いとう伸のブログ

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繁盛うどん屋親父の仕掛け



大阪駅前第3ビルの地下2階に行列が出きる讃岐うどん店がある。

讃岐うどんブームと言われるずっと前から行列の超繁盛店です。当然「プチ成功の探求マニア」にとっては、興味の対象ですから分析済みです。

ここの店主が演出家。だまってだしたら普通の「生じょうゆうどん」(うどんに薬味のせてしょうゆかけるだけのシンプルメニュー)のところ、

「お兄ちゃん、生じょうゆはじめて?」
(オヤジぬっとカウンターより顔つきだす)

「は、 はい。」
(いきなりで戸惑うも正直に答えてしまう)

「ちょっと説明するな。えーい!1回だけやったるわ。1回だけやで!」
(頼んでもいないが勢いとタイミング、妙な自信に抵抗は出来ない)

「まずな、こうやって薬味をかけて、この生じょうゆをくるーっと2回転半。間違えたらアカンで。きっちり2回転半や!まわし入れる。そして、おはしで3本うどんとって、こう目の高さまであげる!ほんならずずーー!!っと勢い良くすするんや!おいしいぃでぇー!ほい!やってみ!」

そして、こちらが恐る恐る食べる様をじーっと凝視している。

「よっしゃ!うまいで!いいかんじや!おいしいやろ!」
(ほめられてしまった・・。しかしちょっぴり嬉しい)

ここで、分析。
まず、客はうどんと共にぬっと顔を出すオヤジに驚くが、熟練されたその話術に一気にリードを奪われる。

次に、はしを持たされた状態で「オアズケ」をくう。その上でオヤジのペースのもと、まるでもう口に入ったかのような「つるつるー!」といった効果音を混ぜたイメージングを行う。

一気に脳は目の前に存在するエサに対し、万全の受入体制である唾液を分泌し、胃ではまだかまだかと胃液の臨戦体制。

「おいしい」と判断するのは脳であり、舌の味雷ではない。視覚、聴覚、嗅覚、そしてオヤジに上手に食べたことをほめられることで、潜在意識にある、幼少期に母からほめられた心地よい記憶まで刺激されたらイチコロでしょう。

讃岐うどんブームですが低価格うどんのFCが乱立中。でもここは価格競争とは無縁の行列が今日も続きます。

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