うなぎざかり

うなぎざかり

忘れじ体



その日 裏で少女は

紅く切り裂かれた

何か叫んだような気がした

待ち人なんていない

そこには

ばらばらな褥が残るだけ

早く 燃やして

原型をとどめていたくないのに

どうか 燃やして

何もないところへ いきたいから





道は冷たいからいやだ。
そらへいきたいの。
だから早く見つけてそして燃やして。
ずっとここで待ってるから。



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