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福井県民国~for maniac people~
第7話 最悪
ヤブによると「午前10時に客室の人質を運転室に連れて来い」と先輩から連絡が来たそうだ。これは電車を逆ジャックする一世一代のチャンスだ。何たってこっちにはヤブが持っている武器もある。綾香だって空手という武器を持っている。私には何も無いが、綾香が「タツだって十分武器あるって。その頭。あんたいつもテスト10番以内だったやん」と言っているし。
これは神がくれた最後のチャンスだ。三人揃えば文殊の知恵とも言う。絶対奇跡が起こるはずた。
作戦の流れはこうだ。まずヤブが午前9時に運転室に縛るためのロープを貰いに行く。そして10時に、縛ったように見せかけた私と綾香を連れて行く。そして運転室に侵入。運転室には人質になっている運転手と主犯のヤブの先輩の2人しかいないらしいので、隙を狙ってヤブが肩を取り押さえ、綾香が腹に一発。最後にヤブが後頭部をコンとやって気絶させればミッションコンプリート。
とまあこんな流れだが、適当に出したこの案が採用されるとは思わなかった。たくさん案は出したが、おそらくこの案しか内容を理解できなかったのだろう。どうせ2人は腕に自信があるようだし、それに賭けよう。
そんなことを考えているうちに時計の針が9時を過ぎた。
「なら行って来るわ」
緊張しているのか、ヤブは口数少なめに客室を出て行った。
-tatsu side-
そしてまた2人きりになってしまった。
気まずい。かなり気まずい。
さすがにあの続きだからなぁ。
なんて話しかければいいんだ。
あーもう、こんなことになるならもうちょっと高校の中で女子と話せばよかった。
多分モテてる奴はこんな時にポンポンと話題が出てくるのだろう。
だからモテるわけだ。
おっと、それは置いといてこの空気をどうすれば・・・
しかし話しかけてきたのはまた綾香のほうからだった。
「あのっ!ちょっと・・・いい?」
ガタン、ゴトン。
客室は、かすかにきこえる電車の音で包まれていた。
「あの・・・ね、さっきのやつ・・・」
あちらもさすがに言葉が詰まっているらしい。
しかし間をおいて出てきた言葉は意外なものだった。
「私、彼氏いるの。2人が転校した後に、田中に告白されて」
そんな奴いたっけ?いやいなかったような。まあいいや。
「で、とりあえず付き合ってるの」
とりあえず・・・?どういうことだ。この訳有り発言は。
「あのね、さっき言えなかったけどさ・・・」
ま さ か こ の 展 開 は 。
さっきのデジャブか。それともデジャヴか。
やばいやばいぞ。
とりあえずどうしよう。どうしよう。
落ち着こう。
すうーっ。はぁーっ。
よしっ。先に俺が―――
-ayaka side-
「こっちから!・・・言っていい?」
「え。」
綾香は予想外の出来事に戸惑いを隠せなかった。
ちょっと、いい所だけ取る気かいな。
でも、ちょっとこの雰囲気、いいかも。
しかもあっちからもアプローチしてきたってことは、もしかして。
「俺は、転校してから綾香やヤブのこと、少し忘れてた。だから恋愛感情なんて、全然忘れてた。けど、昨日久しぶりに会って、何か分からんけど、やっぱり思ったんだ」
来た来た来たぁーっ!かなりいい展開じゃーん!
「俺も、綾香のこと―――」
しかし神というのは残酷なもので、また邪魔をされた。しかもさっきと同じパターン。
天使なのか悪魔なのか、この男は。なあ、ヤブよ。
「ロープとってきたぞ・・・ってまた邪魔したらしいな。はっはっは」
だんだん綾香の顔が赤くなる。
「もおーっ!バカー!」
犯人に聞こえるのを気にしたのか、迫力はなかった。しかし、綾香の平手は確実にヤブの左ほほを捉えていた。
「あうっ!?」
ヤブも極力ボリュームを落としたが、痛そうだ。
「な、何だよ!」
「何でもないわよ。早く縛ってよ。時間なくなるよ!」
綾香は怒っているように見えた。
「ちぇっ、分かりましたよ。お熱い2人さんよ」
「ちょっ、ヤブっ!」
しかし縄がほどけるような仕掛けした縄をもう縛っていたので、綾香の身動きは取れなかった。
そしてあっという間に運命の時になった。
「よし、行くぞ」
ヤブは掛け声をかけた。
「ええで」
関西なまりで綾香は答えた。
しばらくの沈黙。
「ちょっとー、タツ!掛け声は!」
あ、すっかり忘れてた。
「お、おうっ」
「まったく、もうっ。じゃ、出動!」
3人は部屋を出た。通路は行きに通った時よりもずいぶん広く見えた。そして寒さが身にしみる。
意外と運転室は遠かった。というか遠く思えた。このままずっと歩いていたいとも思った。しかし道は必ず途切れるもの。ついに着いてしまった。
「とりあえず2人にはこれ渡しておく。もしもの時に使えよ」
ポケットに急にズシッという感覚が来た。これがまさかチャカ。てつほう。鉄砲。
しかしその興奮も緊張に打ち消された。
再度しばらくの沈黙。
「3人の役割、わかってんな?」
「おう」「うん」
「よっしゃ、行くぞ」
運転室のドアが開かれた。
かちゃ
え?
「うわぁっ!!」
急に横の運転手専用トイレの影から何者かが現れて、ヤブの腕をガッとつかみ、首を絞めナイフを突き立てた。
「だ、誰!?」
綾香が叫んだ。
「おいおい、小薮から聞いていないのかよ。どうも、小薮の先輩でーす」
一瞬にして計画がパーになってしまった。糞。
「タ・・ツ・・・ゴメンっ・・・」
「しゃべるなああっ!!!!――次しゃべったらぶっ殺しちゃうよ。裏切者。」
綾香も腰が引けてしまい、もう空手は使えそうにない。
「あ、あとさ、てめえらがこうする事は分かってたんだ」
何?
「てめえらは分からなかったの?だってさ、こんなに事が上手く行くと思う?普通だったら小薮が持ち場を離れた時に代理の奴が来るでしょ。しかも寝台列車の中で運命の再会なんてありえないじゃん。だ・か・ら、俺らが仕組んだの。3人が知り合いだって事は昔ヤブから聞いたことがあったから。しかもあの部屋には隠しカメラを仕掛けておいたし。だからここに隠れてたんだよ?」
何てことだ。なら計画は全部こいつの耳に通っていたのか。
「こんなに人生は上手くいかねえんだよ。仲良し三人組。いや、落ちこぼれ三人組。しかもお二人さん、こんな状況で告白なんてお熱いねえ、ヒューヒュー」
「・・・この鬼畜っ」
綾香は目だけは死んでいなく、男をにらみ付けている。
「そうさ、俺は鬼畜さ。なんとでも言えばいい。どうせ長崎に着いたらみんな死ぬだろうしな。はははっ!」
この状況・・・最悪だ。
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