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You Go Your Way
You Go Your Way
貴方はいつだってそう。
私を見ていてくれる。
いつも気にかけていてくれることを知っているの。
この間だってそうだった。
任務から帰ってきて、休むまもなく次の仕事に取り掛かろうとした私を見て、貴方は言った。
『息吹さん、大丈夫なんですか?・・・少しは休んでくださいよ。』
『・・・気にしないで!本当、貴方って心配性ね。』
『・・・・いや・・・その、心配性っていうか・・・』
とっても困ったような・・呆れたような声で、言った。
私は、なんだか恥ずかしくて・・・その場から逃げるように、足早に。
立ち去ったんだけど、かすかに切なく。
『俺は・・・貴方だから、心配なんです・・・』
「―――・・・!」
なによっそれっ!
私だから心配ですって?
ふざけないで!!私はそんなに弱くない・・・弱く、なんか・・・
そこまで考えて、私は泣いてしまった。
「うっ・・・くっ」
・・こんなところ、見られたら・・・忍失格ね、私って。
弱くない。
・・・・本当に?
じゃあ・・弱い?
・・・弱いかもしれない。
そうだ。本当は私は弱い。
だって、さっき何故か泣いてしまった。
とっても・・・言葉が痛くて泣いたの。
『俺は・・・貴方だから、心配なんです・・・』
今・・・考えたら。
なんて切ない言葉だろう。
貴方は私のことが心配だといってくれた。
本当に心配で心配で・・・だから、言ったんでしょう?
なのに・・・私は逃げてしまった。
それ以上、私に関わって欲しくなかったから・・
私は強がっていた。
任務も確実にこなして・・・手柄を立てて・・・御頭や、他の皆からも一目置かれていて・・・
『良い子』の自分ばかりを見せていた。
でも・・・本当は、すっごく怖いの。
昔にも・・・昔にも、貴方のような人がいた。
いつも私のことを気にかけて・・・私の知らない、本当の顔を見抜いてしまった人・・
大事な、人だった。
『そんなに、強がらなくて、いいから・・・』
『だから・・・泣いたっていいんだよ?』
私は・・・その人の優しさに、温もりに。
惹かれて行った。
その人も、私を見ていてくれていた。
でも・・・もう・・過去の話。
もう貴方は、私を見ていてくれない。
『大丈夫だよ』って言ってくれない。
私ってどれだけ弱いんだろう。
貴方がいないと何も出来ない・・・弱い弱い、子供みたい。
(もう一度・・・)
もう一度、逢いたいよ・・・
・・・私は、何処へ行くのかも判らず・・・歩き出した。
いつも無理をしている。
俺にはわかる。貴方が・・・強がっていることが。
この間、さり気に声をかけた。
でも・・・貴方は大丈夫、心配しないでと。
確かに、貴方はそれで良いかもしれない。
でも・・・俺からしてみれば、まるで誰かを待っているようで。
(逢いたい・・・もう一度、あの人と。)
俺には・・・一目でそうだとわかった。
かつて、貴方には大事な人がいた。
貴方を内面から知っていて・・・いつも気にかけて。
そんな彼を、貴方も・・・大事な人と認めた。
けれど、そんな彼は。
もう居ないんですよ?
俺は何度も何度も思った。
『俺は彼の代わりにはなれないのか』と。
そんなことを考えている自分が・・・弱く思えて・・・歯がゆくて・・・たまらない。
「俺じゃあ所詮」
「ただのイイ人・・・なんですか?」
「俺は拠り所には・・・なれませんか?」
考えて考えて・・・それでも貴方は振り向いてくれない。
いつも、作ったような笑顔でしか笑ってくれない。
俺じゃあ役不足ですか?
もしそうなら・・・そんな男になってみせます。たとえ、この身体が朽ち果てようとも。
貴方を想い続けますよ・・・
俺にとって貴方が・・・大事な人ですから・・・
俺は・・・途方もなく歩き出した。
それから暫くして二人は会った。
「漸・・・!」
「・・・息吹さん・・・」
驚いて、二人とも第一声はそれだった。
が、暫くして、漸く、
「・・・今、ね。あなたのことを考えてたの。」
「・・・本当、ですか・・・?」
一息ついて、漸が言った。
「俺も・・・ですよ・・・俺も、想ってました。貴方の・・・”特別”には・・・俺ではなれないのかと。」
「漸・・・」
「貴方は・・・あの人とはなれたくない、と思っているでしょうが・・・でも、息吹さん。決してそんなことはないですよ?」
「え・・?」
「だって・・・離れてしまうと判っていたなら・・・如何して彼は貴方のことを愛したんです?」
「!!」
「ね・・・息吹さん。決して離れてしまったのではありません。想いは想いのまま・・・貴方を愛し続けていますよ。・・・ただ、」
「・・・ただ?」
もう日は落ちていた。
だが、息吹の眼には確かにそれがあった。
月明かりで光ったそれを認めると、漸は再び紡ぎ始めた。
「ただ・・・熱を失っただけです。」
「熱、を?」
「あのひとはただ帰って行っただけですよ、きっと。あの人だって、愛するということを忘れる人を・・・愛していた訳ではないでしょうから。・・・いくら俺でも・・・あの人でも。時間を止める術など、知りません。あの時貴方をかばって・・・逝った彼を・・・生きかえらせる方法だってないんですよ・・・?」
「・・うん・・・」
「でもね・・・心配しないで下さい。」
「え・・・?」
「彼は、今だって貴方の中で生きてるじゃないですか。消え去るわけないんですから、ね?彼は俺の知っている忍の中でも、忠実な人でしたから・・・貴方を裏切るようなことは・・・絶対にしていないはずですよ。」
「判ってる。・・・判ってるけど・・・」
澄んだような時間の中で。
たった二人、月光に照らされて。
時間は過ぎていった。
それでも、気にも留めることなく。
最後の、想いを・・・
言いたくて。
笑顔を、作った。
「それでもね。」
「?」
「それでも思うんですよ、俺も。そんな綺麗事言っても、やっぱり・・・」
「・・・何?」
「ただ懐かしく思える頃には・・・逢えたらいいですよね。」
「―――!!」
そう言ってくれたことが。
一緒になって考えてくれている人が居るという事実が。
ただ嬉しくて。
もう、それだけで。
彼女は無意識のうちに・・・彼に抱きついていた。
「いっ息吹さん!?」
「・・・ありがとぉ・・・本・・と、に、ありがとぉ・・・漸・・・」
「息吹さん・・・」
「大丈夫だよ・・・貴方のお陰で・・・私は・・・笑っていられるよ、きっと。」
「・・・いつもの、貴方になってくれましたね。」
息吹の背中をさすりながら、漸はかすかに笑った。
「でも・・・辛かったら・・・いくらでも泣いていいんですよ?例えそれが・・・忍の掟に反しようとも・・・忍だって・・・人間なんですから。」
「―――うん・・・」
彼女は泣いた。
母親に縋り付く子供のように、ひたすらに・・・
貴方はかえる・・・・あの日の場所へ・・・
そして私は・・・私の道を。
じゃあね・・・漂う日々よ。
忘れることなんてきっとないから。
私の道を・・・・
歩いていく。
--END--
~言い訳~
なんじゃあこりゃあっ!!恋愛?それともナガの勝手な妄想?
今回、ケミストリーの「You Go Your Way」の歌詞を使ってストーリーを作ったわけですが・・・
素敵な歌詞なのに思いっきり汚してしまいました・・・あぁ・・・好きなのに・・・この歌は別れの曲だそうなので、そのつもりでがんばったのになぁ・・・全然駄目ですね。(泣)
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