天体観測


天体観測

綺麗な星が見たくて見たくて。

小さな手を翳して夜空を見ていた君はもう居ないけど・・・

今でも、二人で細長いほうき星を探しているよ。

「ね、ねえ・・・こんなとこに登るの?」
「当たり前だろ・・・大体、見たいって言ったのはお前だろうが。」

里で一番大きな木に登って、少し青みがかった夜空を仰いでみた。
暗くて静かな夜に、二人で。星を見ようって。
だから、一番星が綺麗に見えるところを選んだ。
『綺麗だね』って笑う君を見たくて。
君は、もうすぐ任務で俺の前から消えてしまうから。
君はずっと隠していたんだろう・・・でも、知ってたんだ。
本当は、始めての任務で嬉しいくせに、いっちょ前に気を遣って、俺に心配をかけたくなかったんだろうが・・・俺と逢うたびに顔をそらせる態度ですぐわかった。

『初任務だってな。』

そう言ったら、君は少し残念そうに、俺の顔を見据えたもんだった。

『明日・・・早速、行くんだろう?・・記念に、なんか祝ってやらないとな』

そう言ったら、君は、二人で・・・

『何だ?』

そう言ったら、君は、『二人で星を見たい』って言った。
だから、こうして天体観測に連れ出した。
自分で見たいって言ったくせに、木に登るのが恐くて足が竦んでちゃあ・・・
そんなんでよく忍になれたな、お前。
ただ星を見てるだけなのに、君は大袈裟な態度で夜空に食い入った。
『あれ、あの星大きいね。』って笑いながら言う君に。
俺も体のそこから癒されたもんだけど。
『じゃあ、もう行こうか』って言う前に、君はもう寝入っていた。
『仕方ない奴だな』って言いながら、俺は木の上で君の寝顔を見続けた。


そんな君は、遂に俺の前から姿を消した。
何処に行ったのか、判らない。なんせ、もうあの日のことは数年前なのだから。
『もしかしたら殉職かもしれない』という良くない噂が飛び交う中でも、俺は今でもあの星を見ている。
どんなに暗い中でも、細く光り輝くような光を探しつづけているから。何も恐いことなんてないから。

君は今どうしてる?俺は、何も変わった事はないよ。
元気だよ。

もう一度君に会いたくてあの木にまた登って。
自分の手を翳して。
さあ、天体観測を始めよう。
君が、俺の手を掴んで木に登って来なくても。

・・・・今でもほうき星を探しているから。

俺が夜空を仰がない日が来た時は・・・君を忘れるだろう。


『あの星、大きいね。』

                          ――END――


~言い訳~
もうコメントする気にもならないっす・・・はい、そうですね。バンプの『天体観測』ですね。なんで手を翳して星を見るのか、と言うと・・歌詞中では『望遠鏡』となっていますが、やっぱこの時代ないっしょ。(笑)望遠鏡が。
あ~~~~文才くれぇ~




© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: