Dog photography and Essay

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蘇州旅情2-1



「蘇州旅情2-1」

「中国写真ライフ」では、
江蘇省「蘇州」の写真を公開しています。

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中国には「上有天堂、下有蘇杭」という
言葉があるが蘇州と杭州の事を指しおり
天に楽園あれば、地に蘇州と杭州があると
言う意味に捉えれば良いが中には蘇州だけを
指して言った言葉であると豪語する人もある。

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上海から蘇州までは列車で40分ほどの距離である。
車でなら上海から1時間半のところにある。

蘇州には運河が張り巡らされていることから
「水の都」とか「東洋のベニス」などと呼ばれている。

蘇州へは6回ほど観光したが、四季折々の風情が
楽しめる街でもあり紀元前6世紀頃からの
歴史があり古典庭園は世界遺産に指定されている。

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「蘇州旅情2-2」

「中国写真ライフ」では、
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蘇州の園林へは多くの観光客が訪れる。
日本からの観光客も多いため通訳が
重宝されており、庭園のあちらこちらで
日本語が飛び交っている光景が見られる。

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拙政園や留園また網師園などは1997年に
世界遺産となり拙政園(zhuozhengyuan)と
留園(liuyuan)は中国四大名園に数えられる。
広大な拙政園は池がその約6割を占めている。

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「蘇州旅情2-3」

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写真の蘇州庭園は拙政園のすぐ南側の
獅子林と呼び蘇州四大庭園の一つである。

1342年の元代に高僧天如禅師のために
弟子が禅式の庭園を築造したのが獅子林である。

獅子林とは禅師が浙江省の天目山の獅子崖で
修行し如来の仏典の獅子吼から獅子林と名付けた。

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獅子林内には花崗岩の奇石や太湖石が林立し
太湖石を積み重ねて作った築山は狭く気を
付けないと頭を打ちそうな洞窟となっている。
獅子林は別名「築山王国」とも呼ばれる。

清朝の康煕皇帝と乾隆皇帝は南方巡回の際
数回にわたり獅子林を訪れ北京の円明園や
避暑山荘に獅子林を真似て太湖石の築山を作らせ
その史実が一躍天下に知られ獅子林の名が広まった。

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「蘇州旅情2-4」

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獅子林庭園に入りまず目に入るのは石である。
石と言っても一般の石ではなく太湖周辺で
採取した「太湖石」で築山にした公園である。

獅子林には東屋や回廊が多く造られている。
その建物は蘇州庭園の水や橋で輝きを増している。

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獅子林の築山の洞窟の天井が低く子供たちが
遊ぶには丁度良いかも知れないが大人が
子供たちの後を同じように追って遊歩ならば
怪我をし兼ねないほど狭く低い洞窟である。

獅子林は元王朝の時代に造営されたもので
700年程前に造られ蘇州の四大名園の一つである。

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「蘇州旅情2-5」

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蘇州四大名園と言えば滄浪亭、獅子林と
拙政園、留園の事を指すが獅子林は
蘇州四大名園のひとつに数えられる。

元代の1342年に造園された庭園と紹介があるが
清朝の時代にかなり手が加えられている。

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獅子林の園内は太湖石で埋め尽くされ
通路は迷路のようにも感じられる。

獅子林は獅子の名前のとおり園内には
獅子の形に似た岩が沢山あるが実際の所
長い時間眺めていて、何となく獅子に
似ているかなと感じる程度である。

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「蘇州旅情2-6」

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蘇州庭園の中に留園と呼ぶ世界遺産の
庭園があるが、留園にある太湖石は
4箇所の庭園最大で6.5mの高さがある。

獅子林にある太湖石は高さこそ留園には
ほど遠いが量的には蘇州庭園の中で最大である。

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太湖石とは蘇州の太湖周辺の丘陵から
切り出される石に穴の多い奇石である。

太湖の丘や湖の島は青白い石灰岩で出来ており
長年の侵食により石灰岩に多くの穴があいている。

太湖石は中国各地の庭園で鑑賞のために置かれ
始めこの太湖石を見た所は北京だったが
人工的に造られた石のように感じられた。

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「蘇州旅情2-7」

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蘇州庭園へ初めて来たのは1985年の事。
獅子林へも来たと思うが記憶に残っていない。

2度目に蘇州庭園を訪れたのは16年後の
2001年の事であるが仕事の合間に来たので
庭園を落ち着いて鑑賞するほどではなかった。

上海に住むようになってからは列車で50分ほどの
時間で来れるので結構庭園を訪れるようになった。

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獅子林の回廊から庭園を見ると石灰岩で出来た
太湖石が配置されているが岩肌は長い年月に
侵食され深いシワのように見えるがマッチしている。

太湖石の風貌は美しいと形容出来るがむしろ
奇怪な感じを受ける。蘇州の人達は自分の庭にも
太湖石を置いているようであるが岩とはまた
違った趣が感じられ長い間眺めていても飽きない。

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「蘇州旅情2-8」

「中国写真ライフ」では、
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蘇州市内には八箇所の園林が世界遺産に
登録されており、写真の太湖石はその全ての
園林に配置されており人気なのだろう。

だが写真の獅子林だけは本格的で太湖石を
利用した迷路を造り良く考えないと迷ってしまう。

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獅子林を探索してみると入口の横に出口があり
案内の矢印に沿って進まなければ出口に
来てしまうので撮影する人は気を
付けなければ何度も同じ所を迷ってしまう。

初めて獅子林を訪れた人は何処も同じように
見えるようで何処にも似たような岩や通路がある。
だが見晴らす景観が違っているので実際は
迷路に迷い込むという事はない。

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「蘇州旅情2-9」

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獅子林は、蘇州市園林道通りにあり1963年に
江蘇省の文化財保護指定を受け、37年後の
2000年に世界文化遺産として登録された。

獅子林は宋代の官職別宅であったが1342年に
日如禅師のために弟子が出資して家を建てた。

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明代の洪武の頃には、釈如海がここに住んでいた。
洪武6年に画家の倪雲林が獅子林を通りかかった時
釈如海に頼まれて「獅子林図」という絵を画いた。

話によると獅子林図の絵は台湾に保存されている。
如海は違う画家に頼み「獅子林12景図」を描かせ
それ以後獅子林の名が知られるようになったという。

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「蘇州旅情2-10」

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獅子林では当時の文人たちが詩を詠んだり
絵を描いたりする景勝地になっていた。

だが20年もすると寺の僧侶たちは獅子林から
離れ去ったため庭園は豪族に占用されてしまった。

その後、獅子林は段々と荒れ果てることになった。
明朝万暦の頃に、江盈科が再訪した際嘆き悲しみ
この庭園を修繕し、仏殿、経閣、山の門を再建した。

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清朝の順治5年に、再び修繕をおこない、60年後の
康煕42年に、康煕皇帝が南方巡察の際に獅子林を
訪れ「獅子寺」の横額揮毫を下賜したという。

乾隆の初期に寺と庭園が分割される事となった。
庭園に五株の古松があったため「五松園」と称される。

乾隆帝弘歴は幾度も獅子林を訪れ倪雲林が描いた
「獅子林図」の上に詩を題した事で更に名が広まった。

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「蘇州旅情2-11」

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獅子林は多くの人の手に渡り変貌を遂げたが
最終的には見捨てられ荒れ果ててしまった。

1917年に大富豪の貝潤生が獅子林を買いとり
大規模な改修を行い殆どの建築物を再建した。

再建に当たっては西洋のデザインを参考にした為
倪雲林の「獅子林図」の中で描かれていた庭園と
比較してみると大きく変わってしまっていた。

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時代は大きく動き中華民国の時代へと移っていた。
獅子林の楼閣の壮大さや雅やかな飾りつけは
中華民国時代蘇州の庭園の頂点に立っている。

日中戦争で日本軍の占領当初は貴賓館として
使われた所も抗日戦争終結後、国民党の軍隊が
獅子林に駐屯したことがあり兵士の心を癒した。

1952年には市文化財管理委員会は獅子林の
東側の貝家の祠堂を事務所として使っており
貝潤生の子孫はこの獅子林庭園を国に寄付した。

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「蘇州旅情2-12」

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獅子林が一般公開されたのは修繕された2年後の
1954年2月の事だったが元朝に獅子林が出来て実に
600年後の事だったが一般市民は無関心だった。

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写真の石が太湖周辺で採取した太湖石であるが
何となく人造石に見えてしかたなかった。

1985年には以前蘇州市文化財の管理委員会が
使っていた庭園の北東側にある祠堂と一部住宅が
蘇州民俗博物館の管理下におかれることになった。

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「蘇州旅情2-13」

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獅子林は高い塀に囲まれ長い回廊や池があり
静かな佇まいを見せてくれるが、こちらも
詩を詠む心のゆとりを持って接すると良いが
時間から時間へと追われる今は余裕がない。

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獅子林の茶屋の中でお茶を飲んだが瞬く間に
30分が過ぎ去ってしまった感じだった。
蘇州埠頭から遊覧船に乗り絹の館へと向った。

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「蘇州旅情2-14」

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蘇州波止場には多くの遊覧船が繋がれていた。
遊覧船といっても30人ほどが定員の船である。

波止場で船に乗り10分ほど待っていると
まだ空き席が大分あるのに船は出発した。

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遊覧をするというより次の目的地までの
連絡船という言い方のほうが似つかわしかった。

15分ほどして降りて下さいとメガホンで言われた。
船を降りると地元のガイドが待機しており
絹織物や製品を販売する土産物屋まで案内された。

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「中国の旅」



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