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ふゆゆん亭
私が読んだ本・8
「五つの傷」リズ・ブルボー著
浅岡夢二=訳 ハート出版
■ 内容
傷つくことを恐れ、
自分を守るために身につけてきた、
いくつもの仮面。
でも、
もうあなたに
その仮面は必要ないのです――
1、拒絶による傷→逃避する人の仮面
2、見捨てによる傷→依存する人の仮面
3、侮辱による傷→マゾヒストの仮面
4、裏切りによる傷→操作する人の仮面
5、不正による傷→頑固な人の仮面
■目次
はじめに――あなたが喜びの中で生きるために
第一章 心の傷と仮面はこうして作られる
第二章 〈拒絶〉による傷・〈逃避する人〉の仮面
第三章 〈見捨て〉による傷・〈依存する人〉の仮面
第四章 〈侮辱〉による傷・〈マゾヒスト〉の仮面
第五章 〈裏切り〉による傷・〈操作する人〉の仮面
第六章 〈不正〉による傷・〈頑固な人〉の仮面
第七章 傷を癒して本当の幸せを手に入れる
■大事と思ったところを抜粋
P11
エゴというのは、
種々の〈思い込み〉によって支えられています。
そうした数多くの思い込みを持っているために、
私たちは、
自分がなりたいと思っている自分になかなかなれません。
そして、
そうした思い込みのせいで、
つらい思いをすればするほど、
その思い込みを見ないようになってしまうのです。
あげくの果てに、
そうした〈思い込み〉が自分にあることを、
まったく自覚できなくなってしまいます。
私たちの〈精神体〉(メンタル・ボディ)、
〈感情体〉(エモーショナル・ボディ)そして、
〈物質体〉(フィジカル・ボディ)が、
私たちの〈内なる神〉の声を聞くようになって初めて、
私たちは完全な幸福を得ることができるのです。
P12
つらい経験を受け入れ、
かつ自分を受け入れるのは、
きわめて難しいことです。
というのも、
私たちが受け入れることのできない経験は、
自分自身が他者に対して同じように振舞っている
という事実に私たちを気づかせるために存在する、
ということをエゴは受け入れようとしないからです。
あなたが誰かを何かの理由で非難している時、
相手もまた同じ理由であなたを非難している、
ということにあなたはもう気付いているでしょうか?
だからそこ、
自分を知り、
自分を受け入れるということが大事なのです。
そうすることによって、
私たちは苦しまなくてもすむようになるからです。
エゴに支配され続けるか、
自分自身の主人公になるかは、
あなた自身が決めることです。
ある状況、
あるいは、
ある人に対して、
あなたが苦しめば苦しむほど、
その問題の根は深いと言えるのです。
そういうとき、
あなたは〈内なる神〉を頼りにすることができます。
なぜなら、
内なる神は、
全知、
全能、
そしてあらゆる場所に偏在しているからです。
そうした内なる神が常にあなたの中にいて、
あなたのために働いてくれているのです。
P14
子供はまず、
自分自身でいる喜びを味わいます。
これが第一段階です。
でも、
第二段階として、
自分自身ではいられないという苦痛を味わうことになります。
次に来るのが、
怒りと反抗の第三段階です。
そして、
第四段階として、
あきらめを経験し、
その結果、
他者の思い通りの人格を築いて、
自分自身ではなくなってゆくのです。
ある人々は、
一生のあいだずっと第三段階にとどまり続けるかもしれません。
この第三段階、
そして第四段階において、
私たちは新しい人格――つまり仮面――を作ります。
そして、
第二段階において感じたつらさから自分を守ろうとするのです。
それらの仮面は、
五つの大きな傷にともなって少なくとも五つ作られます。
これらの傷を受けるたびに、
私たちは”裏切られた”と感じるものです。
その時、
私たちは〈内なる神〉の声に従っていません。
というのも、
その時、
私たちのエゴがその〈思い込み〉と〈恐れ〉によって
私たちの人生を支配しているからです。
そうやって仮面をつける時、
私たちは、
他者、
そして自分自身から逃げて隠れようとするものです。
そうする以外に、
苦しみから逃れる方法がないからです。
■感想
育成過程において
自分が自分でなくなって行く様子が
目の前で展開されるような
子供時代が見えた気がした。
仮面を作って自分を守る様子が
目に浮かんだ。
私は否定されると
心の中で
ファイティングポーズを取っている事に最近気付いた。
否定=攻撃
と私が感知してしまうからだと思う。
それは育成過程で些細な事から大事な事まで
頻繁に否定され命令されて来たために
私そのものを否定されて来たと感じており
否定=攻撃されている
と思い込んでしまうからだ。
否定的な事を言われると
この人は私を攻撃している!
とセンサーが感知してしまうのだ。
それで自覚無しにファイティングポーズを取って
いつでもジャブを繰り出せるようにしてしまう。
実際には丸くなって転がっているんだけど。
心の中ではいつも闘っているのは
そのせいなんだと思う。
世の中の人は恐い人だらけという
思い込みが染み込んでいる。
十代・二十代・三十代・四十代
色々色々あったからなぁ。
思い込みで凝り固まって
いつも戦闘体制になっている私を解放し
自分らしい幸せを味あわせてあげたい。
ごく最近の私の中の子供は
高校生で立ち上がって笑っていた。
その子が笑っていても
恐怖感は消えていないんだなぁと驚いている。
私の中の傷を本当の意味で癒し
リラックスした幸せを感じたい。
生きている喜びを
再び感じたい。
子供の頃に感じていた
そこにいるだけで至福を感じるような
自然体に戻りたい。
2009・05・22
●読んだ本●
「丘をさまよう女」シャーリン・マクラム著
浅羽莢子=訳 早川文庫
■あらすじ(抜粋)
年老いた脱獄囚が
アパラチア山脈近くの故郷へ向かっていた。
保安官のスペンサー、
保安官助手志願のマーサらが追い始めるが、
その矢先、
奇怪な事件が続発する。
折りしも、
二百年前の事件を調べるため、
若い男が山道に踏み入るが・・・・
いくつもの運命が絡み合い、
やがて緊迫の結末へ。
アンソニー賞、アガサ賞、マカヴィティ賞の
最優秀長篇賞を受賞した注目作!
■感想
脱獄囚のハイラム・ソーリィと
元妻のリタと娘のシャーロット。
保安官助手になろうと懸命な
マーサの日々。
この地に根付こうと頑張る
ラジオDJのヘンリー。
200年前にインディアンにさらわれ
家に帰るために走り続けてたケイティと
それを見つめ続けている
千里眼の女ノラ。
ケイティの人生を論文にしようと
同じ道をたどる民族歴史学者のジェレミー。
夫のDVにおののく
若い母親サブリナ。
沢山の人々の暮らしと思いが綴られていて
文章はとても上手いのだが
助走が長くて辛かった。
三分の二まで来て
ようやくそこまでの我慢が実りあるものとなり
一気に開花したように
面白くなった。
それぞれの生き様が交差するその時
全ての答えが用意されたかのように
俯瞰図のように見えて
作者の深さがうかがえた。
でも我慢強くないとね、
そこまで行けないんだ。
登場人物一人一人に
等分に書き込まれていたので
一人に感情移入できず
読み進めるエネルギーが少し足りなかった。
一人一人の人生に付き合って
価値観を受け入れて見えたもの。
うう~ん。
これは
切ない愛の物語だった。
●読んだ本●
「法人類学者デイヴィッド・ハンター」サイモン・ベケット著
坂本あおい=訳 ヴィレッジブックス
■あらすじ(抜粋)
人は
死後4分で肉体が腐敗しはじめる。
そしてバクテリアや
蝿のご馳走となり骨と化す。
そうした死体を
発見現場の状況も含めて検分し、
身元や死に至った状況を推測するのが
法人類学者と呼ばれる人たちだ。
ハンターもそのひとり。
3年前にイギリスの片田舎マナムにやってきて
医師をしているが、
実は世界各地で数々の事件を解決に導いてきた
エキスパートだった。
しかし、過去を捨て、
静かに暮らすことを望んでやってきた村で
腐乱死体の発見が相次ぎ、
やむをえず捜査に協力することになる。
専門知識を駆使した鋭い推理で、
犯人像は絞られてゆくが・・・・・。
イギリス発、新しい科学捜査ミステリー。
■感想
傷心のデイヴィッドが
田舎の村で心を癒しながら3年が経ち
馴染み始めた時に見つかった
腐乱した他殺死体。
刑事から捜査協力を要請され
デイヴィッドは
不承不承で始めた遺体の死亡時刻調べ。
次々に起きる事件によって
暴かれて行く田舎の村故の
人々の相関関係と
疑心暗鬼が招く魔女狩り状態。
都会育ちのデイヴィッドから見た
マナムの人々の暮らしや
蝿と蛆の成長から遡る死亡時刻。
遺体解剖と細胞採取などの
専門分野での仕事。
デイヴィッドの純粋で誠実な心と行動が
事件によって攪拌されて行く様が
痛々しかった。
文章は読み易くて、
専門的な事も丁寧過ぎずに書いてあり
誠実で正直な
傷心のデイヴィッドに感情移入しやすく
するすると3日ほどで読み終わった。
デイヴィッドがこれ以上傷付かないかと
ハラハラドキドキしつつ
幸せになって欲しいと思った。
私も高校1年まで田舎で育ったので
田舎ゆえの偏狭な見方とか
プライバシーの無さとか
色々思い出してしまった。
風光明媚な所に住みたい半面、
村八分やすぐに広まる噂や
偏見やずかずかと入り込んで来る
デリカシーの無さとか、
田舎には田舎の難しさがあった事を
思い出した。
東北地方故の不快さだったのかと思っていたら
イギリスでも変わらないんだなぁと思って
人間は素敵な所も残念な所も
世界共通なんだなと改めて思った。
●超流し読みした本●
「ライツ アウト」ピーター・エイブラハムズ著
矢沢聖子=訳 講談社文庫
楽天に在庫ありませんでした。
■あらすじ(抜粋)
17歳の時に無実の罪で投獄されたエディが、
15年ぶりに出所して来た。
そして自分が投獄された理由を探るうちに、
またしても知らぬ間に
麻薬がらみの犯罪に巻き込まれてしまう。
複雑にからんだ
過去と現在の犯罪の糸をときほぐした時、
エディの前に現れた思いがけない真実!
MWA賞次点の傑作長篇サスペンス!!
■すっ飛ばしの感想
あらすじに惹かれて借りたものの
読み始めると切なくなって来て
すぐにパラパラと飛ばし読みを始めた。
そして私は
後半に行って気付いたのだった。
これ、
前にも借りて読んだ事ある!!
しかも、
その時も辛くなってすっ飛ばし
終わりの方だけ読んだんだ!!!
終わり方知ってたよ!!!!!
Σ( ̄□ ̄;)
Σ(・ω・;|||ww
エディが可哀相でした。
おわり。(大汗)
また忘れて借りて後悔しないように
ここに書いておくのであります(^^ゞ
●読みながら考えている本●
脳について
すごい本に出会ってしまったので
これから自分に大事だと思った事を
抜粋したり、
感想を書いていこうと思う。
「なぜ人は 破壊的な感情を 持つのか」
ダニエル・ゴールマン ダライ・ラマ
加藤洋子=訳 アーティストハウス
■この本の趣旨
人間はなぜ破壊的になるのか?
そして、それはどうすれば抑制・克服できるのか?
精神哲学、心理学、神経科学、仏教学の精鋭が、
インドのダラムサラにあるダライ・ラマの私邸に集まり、
”破壊的感情”をテーマに、5日間を徹して、
あらゆる角度から白熱した議論を展開する、
西洋と東洋の知を結集した、
第8回「心と生命会議」の全貌を
ダニエル・ゴールマンがあまるところなく記録!
会議参加者
―――――――――――――――――――
■ダライ・ラマ
チベット仏教の精神的指導者。
1989年ノーベル平和賞受賞。
西洋科学についての造詣が非常に深い。
■ダニエル・ゴールマン
作家、ジャーナリスト。
今回の会議を企画し、司会進行を務める。
著書「EQ――こころの知能指数」は世界的ベストセラー。
■オーエン・フラナガン
哲学者。デューク大学哲学科長。
心理学と神経生物学の教授も務める。
変わり種の哲学者。
■マチウ・リカール
チベット僧。フランス生まれ。
ヒマラヤ旅行をきっかけに僧侶となる。
ダライ・ラマの仏語通訳も務める。
■ポール・エクマン
心理学者。
顔の感情表現の世界的権威。
カリフォルニア医科大学人間相互関係研究所所長。
■リチャード・ディヴィッドソン
神経科学者。
脳と感情の関係を研究。
ウィスコンシン大学マディソン校の情動神経科学研究所所長。
■ジーン・ツァイ
心理学者。
ミネソタ大学心理学部助教授。
文化と感情の相互作用を研究。
■マーク・グリーンバーグ
心理学者。
ペンシルヴァニア州立大学人間発達促進予防研究センター所長。
社会的感情学習プログラムの開発者。
■フランシスコ・ヴァレラ
神経科学者。
「心と生命会議」創設メンバー。
パリ国立科学研究センター研究長。
認知と意識の生物学上の構造を研究。
■アチャン・マハソムチャイ・クラサチット
タイ高層。特別ゲスト。
マハチュラロンコーン仏教大学で、
仏教と比較宗教学を教える。
■アラン・ウォレス
仏教学者。
今回の会議の共同企画者・通訳者。
第1回「心と生命会議」より参加。
インドとスイスの僧院で修行を積む。
■トゥプテン・ジンパ
チベット僧。
ダライ・ラマの海外旅行にかならず随行する首席英訳者。
チベット古典研究所所長。
――――――――――――――――――――
■目次
・序文―――ダライ・ラマ――――――――
・プロローグ 人類のための挑戦
・科学的共同作業 アメリカ、ウィスコンシン州マディソン
2001年5月21日・22日
第一章―――実験室の僧
第二章―――科学者ダライ・ラマ
・第1日 破壊的感情とは何か? インド、ダラムサラ
2000年3月20日
第三章―――会議が始まる
第四章―――仏教サイコロジー
第四章―――怒りを変容する
・第2日 日常生活における感情 2000年3月21日
第六章―――感情の囚われ人
第七章―――精神をかき乱すもの
・第3日 脳に開かれた窓 2000年3月22日
第八章―――脳の”感情”地勢図
第九章―――わたしたちは変われるか
・第4日 心を鍛錬する 2000年3月23日
第十章―――文化の境界線
第十一章――感情学習カリキュラム
第十二章――あわれみを伸ばす
・第5日 楽観論のすすめ 2000年3月23日
第十三章――意識と体験
第十四章――脳が見せるいくつもの姿
・あとがき 終わりなき旅
●読んだ本●2009・07・08
「天使の悪夢」上・下 マイケル・フレイズ著
西田佳子=訳 講談社
■あらすじ
・上
テネシー州ナッシュビルのステーキハウスに勤める
美人ウェイトレス、ケイシー。
店長からセクハラを受け頭にきたケイシーは、
彼を殴りつけて店を飛び出す。
気分転換にドライブするケイシーだったが
どことも知れぬ田舎道で車がパンク。
助けを求めようとしたケイシーは、
偶然恐ろしい殺人現場を目撃してしまう。
・下(ネタバレになるから省きます)
■感想
これが処女作と言う事では
驚きの構成力だと思う。
ややこしい関係や
綱渡り的なやり取りなど
ハラハラする要因が上手く書けていると思う。
所々に無理やり感があるが、
それでも恐ろしい現場を見たケイシーの
良心の呵責と
狙われる恐怖心から逃れたい思いとの葛藤が
よく描かれていると思う。
ある敵の所在が解らない点では
最後まで誰が見方か
敵かを考えてしまって
感情移入が今一疎かになった。
最後についての感想を書いても
ネタバレになるので難しい所だけれど
うーーーん、
うーーーーーーーん・・・・・
頑張ったねケイシーとだけ書いておこう。
ちょっと切なかった。
自分の身を守るか
自分の良心を守るか、
難しい選択に迫られて
人はどう行動するんだろう。
私はかなり単純な人間なので
警察に駆け込んで
あっけなく殺されて
話は終わってしまうだろうなぁ。
面白いと思いながらも
なかなか進まなくて、
読み終わるのに
とても時間を要した一冊だった。
●読んだ本●
「千の嘘」ローラ・ウィルソン著
日暮雅道=訳 創元推理文庫
■あらすじ(抜粋)
母の遺品を整理中に
モーリーン・シャンドという女性の
日記帳を見つけたエイミー。
一見平凡なその記述に
違和感を覚えた彼女は、
モーリーンについて
調べはじめる。
だが、
18年前にシャンド家で起きた
殺人事件のことを知り、
モーリーンの母や姉と
じかに接触を持った直後から、
エイミーの身辺では
不審な出来事が相次ぐ。
事件は
まだ終わっていないのか?
幾千もの嘘が彩る
悲劇の真実とは。
■感想
モーリーンと一緒に
数十年を生きた気がした。
なんて一冊だ。
あっという間に
捕り込まれた。
人の抱える問題の発端は、
かなりの範囲で
育成環境から派生しているものだと思う。
この物語は、
それらの点を踏まえて描かれており、
秘密を辿って行くエイミーが背負っている
苦しみやハンディを絡ませつつ、
本題のシャント家の
恐ろしい事実と人間の愚かさ、
醜さ、弱さを徹底的に書いてある。
深く、重く、苦しく、悲惨で残忍だが
通常の生活では見えて来ない
家庭内の問題に立ち入った
素晴らしい作品だと思った。
一ページ目から魅了され、
エイミーの問題も、
シーラの苦悩も、
自分のもののようにリアルに感じて
あっと言う間に読み終えた。
さすがイギリスの作家だと感心した。
最近の私にとっては
かなり例外的な一冊だった。
本書は2006年度の英国推理作家協会賞
最優秀長篇賞にノミネートされた。
最後に書かれていた
千街昌之氏の解説も秀逸だった。
こんな風に始まっている。
―・―・―・―・―・―・―・―・―
本文より先にこの解説をお読みの方には、
あらかじめ警告しておいた方がいいだろう。
本書に描かれているのは、
正真正銘の地獄である。
この地獄は小さいけれども、
最も救いがなく、
どこにも逃げ場はない。
その名を「家庭」と呼ぶ。
本書は
血のつながった家族のあいだで行われた虐待と、
それを発端として数十年後まで尾を引く
悲劇の物語である。
読者には、
この地獄から目を背けない覚悟が必要とされる。
しかし、
単におぞましいばかりの物語ではないということは、
ラストまで読み通した読者には明らかであろう。
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
『この地獄は小さいけれども、
最も救いがなく、
どこにも逃げ場はない。
その名を「家庭」と呼ぶ。』
胸を刺すこの一文を読んだだけで
本書の壮絶さが伝わると思った。
「家庭」の中の出来事は
外の人には見えないものだ。
事件が公になって
初めて外部の人たちは事実に驚く。
私の両親の事だって
外部の人達がどれだけ知っていただろうか。
あの強烈な母を「温和だった」と語った
母の同僚の方を思い出す。
悲惨な物語が語られて行く中で、
過去を振り切ろうと
現実に振り回されながらも
エイミーのバイタリティやエネルギーに
救いがあったなぁ。
お父さんには振り回されるばかりで
エイミーの弱さが顕れていて
ちょっとハラハラしたり
一緒に怒ったり。
そんな中で純粋に思った事は、
こんな目に合っても正気を保ち、
仕事をこなして生きていられる人が
いるものだろうか?
と言う疑問と、
そんな酷い目に合っていないのに、
規則正しい生活や
やるべき事すら出来ずに
自己肯定出来ない
小さい自分がいるという事。
(実に残念だ・・・|_;)・・・・・)
前を向き、
自分の足で人生を歩んでいる
エイミーとシーラに拍手を送りたい。
素晴らしい作家だが、
翻訳されて出版されているのは
本書だけなのが残念だ。
創元社さーーーん、
もっと出版して下さい!!
買いますからーー!
●読んだ本●
「悪夢のとき」キース・アブロウ著
矢島京子=訳 二見文庫
楽天には在庫がありませんでした。
■あらすじ(抜粋)
ボストン郊外の町で、
若い女性が惨殺された。
精神異常のホームレスが
容疑者として浮かびあがり、
麻薬中毒ながらも
有能な精神科医フランクが、
その男の精神鑑定を依頼される。
が、
警察の思惑とは裏腹に、
男の有罪に疑問を抱いたフランクは、
やがて血なまぐさい惨劇の渦中に
巻き込まれていく・・・・・。
ジョナサン・ケラーマン、
ネルソン・デミルらが激賞する
ハードボイルド・サスペンスの力作!
これはキース・アブロウの
小説家としては処女作である。
■感想
キース・アブロウは
トラウマや暴力に関連する訴訟事件で
専門家証人として証言に立つ
法精神医学を専門とする精神科医で、
エッセイを沢山書いているそうだが
これが小説の第一作だそうだ。
この内容が、
専門家が隅から隅まで徹底して
知識と経験を注ぎ込んだような
リアルな苦悩に満ちていて、
非常に読み進めるのに困難を要した。
子供時代に虐待を経験した大人は、
時間の経過と共に
生きているだけで
困難と矛盾と悪夢と苦悩に
押し殺されそうな人が多いと思われる。
フランクの崖っぷちの
自転車操業的な毎日が書いてあり、
私もいつまでも過去に振り回されている
残念な大人なだけに
激しく感情を揺さぶられ、
苦悩をひどく共感してしまった。
いつも苦悩から逃げたいために
心の大きな穴を埋めるものを探し回り、
放り込んでも放り込んでも穴は埋まらず
常に飢餓感を覚えるタイプの
アダルト・チルドレンの苦悩を
これほど見事に書いた小説も珍しいと思った。
どんな事件でも解決したらお終いではなく
生活と苦悩はそこから続いて行くのだ。
この小説は
続いて行く生活の中で
過去に作られた大きな穴を
埋めるために異常行動を起こしてしまう大人が
沢山出て来る。
同じ思いをしている人には
苦痛と共感と悶絶を、
全く第三者としての視点で読む人には
理解の枠を外れた呆れた狼藉の数々を、
沢山提供している。
救いはフランクが逃げるのを止めて
問題に立ち向かうと言う点だろうか。
底知れぬ闇が続く崖の上から
下を見続けている人には
今更と思うかもしれないが、
これを知らない人に知ってもらうには
良い本だと思う。
どうして自滅して行くのか
自分でも答えられない
悲しい人々の下に
いつか希望が訪れますように。
濃厚な作品だった。
●読んだ本●
「水底の死者の眠り」 J・ウォリス・マーティン著
神納照子=訳 扶桑社ミステリー
楽天にはなかったのでアマゾンで。
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%81%9D%E3%81%93-%E3%81%AE%E6%AD%BB%E8%80%85%E3%81%AE%E7%9C%A0%E3%82%8A-%E6%89%B6%E6%A1%91%E7%A4%BE%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC-J-%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AA%E3%82%B9-%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3/dp/4594026826
■あらすじ(抜粋)
二十年前に貯水池となって水没した家のクローゼットの中から、
死体が発見された。
迷宮入りしたはずの失踪事件に、
ついに解明の時が訪れる。
恋人ヘレナを殺した容疑者とされながらも、
執拗な尋問から逃れ続けてきたギルモアの人生は、
長い歳月のあいだに完全に来るってしまった。
生きる屍のような人生――――
そしてそれは、
彼をかばい通したヘレナの幼友達ジョーンも同じだった。
深い水の底を覗きこむような過去の回想から、
やがて姿を現す意外な真実とは・・・・・・・
過去に囚われた者たちの心理サスペンス!
本書は
1999年度エドガー賞候補となっている。
イギリス、ドーセット在住の女性。
■感想
静かに時間を掛けて
少しずつ狂って行く人生。
起点となった事件から
ギルモア・ジョーン・ワックマン
そして当時担当刑事だった
ドライヴァーの日々を少しずつ狂わせて行ったものが
読み手側にも積み重なって行き、
事実の重みと
己の人生も絡ませて
一瞬一瞬が分岐点であり
起点であり
人生なのだと考えさせられた。
初めての小説が
これほどハイクオリティだとは
さすがイギリスの作家だと思った。
生きるって
未来の希望がないと
ただ時間が過ぎるだけで
それは私も今抱えている問題だから
人事とは思えない
前向きに生きる事を考えさせられた。
重厚で読み応え充分な小説だった。
たゆたう水と雨と湿気が
今年の天気とも相まって
静かに降りしきる雨の日々のような
小説だった。
●読んだ本●
「心やさしく」 ロバート・コーミア著
真野明裕=訳 徳間書店
■あらすじ(抜粋)
自分の居場所が見つけられず、
やさしくしてくれる相手を求めて
家出を繰り返していた十五歳の少女ローリは、
ある日、
両親を殺した十八歳の少年エリックが釈放された、
というニュースを見て、
彼に魅了されてしまう。
ローリは子どもの頃、
一度だけエリックに会ったことがあった。
そのときの彼は、
やさしくて頼もしかった。
親を殺したのも、
虐待を受けたせいだというし・・・。
彼に会いたいと、
あとを追い始めるローリ。
エリックもまた、
切実に〈やさしさ〉を求めていた。
だが、
彼の求め方はひどく歪んだものだった。
刑事は彼を「怪物」と呼んだ。
今、
表面上罪をつぐない終えたエリックは、
次の「計画」
に着手しようとしていた・・・。
二人が出会い、
ともに旅していく先に、
待っているのは絶望か、
救いか・・・?
アメリカの鬼才コーミアが、
十代が抱く「だれかとつながりたい」という切実な願いと、
心の闇とを描き、
思いがけないラストまで、
圧倒的な迫力で一気に読ませる話題作。
■感想(ネタバレ有り)
コーミアの作品は、
確か「チョコレート・ウォー」「ぼくが死んだ朝」
を読んだ記憶があって、
ロバート・コーミアの名前は
ひどく強く心に染み込んでいる。
なぜかと言うと
多分、
作品は優しい言葉で書いてあるのに
内容が真摯で厳しくて
衝撃的な思いが
いつまでも残ったからだと思う。
私は普通の小説の読書から10年間離れていて
再び図書館通いを始めた時、
赤ちゃんが
離乳食から固形食に変わって行くように、
まずは児童書の中学年用の
愛や勇気を貰えるものから読み始め、
あらかた読み尽くしてから
ヤングアダルトのコーナーに行って
冒険物やファンタジーを読んだ。
そこを沢山読んでから
今度は現実を見据えた内容の
ヤングアダルトを読んだ。
シャロン・クリーチの
「めぐりめぐる月」を読んだ時には
作者の優しい視線と切ない思いと
健気な少女サラマンカの気持ちに
心を射抜かれてしまって
アメリカやヨーロッパの十代の小説に
すっかりはまり込んだのだが、
その最後の時期に読んだのが
ロバート・コーミアで
厳しい内容を読み終える事が出来たので、
そこから
大人の小説に移ることが出来た。
コーミアは大人が読んで欲しい
ヤングアダルトの作家の一人だと思う。
最近は犯罪を起こす人の
育成環境などを調べて行く
マインド中心の小説やアメリカドラマや
ドキュメントも読んでいるので
人の心の闇が
どうやって作り上げられ行くのか、
犯罪を起こすのは何故なのかを
よく考えるようになった。
この小説では
心の大きな穴を埋めるために
ローリは
自分だけのこだわりを埋めるために行動し、
エリックは優しい気持ちになるために
人を殺して行くのだが、
エリックがどうして殺人を起こす時に
優しい気持ちになり
それを求めずにいられないのか
なかなか解らなかった。
ようやくエリックの傷を知った時、
もっとそこを丁寧に書いて欲しいと思った。
犯罪を起こさずにいられない人の
その人の傷や心の大きな穴を
拡大して欲しいと思った。
異常な精神状態でいる少年の気持ちを
丁寧に書いたのだから
理由も
もっと書けば良かったのにと思った。
そして希望を持ち始めたラストの
やはりコーミアらしい厳しい結末。
訳者あとがきを読んでようやく合点が行った
あれこれ。
真野明裕さんのあとがきは
素晴らしかった。
エリックは救われたのかもしれないですね、
真野さん。
この本は
しばらく前に読んでいたのだが
感想を書けなかった。
この本を読んで
私は何を貰ったのだろうか?
受け取ったのだろうか?
私には解らなくて
感想をずっと書けなかった。
だからもう感想は複雑で
悲しい思いだけです。
と言うもので良いかなと思って
ようやく手を付けられた。
みんな、
心に穴があって
それを埋めるために
無意識に色んな事をしているんだと思う。
暗くて深くて
濃い闇の穴を持っている人は
それだけ大きい重い事で
穴を埋めるために
凄まじい事を
穴に放り込むんだろうなぁと思う。
それでも満たされずに
渇望に悩まされるんだろうなぁ。
●読んだ本●
「君がぼくに告げなかったこと」 図子慧著
祥伝社文庫
■あらすじ(抜粋)
「自分の帰る場所がわからない。
待っている人など、
どこにもいない」
兄弟のように育った内田は自殺し、
祖母も亡くなった。
独り残された義国は高校の寮に入るが、
二学期の始業式の日、
級友が校舎から転落死し、
疑惑の生徒は失踪した。
さらに寮でのボヤ騒ぎと
名門私立高校を猜疑と恐怖が覆う。
生と死、
愛と性、
友情が複雑に交差した
多感な青春を描く学園ミステリー。
■感想
図子さんの小説は
何とは言えないエロティシズムが漂っていて
私が自分の中に隠している
性に対する感情を揺さぶる何かが、
上手く説明出来ない何かが
あるような気がしていた。
だから密かに惹かれる反面
近付く勇気が無かった。
今は大丈夫な気がして
7~8年振りに図子さんの小説を読んだ。
今回図子さんの学園物を
初めて読んだが、
「学園ミステリー」なんて
簡単に分類されたくない。
「生き方」「生き様」
「幸福とは」「愛とは」
「家庭とは」「生きるとは」
そういう大切で
日々に埋もれていて
語り尽くせない大切な物語を
登場人物一人一人が抱えて生きていて
とても読み応えがあった。
会話中心の小説なのに
複雑な心情や関係が見事に描かれて行くので、
読みながらしきりと感心した。
読みやすい文章ばかりで、
会話やちょっとしたやり取りを重ねて
大事な事が段々浮き彫りにされて行く。
う~~~~~ん。
伏線の絡ませ方も表現力も見事だ。
この人は脚本家になっても
素晴らしいんじゃないかなと
日本の残念な脚本家が多い実情に
思いを馳せてしまった。
図子さんが描く世界は
孤独で切ないけれど
最後に希望があるから救われる。
主人公の義国と
友達になりたいと思った。
彼はきっと
自分の力で幸せを掴むに違いないと
思っている。
孤独の闇を打ち破って
光の基で生きて行って欲しいと思った。
少年が主人公の小説は読みやすい。
多分、
少女が主人公ではリアル過ぎて
辛くなるからだろう。
面白くて三日で読み切った。
最近のボケボケの私に無いスピードだった。
そのくらい私には面白かった(^ω^)!
●読んだ本●
「ペンギンの憂鬱」アンドレイ・クルコフ著
沼野恭子=訳 新潮社
■あらすじ(抜粋)
恋人に去られた孤独なヴィクトルは、
憂鬱症のペンギンと暮らす売れない小説家。
生活のために
新聞の死亡記事を書く仕事を始めたが、
そのうちまだ生きている大物政治家や
財界人や軍人たちの「追悼記事」を
あらかじめ書いておく仕事を頼まれ、
やがてその大物たちが次々に死んでいく。
舞台は
ソ連崩壊後の新生国家ウクライナの首都キエフ。
ヴィクトルの身辺にも不審な影がちらつく。
そしてペンギンの運命は・・・・・・。
欧米各国で翻訳され
絶大な賞賛と人気を得た、
不条理で物語りにみちた長篇小説。
■感想
憂鬱症のペンギンと暮らす
売れない小説家、
と言う設定に
とても興味を引かれて読み始めると、
淡々としたヴィクトルの生活の中で
ぺたぺたと歩き廻っているペンギンが
時にヴィクトルに寄り添い
時に定位置の寝室のソファの裏で
じっと立ち尽くしている
その関係がとても面白かった。
ペンギンの世話を頼んだ事から
警察官のセルゲイと友達になり、
二人と一匹で
冬の凍りついた川に散歩に行き、
釣り用の穴に
ペンギンが飛び込んで泳ぎ回り、
別の穴から飛び出して来る件は
とても愉快で楽しかった。
淡々とした文章とユーモアが
妙に上手い具合に絡み合っている。
しかし、
常に不安な状況や
不穏な雰囲気に満ちていて、
ユーモアの漂う文章に
騙されそうになるけれど
実は
ひどく切迫した恐ろしい出来事に囲まれていて、
ピストルの発射音が聞こえたり
人がそこで殺されていたり、
怪しげな人が現れたり、
寝ている間に
テーブルの上に物が置かれていたりと
謎に満ちていて、
この小説がどんなジャンルに入るのか
途中で解らない事に気付いた。
謎だらけだから
ミステリなのかもしれない。
ヴィクトルの日常が淡々と書かれている
その中に
恐ろしい事件や
得たいの知れない状況が織り込まれていて
ロシア崩壊後の国々が
どんな不安に満ちていたのかが
少し伝わった気がした。
この小説はウクライナより
欧米諸国で人気が出て、
特にペンギンの人気が凄いらしい。
最初は面白い設定に乗せられて
するすると読んでいたのだが、
残り五分の一の所で
全体に染み渡る不安感や
暗い色調に疲れてしまって
半月以上お休みしていた。
最後を読んで、
休んで読んで良かったと思った。
不条理な国で過ごす人達の
不条理で不安定な生活は、
資本主義の、
思想だけは自由な
この国で生きている私には、
説明出来ない虚しさが残った。
それでもペンギンの印象が強く、
想像を膨らませて楽しく読む事も出来た。
ペンギンのその後を書いた
本が出ているらしい。
ヴィクトルよりペンギン人気かと
笑ってしまったけれど、
よくよく考えてみると
流されて
グルグル同じ所を
歩き廻っているようなヴィクトルよりも
ペンギンの方が魅力的なのは
当然かもしれない(*^_^*)
ウクライナの作家さんは
初めて読んだので、
基準が解らないのだけれど
不思議な味わいの小説だった。
●読んだ本●
「閉じたる男の抱く花は」図子慧著 講談社
■あらすじ
大学の卒業式の謝恩会の帰りに、
したたかに酔った友人を
美しく暴力的な男タキに人質に取られた
本荘祈紗が、
タキの指示に従って使いに行った家は
城砦のように賢固な造りの家だった。
そこで待ち受けていた佐宗は
整った顔立ちの優しい若者だった。
こうして事件に巻き込まれた祈紗は、
タキが忘れられなくなり
タキを探し始める。
タキの使いで行った家は
華道の家元の家で、
佐宗は副家元だった。
タキに翻弄され性に溺れ、
佐宗の優しさに癒され、
揺れる祈紗の日々の中で
政治家が殺され、
関係者が殺された。
祈紗の思いもよらない青春と
華道家元の内紛と、
美しく暴力的なタキと
優しく穏やかな佐宗。
タキはどこまで関係しているのか?
祈紗は迷いながらも
タキへの執着を断ち切れないでいた。
そして祈紗は
事件の中心に巻き込まれて行く。
■感想
ミステリを読んでいたはずなのに、
途中から祈紗がタキとの性に溺れる描写が
非常に丁寧に書いてあって
官能小説を借りてしまったのかと思ってしまった。
祈紗がタキに惹かれ執着する理由も、
タキが人間を信用しない理由も、
優しすぎる佐宗の原因も、
殺人事件の背景も、
みんな生まれと育成環境にあり、
日本の作家で
ここまで環境による人間性の影響を見極めて
小説を書いている人は
多くは無いのではないかと思っているので
とても感心してしまった。
人は育つ間に刷り込まれたものが
基礎に練りこまれているので
自分では自分の歪みに気付けないのだ。
だから他人には見える歪みや間違いを
無意識のうちに選び続けてしまう。
祈紗が幸せになれるかどうかは、
これからの祈紗の考え方と
それまでの自分の選択の意味を意識して
これから変えて行く事で決まるんだろうと思う。
余りにも印象強い作品だったので
三日間ほど混乱していた。
環境は
自分で選んで生まれては来れないけれど
そこから何を学び選び進んで行くのかは
自分で決める事が出来る。
刷り込みを消し去ってしまえたら
自分の幸せのために行動できるのだと思う。
そのための、
祈紗の痛くて大きくて苦くて重くて
熱く燃え立つ経験だったのだと思う。
これはサスペンスだけれど
祈紗の恋の話しでもあると思った。
そして生き方を選ぶ事を
しっかり意識して大人になった祈紗の
成長の話しでもあると思った。
しかし、
読み終わって題名を見て
初めてこの題
「閉じたる男の抱く花は」
の意味を理解した。
題名をもっとしっかり見ようねと
自分に言いました(^^ゞ
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