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*いちごひめ*
↑の続きです。
時間より早めに来てしまった二人はエザリアが現れるのを待っていた。
頼んだコーヒーのカップを口につけてイザークが横目でアスランを見る。
「言うなよ。」
「…どうかなー」
アスランがへらっと笑うとイザークは乱暴にテーブルにカップを置く。
カップが割れんばかりの勢いだ。
「言ったら本気で殴るからな!!!!!」
「…う、…殴られる位覚悟してます!言っちゃえばこっちのもんだしね。」
「なんだとぉおおおおお!!!!?????昨日と話が違うだろうが!!!!!!!!!」
「…まあそういうこともある。」
「あるかああああああああっっっ!!!!!!!!!!!!」
店員や客がその大声に驚いてこちらを見ているのに気付き、アスランは急いでイザークの口に手を当てる。
「わ、分かった分かったイザーク言わないから。」
「絶対だな。」
「うん。」
…こんな嘘は仕方が無い。
イザークの怒りはどうにか後でなだめればいい。(全く容易な事ではないが。)
とにかくアスランは、相手の親に認められる事、そしてイザークとの勝負に結構こだわっているようだ。
神経質で負けず嫌いな彼の性格が出ている。
その時店のドアのベルがカランと音を鳴らした。
二人はさっきからそうしていたように入ってきた人物をちらりと確認する。
「あ…」
「母上」
二人は声を上げた。
とうとう本人がやってきたのだ。
エザリアはくるりと店内を眺め、窓辺に二人の姿を確認すると向かってきた。
「エザリアさんおはようございます。」
「母上、ごぶさたしております。」
「アスラン君おはよう。イザークも来るんだったのね、久しぶり。」
水を運んできた店員に「コーヒーを」と頼むとエザリアはゆっくりと椅子に座る。
「時間をいただいてしまってすみませんでした。」
「いいのよ。…それより話って?」
「それはですね、実は僕とイザークは付き「あああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
アスランの言葉を遮ってイザークが大声を上げた。
エザリアは目を丸くしている。
コーヒーを持ってきた店員も危うくカップをその場に落としかけた。
「…イザーク?ど、どうかしたの?」
「え、いやちょっと…!あ、そ、外にツチノコが見えて…!!」
「ツチノコ?」
エザリアが窓の外を見回す。
アスランは必死のイザークの言い訳にぷっと静かに吹き出していた。
その次の瞬間イザークの堅い革靴はテーブルの下でアスランの足を思いっきり踏んでいたが。
「…っい…!!!」
「母上、それで今日したかった話と言うのは…えっとクルーゼ隊長の仮面の事で!!」
「…え?クルーゼさん…?」
イザークはとにかく適当に話をして、とっとと話し合いを切り上げようと思った。
エザリアからは半ば呆れたような表情が見え隠れしていた。
「こんなことでアスランがお呼びしてしまってすみません。ですがどうも気になってしまったようで…まだまだアスランも子供(くそがき)なも
ので。母上なら何かあの仮面の秘密を知っているのではないかと思ったようです。」
アスランが足の痛みに堪えている間にイザークはどんどん話を進めた。
「そうね…まあ部下としては気になるわよね…。でも私もあの仮面の秘密はよく知らないのよ。」
「違うんですエザリアさんっ!僕が言いたいのは…!!」
痛みがなんとか引いたらしいアスランが涙目で必死に言った。
イザークは完全、無視。
「そうですか、母上も知らないのなら仕方ないですね。お手数おかけしてしまってすみませんでした、では俺達はもう帰るとします!」
そしてアスランを引っ張ってイザークが帰ろうとする。
「ちょっ…イザ…やっぱりちゃんと話そうよ!」
「何言ってるんだアスラン?もう話は終わっただろ?」
エザリアを前にまだ営業スマイルのままのイザークだが、アスランを引っ張る手には強い力がこもっている。
「あら、帰っちゃうの?」
「はい!母上、時間をいただきありがとうございました!」
「ちょっ…」
アスランは必死に席を離れて歩き出すイザークの手を引く。
忙しいエザリアがこれからまた時間をくれる機会などしばらくは無いだろう。
『今、今言わないでどうするんだ~!!』
だがエザリアとの距離は開くばかり。
自分達の関係を言いたいアスランは必死。
しかし言いたくないイザークもかなり必死だ。
火事場の馬鹿力、いつもアスランに力負けしているイザークもこの時ばかりはすごい力を発揮していた。
レジにカードを素早く通し料金を払うとドアを押した。
店員達の表情も『やっとうるさい客が帰った』と言わんばかりの表情。
『…よし!!!!』
ここまで来ればもう大丈夫だ。
店のドアのベルが鳴って閉まる、寸前。
そうイザークが確信して心でガッツポーズをした瞬間だった。
安心して力を抜いたのが迂闊だった。
アスランが、いつもイザークを押し倒す時の力をようやく発揮した。
アスランは片腕でイザークをぐっと引っ張り、自分の胸に引き寄せた。
「なっ…何をっ…」
イザークが驚いてアスランを見た瞬間。
カランとベルが鳴った。
閉じたと思われたドアが、また開いた。
「エザリアさん!!僕達…付き合ってるんです!!!!!!!!!!!!」
店が大きくざわついた。
そしてエザリアが目を見開いた。
イザークは口をぱくぱくして声も出ない。
アスランの意識はエザリアさんの反応だけに集中していた。
「アスラン君…?」
エザリアが二人を見つめる。
(もう駄目だ…)
イザークは男泣きしそうになっていた。
絶対に親子の縁を切られる。
そう思ったその時。
意外な言葉がエザリアの口から発せられた。
「え?そんなこと知ってるわよ?」
「「…は?」」
二人の声が重なった。
エザリアは二人の反応こそ疑問、という表情をした。
そして周りの客が見ているのを気にしてその席を立つと二人の元へ歩み寄った。
「だって…あなた達の噂、軍ですごいじゃない?…もしかして知らないと思ってたの?」
エザリアに小声で囁かれると、イザークがはっとどこかへ飛んでいた意識を体へ戻した。
「はっ、母上縁を切るとか…そんなこと言わないのですか…!?」
「縁を切る…?…おほほほほ…イザークも面白い事を言うわね。別にいいじゃない、好きなんだから男同士だってなんだって。それに何よ
りアスラン君はパトリックの息子だし申し分無いわ。」
エザリアは口を押さえてくすくすと笑った。
「これからも仲良くしなさいね。」
「は…はぁ…」
「じゃあ私そろそろ時間だから行くわね。」
レジにカードを通すとエザリアは笑顔のまま颯爽とその場を去って行った。
「…俺の今までの心配は一体何だったんだ…?」
イザークがアスランに片手で抱き締められた状態のまま呟いた。
その後二人がその店の客に盛大にひやかされたのは言うまでもない。
勝負の行方はともかくとして、エザリアに認められた(正しくは認められていた?)二人の愛は今までより熱く燃え上がった…かどうかはわ
からないが。
そして今まで軍内に知れ渡っていた二人の噂は、この日から都市レベルの噂にまで広がったとのこと。
Fin.
…すいません折角キリ踏んでいただいたのにこんな馬鹿話で(笑)ていうか長すぎました;
けどすごく楽しませて書かせていただきましたwアスイザラブラブっぽさを書き切れなかったのは残念でしたが…;
こ、こんなものでよろしかったでしょうか…(^-^;)
みーこぶー様ありがとうございますvv
アスランとイザークは親公認なんですね!!
すっごくドキドキしながら読ませていただきました。
アスランが言っちゃったら、イザークはどうするんだろう?とか(笑)
すいません。。。。1つにまとめることが出来なかったもので、
誠に勝手ながら2つに分けさせていただきました。
自分なりにここで分けた方がいいなと思って分けましが、こっちの方が絶対いい
と思ったところがあったらおしえてくださいませ。
素敵な小説を書いていただきありがとうございました
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