。


しかしながら、その見事な曲芸の後、曲がった前輪を直し最後まで完走した彼は尊敬に値する。






そう、人はどんなに失敗しょうが、死ぬような目に逢おうがまたはいあがって光をつかめる。

過去は過去。僕らは今、この瞬間に生き、戦っている。

そして…最後には幸せを掴むのである。


彼はそんな希望を与えてくれる友で、今も元気に笑いながら、

暴れイングリッシュを連発してると確信している。



(2007-02-27~2007-03-05)



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◆ヒトリゴト◆

この文を書き始めるきっかけは、うちの会社の社長が、社員の給料に

似合わないほどの超高額な自転車を買おうと計画してたからだ。


当初、数ある伝説を書くにあたって、どうしても数々の人物が登場して

てくることは目に見えていたが、突然名前を書いていてもピンとこない

だろうと思い、人物紹介を兼ねての構成としている。

そのため、このエピソード中にも他の人物が登場しているが、全く無視

しているのは言うまでもない。


本文は、克己の自転車で大回転した内容がメインだが、実際僕はその場

に居合わせておらず、はるか前方で金本か誰かと話しながら進んでいた

というなんともいい加減な話だ…w

その後、克己は数々の死ぬような目にあうが、できるだけそのことには

触れないように綴っているようだ。今見てもどうしてそういう綴り方に

したのかは全く思いだせない。


また、克己の世間的な知識の乏しさを書いているが、当時はまったくそ

の通りで、英単語と漢字は特に酷かった。いや、面白かった♪

しかし彼の凄いところは、臆することなくそれを言えることだと思う。

人は解らないことや自信のないことに、弱気になって発言を控えるが

彼にはそれがなくそれは彼のライフスタイルにも繋がっていると確信し

ている。今も元気で生きているのだろうか…w


ちなみに克己は、僕や金本の2つか3つ下の年齢…2つかな?



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