「なんだよ・・」
 最近フシールは、いつもスバルにつきっきりである。そんなフシールを、デミアンは不機嫌そうに見つめていた。
「どーしたんだよ、デミアン」
 タカトが声をかけた。
「どーしたもこーしたも、見ろよあれ。何でフシールあんなにスバルにつきまとってんだよ」
「妬いてるんだ?デミアン」
「・・・違うわい!!」
 デミアンは、フイと横を向き、歩き去っていった。
 タカトはデミアンから視線をそらし、スバルとフシールをしばらく見つめていた。そして、思い立ったように、仏頂面でアイスクリームを食べているデミアンのところへ駆け寄ると、肩に手を置き、優しく言った。
「短い春だったな」
 ――この後殴り合いが始まったのは、言うまでもない・・・・・・。

「あ・・また喧嘩してるよ、あの二人」
 フシールがつぶやいた。
「ほんと、仲いいよな、あいつら」
 スバルが軽くアハハッと笑いながら言った。
 やはり、フシールの隣には、スバルがいた。
「・・・・溶けてる・・」
「えっ?あーっっ!!」
 フシールのスカートには、この暑さで溶けたアイスクリームがどっかりと乗っていた。もちろんコーンには何も乗っていなかった・・・。
「もうっ!!最悪~!!」
 フシールはハンカチを取り出して、スカートの上のアイスを拭き始めた。スバルは何を考えたのかいきなり立ち上がりどこかへ行ってしまった。
 アイスはあらかた拭き取れたが、まだ少し染みになって残っている。
「あ~取れない~!」
「はい、これ使えよ」
 いつの間にか帰ってきたスバルが、濡れたハンカチを差し出した。
「あ・・ありがとう。これ、わざわざ濡らしてきてくれたの?」
「うん・・まあ・・・・・」
 フシールはハンカチを受け取り、スカートを拭いた。

「・・・・・・・・・・」
 タカトとの喧嘩も一段落し、息を切らしてぐったりしていたデミアンの目に飛び込んできた、スバル&フシールのラブラブっぷり。
 ―――あ~!スバルのやつ、フシールに何渡していやがるんだぁ~!!
 わざわざハンカチを濡らしてきてあげるという行為もまた妬く対象なのだが、デミアンは二人からかなり遠くにいたので、どうやらスバルがフシールにプレゼント(?)を渡しているように見えてしまったらしい。デミアンの怒りは頂点に達   していた。
「こんのやろぉ・・・・」
「お・・おい、デミアン・・・」
 タカトの制止を振り切り、デミアンは二人に向かって走り出した。
「おい!フシール!!」
「あら、デミアン?」
「ちょっとこっち来い!!」
 デミアンの顔を見て、フシールは、妬いていると直感した。
 ―――んも~、かわいいんだから・・・・・vvv
「スバル様、私今日はこれからデミアンとデートだから♪じゃ、またね♪」
 フシールはスバルに小さく手を振り、デミアンの腕を引っ張って、公園の大きな木の下へ連れて行った。
 デミアンは、先ほどまでの勢いはどこへ行ったのやら、少し赤くなって恥ずかしそうに黙っている。先に口を開いたのはフシールだった。
「ごめんね、おぼっちゃま。怒っちゃった?」
「・・・・・・・・・おぼっちゃまって言うなよ」
「スバル様とは別に何でもないんだから。ね?ま、妬いてくれるのはうれしいんだけど」
「お前・・スバルから何もらったんだよ・・・・・?」
「え?もらった?」
 フシールはポケットからスバルに貸してもらったハンカチを出して、デミアンに見せた。
「これは貸してもらっただけよ。私アイス落としちゃってさ」
 フシールはハンカチをまたポケットにしまうと、デミアンの顔をまっすぐ見つめた。
「スバル様はね、弟みたいなの。強そうだけど、ちょっと頼りなくて・・・ついかまってあげたくなる、そんな感じだから・・・」
 言ってから、ちょっと言い訳がましかったかな、と思った。
 デミアンは、複雑な表情をしている。まだ少し、腹が立つところがあったのだ。彼氏(?)の自分を差し置いて、弟感覚とはいえ、他の男といるのだから。まあ、ほとんど許してはいたのだが。
「じゃあ許してやるよ。そのかわり・・・・」
 デミアンは言葉を切った。
「ぜったい浮気するなよ・・・・」
「OK♪」
 フシールはさっとデミアンの頬に唇をつけた。
 デミアンは耳まで真っ赤になった。

「あ~あ~お熱いねぇ」
 二人を遠くから見ていたタカトが言った。スバルは、よくわからないといった風に、タカトを見た。
「おこちゃまだねぇ♪スバルは♪」
「どーゆーことだよ」
「恋をしたらわかるって。あ~俺も彼女ほしいなぁ・・・・・」
「でもさぁ、タカト」
「何だよ」
「デミアンって、よく浮気してるし(?)、フシールに頭が上がらないし今の所、立場下だよな」
「・・ま、まあな・・」


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桜ルカさまにおくったものです。
設定とかちょっと変なとことか、ルカ様に修正していただきました。
これはその修正後です。

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