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いいこと探検家の人生冒険ポジティブ日記
地球温暖化・・・・その2
地球温暖化・・・・その2
■地球温暖化の原因
◆地球温暖化は人間の活動によるもの
地球温暖化の直接原因は、二酸化炭素などの温室効果ガスが
増えていることです。
大気中の二酸化炭素は、100万年前までは数千ppmほど
存在していたとされています。
その後、急速に減少し、少なくとも1000年前から産業革命
前までは280ppm程度で安定していたことが分かっています。
ところが産業革命以来、人間は工業化を猛烈に進めてきました。
石油・石炭・天然ガスといった化石燃料やゴミ、プラスチック
などを大量に燃やし、また吸収源である森林を大規模に伐採
しています。
その結果、二酸化炭素がどんどん増加し、産業革命までは280
ppmであった二酸化炭素濃度が、現在では370ppmを超え
てしまいました。
IPCCも、『地球温暖化第三次レポート』で、
「人為的に排出された温室効果ガスが温暖化を引き起こして
いるという強い証拠が認められる」
と、現在の温暖化が自然現象ではなく、人間の活動によるもの
であることを正式に認めています。
皆さんは、「人間の活動によるものである」と聞いてどう
思われますか?
「けしからん。人間がいなくなるのが一番いいんだ」
という意見の人もたくさんおられるでしょうね。
しかし私は、
「人間の活動が原因であるのなら、人間が解決できると言う
ことだ」
とポジティブに考えています。
太陽活動などの自然現象が原因だったら、私たちは何もでき
ず、ただ手をこまねいているだけ、と言うことになってしまい
ますからね。
◆ますます増加する大気中の二酸化炭素濃度
現在もなお、大気中の二酸化炭素は炭素換算で毎年三十数億
トンずつ増加しています。
これは、化石燃料の燃焼や森林伐採によるもので、地球が
何億年もかかって蓄積してきた炭素資源をわずか1~2世紀
で使い尽くそうとしているのです。
このように、二酸化炭素濃度増大の最大の原因は、明らかに
先進国の「大量生産・大量輸送・大量消費・大量廃棄」という
社会システムにあります。
それを裏付けるように、特にアメリカと日本という二つの
消費大国における二酸化炭素排出量の増加が際立っています。
実は、1995年段階でも二酸化炭素排出量は、先進国全体で
90年と比べて4.6%減少しているのです。
減少量の7割を占める旧ソ連をはじめ、ドイツ、イギリス、
旧東欧諸国が大きく貢献しています。
一方、増加しているのはアメリカ、日本、カナダ、オランダ、
オーストラリアなどで、特に、アメリカの56%と日本の
21%がダントツです。
実に2国だけで、二酸化炭素増加分のうち8割近くを占めて
いるのです。
■地球温暖化の予測
2001年1月、IPCCは、地球温暖化第三次レポートを
発表しました。
特筆すべきは、「人為的に排出された温室効果ガスが温暖化を
引き起こしているという強い証拠が認められる」と人間活動が
主な原因であることを示したことです。
ここで第三次レポートの概要を見てみましょう。
◆第三次レポートの概要
今世紀末に地球の気温は最大5.8度上昇する。
最大88cmの海面上昇が起こる。
海面上昇による洪水の増加やマングローブ林の減少、砂浜の
浸食被害が拡大する。
温帯から熱帯にかけてのアジアでは、海面上昇や台風の頻発で
低地に住む計数千万人が移住を迫られ、食糧生産減少。
世界で水不足に襲われる人が、現在の17億人から2025年
には約3倍の約50億人に増加する。
特に中央アジアやアフリカ南部、地中海沿岸諸国で深刻な
水不足が起き、熱波が頻繁に発生し、高齢者や病人などの
死亡率が上昇。
温暖化の被害は特に途上国で深刻で、最悪の場合、損失が
国内総生産の半分に達する国もある。
気象災害の増加で保険会社が被害を補償できず、破産する
可能性もある。
◆極端な海面上昇の可能性も
第三次レポートでは「海面上昇が最大88cm」となっていま
すが、もっと極端な海面上昇も真剣に議論されています。
IPCCのロバート・ワトソン議長は、
「海面が6メートルも高くなるという取り返しのつかない
影響のきっかけをつくることになる」
と破局的な事態すら起こりかねないと警告しています。
この警告の背景には、次々に明らかになる深刻な温暖化の
実態があります。
第三次レポートでも次のように報告しています。
氷床は気候の温暖化に反応し続け、気候が安定したのち数千年
間にわたって海面水位上昇の一因となり続けると見込まれる。
グリーンランドで気温が3℃以上高い状態が数千年間続けば、
グリーンランドの氷床は完全に融けて、海面水位が約7m上昇
すると予測される。
また、グリーンランドで気温が5.5度高い状態が1000年
続けば、グリーンランドの氷床融解により、約3mの海面水位
の上昇がもたらされる可能性が高い。
さらに、西部南極氷床がこの先1000年間に3m海面水位
上昇をもたらす可能性がある。
◆想像以上に崩壊しやすい南極の棚氷
この他にも、米航空宇宙局(NASA)は、
「南極大陸から海上に張り出している広大な棚氷は、南極の
短い夏の気温が高くなるだけで崩壊し、世界規模の海面上昇
を招く恐れがある」
と警告を発しています。
従来は、地球温暖化が進んだとしても南極の年間平均気温は
氷点(セ氏零度)を大きく下回っているため、巨大な棚氷が
崩壊する可能性は少ないとみられていました。
研究チームは、1998年に一部崩壊した南極半島東側の
ラルセン棚氷の崩壊メカニズムを分析。
同年の夏(2月)に棚氷付近の気温が零度を上回ったため、
表面の氷の一部が解けて亀裂に流れ込み、水がその重さで
くさびのように作用して棚氷が割れたことが分かったのです。
同チームのテッド・スキャンボス博士は
「厚さが約200メートルある棚氷でも、表面にできた深さ
5~15メートルの亀裂に水が流れ込むだけで割れてしまう
ことが判明した。棚氷は従来考えられていたより、はるかに
崩壊しやすい」
と指摘しています。
崩壊すれば数メートル以上の海面上昇をもたらすと言われて
いる南極最大のロス棚氷付近も、最近では夏の気温が氷点下
4~6度まで上昇しており、同博士は「崩壊の瀬戸際に近づ
いている」と話しています。
◆5.8度の気温上昇が意味すること
5.8度もの温度上昇は、最悪の事態を引き起こす可能性を
高めることは間違いありません。
しかも極地の温度上昇は、地球平均に比べてはるかに急激で
あることが明らかになっています。
実測値では、地球の平均気温はこの50年間で0.5度ほど
上昇しましたが、その間に南極やアラスカでは2.5~3度も
上昇しているのです。
そして多くの研究者が、21世紀末には極地の平均気温が
現在よりも12~20度上昇すると予測しています。
◆激しくなる気候変動
平均気温が4.5℃違うと、温暖期と氷河期くらい気候が
変わってしまう可能性があります。
したがって本来、このシナリオが実現しないような対策を
とるべきなのですが、多くの専門家は中位の予測である
「2℃、50センチ上昇」を前提にしているようです。
とはいえ、2℃の違いでも大変深刻な影響が出ると予想
されています。
それどころか、現在よりも平均気温が1℃上がるだけでも、
過去1万年間に見られなかった激しい温度上昇なのです。
日本では、1994年や2004年にかつてない猛暑に襲われ
ましたが、これらの年の気温でも平年と比べて約1℃しか
高くなかったのです。
しかし、たった1℃の違いで、記録的な高温、小雨、渇水
など大きな影響があったのは記憶に新しいところです。
また、「地球温暖化で極端に気温が下がる」と予想されて
いる地域もあります。
アメリカの気象学者が、
「10年以内にヨーロッパの一部の冬の気温が11℃も
低下する可能性がある」
と発表したのです。
ヨーロッパが比較的暖かいのは、メキシコ湾流という暖流
のお陰です。
温暖化でメキシコ湾流の進路が変わり、ヨーロッパが極端に
寒冷化するのは有り得ない話ではありません。
この件に関して、もう少し詳しくお知りになりたい方は、
私の公式HPのここ
をご覧ください。
◆南極、北極で10℃以上の温度上昇
地球温暖化の重要ポイントのひとつに、
「気温の上昇は南極や北極で大きく、熱帯地方では小さい」
というのがあります。
どの研究機関も
「熱帯地方では気温がほとんど上がらず、南極と北極地方で
大幅に温度が上昇する」
という点で一致しています。
具体的には、多くの研究機関が
「100年後に南極や北極地方の周辺で、冬に10℃以上気温
が上がる」
と予測しているのです。
観測記録でも、この100年で地球の平均気温が0.3~0.6℃
上昇しましたが、その間に南極や北極周辺では2.5~3℃上昇
したことが確認されています。
◆永久凍土が融けてメタンが大量に放出される
この温度上昇で、シベリアやアラスカなどで永久凍土が解け
始めています。
永久凍土とは、水分が凍って岩石のように硬くなった土のこと
で、アラスカ、カナダ、シベリアなど夏も地中の温度が氷点下
の地域で見られます。
温暖化が進めば、永久凍土の融けるスピードが加速され、閉じ
込められていたメタンが大量に放出される可能性があります。
メタンは同じ質量ならば、二酸化炭素の58倍(同じ体積
ならば21倍)もの温暖化の力を持っています。
つまり、永久凍土地帯から大量のメタンが放出されることに
よって、温暖化がますます加速されてしまうのです。
◆地球温暖化「究極のシナリオ」
1978年に米国のオハイオ州立大学極地研究所のジェームズ・
マーサ博士は、
「地球の温暖化が進むと、南極の氷の一部が崩壊して海に投げ
出される。そのため、世界の海面が急に5メートルも高くなる
ような現象が21世紀のうちに起こる」
と発表して、世界を震撼させました。
また、「ちょうど12万5000年前、最後の間氷期のさなか
に西南極氷床が崩壊し、海面水位が5~6メートル上昇したが、
同じことがこれから100年ほどのうちに急激に起こるかも
しれない」と警告しています。
彼は「その根拠は棚氷の崩壊の危険性である」として、次の
ように説明しています。
巨大な棚氷が、南極のロス海やウェッデル海の奥に存在して
いる。
それらは、内陸側の片端が支えられているだけで海へ張り出
していて、壁に取りつけた棚のような状態で極めて不安定で
ある。
この棚氷の一部は、現在、海中から突き出た岩礁に座礁して
いて、氷床が海の方へ急速に流れ出ないようにブレーキが
作動している状態になっている。
温暖化が進み海水温度が高くなると、熱膨張のために海面が
高くなる。
その結果、棚氷は岩礁での座礁から解放される。
この状況では、南極内陸部からの氷の流れに対してブレーキ
が働かなくなり、内陸の氷が海の方へ急速に移動して、海中
へ流れ込むようになる。
そんなバカなと思うかも知れません。
しかし、「地球温暖化で海水温度が上がって、海底に大量に
沈んでいるシャーベット状のメタン(メタンハイドレート)
が融けて、ガス状になって大気中に吹き出してくる。そう
なると温暖化のスピードが10倍以上になる」という説が
NHKテレビで取り上げられたことがあります。
もしこの説が正しければ、マーサ氏の警告が現実となる可能
性が高まるでしょう。
■温暖化予測の落とし穴
◆酸性雨は地球温暖化を妨げる?
IPCCは「21世紀末までに気温が最高5.8℃、海面が
最大88センチ上昇する」としています。
実はこの値は、発表のたびに変わっています。
1990年の予測では
「気温は3~4℃、海面は65センチ~1メートル上昇」
というものでした。
しかし、95年の予測では
「気温が約2℃、海面が約50センチ上昇する」
と下方修正されました。
下方修正の理由は、
「工場などから排出されるエーロゾル(酸性雨のもとになる
硫酸微粒子など)が太陽光を散乱し、気温上昇を抑える効果
を新たに考慮したため」
ということでした。
つまり、
「酸性雨は地球温暖化を妨げる」
と仮定しているのです。
ただし、エーロゾルの排出量を1990年の水準に押さえると、
最大4.5℃の温度上昇が引き起こされるとしていました。
この場合、約1メートルの海面上昇が引き起こされると見
られていました。
これは、エーロゾルの発生が1990年水準を下回れば、
より大きな温度上昇と海面上昇がもたらされる可能性が
あることを意味しています。
そして最新のレポート(第三次レポート)で、上述のように
「21世紀末までに気温が最高5.8℃、海面が最大88
センチ上昇する」と再度上方修正されたのです。
この理由はまさに、公害防止技術の進展や東南アジアの景気
停滞(当時)などで、硫酸微粒子が5年前の予測よりかなり
下回る可能性が強まったからです。
確かにこの「硫酸微粒子の仮説」は、現在の温度上昇などを
うまく説明することができます。
しかし、意味をよく考えて用いなければ、将来的に大きな
問題を引き起こす可能性があります。
「もし公害防止技術の進歩によって硫黄酸化物の排出が
止まった際には、温暖化が加速されることになる。だから
ある程度の酸性雨は許容すべきだ」
「温暖化防止のために硫酸微粒子が有効である」
など、本末転倒した結論が出てくることになりかねないから
です。
実際に、IPCCに対して
「火山噴火による冷却効果をまねて大気中に硫酸微粒子を
放出する」
という提案が出されているそうです。
IPCCは、
「このような方法は一般的にいって、効果が少なく、維持に
高い費用がかかり、多くの場合ほとんど理解されていない
深刻な環境などへの影響がある可能性が高い」
としてこの案を否定しています。
と言うより、このような案を出す人が存在することに驚きと
戦慄を覚えます。
◆酸性雨は地球温暖化を加速する
中国の桂林、雲南省の石林、イギリスのドーバー海峡の
ホワイトクリフなどは、巨大な炭酸カルシウムの層で
できています。
この層に酸性雨が降り注ぐと、炭酸カルシウムが分解して
膨大な量の二酸化炭素が発生するかもしれません。
この二酸化炭素は、地球温暖化のスピードを著しく速める
可能性があります。
このように酸性雨は、太陽光を散乱することで一時的に
地球の温度を下げることもありますが、やがて地球温暖化
を加速することになると考えられるのです。
◆さらなる気温上昇を覚悟しよう
現実問題として、「酸性雨(エーロゾルの影響)」を考慮
するのは仕方ないでしょう。
しかし、地球温暖化への対応が遅れ、最悪の状況になりそう
なとき再浮上するであろう「硫酸微粒子の大気圏放出」という
手段は絶対に避けなければなりません。
そこでリスクを最大限に低減するためには、より厳しい
シナリオを前提に対策を講じる必要があります。
現状で考慮すべき「より厳しいシナリオ」として、
「2100年に気温6~7度、海面水位1m以上上昇」
と考えるべきだと思います。
第三次レポートをよく読むと、5.8℃上昇というシナリオ
も「新技術や高効率化技術が急速に導入される未来社会」を
前提にしています。
硫酸微粒子などの汚染物質を除去する技術(公害防止技術)
の進歩に比べて、温室効果ガスを低減させる技術は遅れて
いるのが現状です。
特に二酸化炭素の大幅低減技術はまだまだ年月がかかりそう
です。
そしてその間の、公害防止技術の技術革新によって酸性雨が
克服された場合、より大きな気温と海面水位の上昇があり得
ると覚悟しなければなりません。
大気中に放出されたエーロゾルの影響は長くても1年しか
続きませんが、温室効果ガスは数十年から数百年(長いもの
では数万年)も大気中に留まります。
これは、数十年後に資源の枯渇などによって化石燃料の使用
が止まったとき、温暖化がかえって進行するという皮肉な
結果となることを意味します。
だからこそ、温室効果ガスは直ちに、しかも大幅に削減しな
ければならないのです。
◆酸性雨は地球温暖化を加速する
中国の桂林、雲南省の石林、イギリスのドーバー海峡の
ホワイトクリフなどは、巨大な炭酸カルシウムの層で
できています。
この層に酸性雨が降り注ぐと、炭酸カルシウムが分解して
膨大な量の二酸化炭素が発生するかもしれません。
この二酸化炭素は、地球温暖化のスピードを著しく速める
可能性があります。
このように酸性雨は、太陽光を散乱することで一時的に
地球の温度を下げることもありますが、やがて地球温暖化
を加速することになると考えられるのです。
◆さらなる気温上昇を覚悟しよう
現実問題として、「酸性雨(エーロゾルの影響)」を考慮
するのは仕方ないでしょう。
しかし、地球温暖化への対応が遅れ、最悪の状況になりそう
なとき再浮上するであろう「硫酸微粒子の大気圏放出」という
手段は絶対に避けなければなりません。
そこでリスクを最大限に低減するためには、より厳しい
シナリオを前提に対策を講じる必要があります。
現状で考慮すべき「より厳しいシナリオ」として、
「2100年に気温6~7度、海面水位1m以上上昇」
と考えるべきだと思います。
第三次レポートをよく読むと、5.8℃上昇というシナリオ
も「新技術や高効率化技術が急速に導入される未来社会」を
前提にしています。
硫酸微粒子などの汚染物質を除去する技術(公害防止技術)
の進歩に比べて、温室効果ガスを低減させる技術は遅れて
いるのが現状です。
特に二酸化炭素の大幅低減技術はまだまだ年月がかかりそう
です。
そしてその間の、公害防止技術の技術革新によって酸性雨が
克服された場合、より大きな気温と海面水位の上昇があり得
ると覚悟しなければなりません。
大気中に放出されたエーロゾルの影響は長くても1年しか
続きませんが、温室効果ガスは数十年から数百年(長いもの
では数万年)も大気中に留まります。
これは、数十年後に資源の枯渇などによって化石燃料の使用
が止まったとき、温暖化がかえって進行するという皮肉な
結果となることを意味します。
だからこそ、温室効果ガスは直ちに、しかも大幅に削減しな
ければならないのです。
■私たちにできること
◆便利快適な暮らしを見直そう
「夏は涼しく、冬は暖かく過ごしたい」
「もっと速く、もっと遠くまで移動したい」
「もっとおいしいものを食べたい」。
このように人間は、自然のあり方とは反対方向に進もうと
しているようです。
自然と反対の方向に進もうとするから無理をする。
無理をするとき、人間の力では限界があるからたくさんの
エネルギーを使う。
エネルギーを使うと二酸化炭素が増え、温暖化が進む。
確かに二酸化炭素の排出量は、経済や生活のレベルが上がる
ほど増えています。
経済や生活のレベルを上げるということは、便利快適を追求
し続けるということにほかなりません。
やはり、地球温暖化の根本原因は、特に先進国の人間の便利
快適志向にあるようです。
ひとり当たりの二酸化炭素(温室効果ガス)の排出量を見ても、
先進国はインド・中国などの十倍から数十倍も多いのです。
日本は過去40年間で電気の消費量が20倍、自動車の数が
50倍も増えました。
しかも、先進国はさらに経済拡大を目指し、発展途上国も
先進国に仲間入りしようと「追いつき、追い越せ!」を
スローガンにして頑張っています。
このままでは、地球温暖化のスピードがますます速まること
は確実です。
ここで、「地球温暖化で水没の危機にさらされるモルジブ
など小さな島国の人たちは、もともと二酸化炭素をあまり
出していない」ということに、注目してください。
そこに住む人たちは、
「もし私たちが、二酸化炭素を先進国並みに排出していて
国が沈むのならば自業自得でしょう。しかし、私たちの国
には車も工場も少なくて、ほとんど二酸化炭素を出して
いません。
どうして私たちの国が、大量の二酸化炭素を排出している
先進国によって沈められなければならないのですか」
と訴えているのです。
私たち先進国の人間は、この声を真剣に受け止めて、
「もし自分の国がそのような状況だったらどうしよう?」
と考える必要があります。
私たちは、便利快適の暮らしを早急に見直さなければなら
ないのではないでしょうか。
◆二酸化炭素の9割削減は可能か?
では、地球温暖化を止めるために、私たちは何をしなければ
ならないのでしょうか?
IPCCは、『地球温暖化第二次レポート』レポートの中で
次のように言っています。
二酸化炭素濃度を現在のレベルで安定化させるためには、
そのレベルをただちに50~70%削減し、さらに削減を
強化していく必要がある。
1997年に京都で開催された「地球温暖化防止会議(正確
には、気候変動枠組条約第三回締約国会議)」で、
「2010年前後に温室効果ガスを先進国全体で1990年と
比べて5.2%削減する」ことになりましたが、この程度では
焼け石に水なのです。
1995年からすでに10年たっているので、いまの時点
で考えると80%くらい二酸化炭素を削減しなければなり
ません。
しかも、IPCCは「さらに削減する必要がある」と付け
加えています。
これらのことを考え合わせると、途上国の数十倍の二酸化
炭素を放出している先進国は、現在の10分の1まで削減
する必要があります。
つまり、9割削減です。
そして、中国を中心とする途上国の温室効果ガス排出量も
著しく増加しています。
京都議定書を無視したとして多くの人がアメリカを批判
していますが、(無視したことは大問題ですが)同国の
主張のひとつである「途上国も参加しないと意味がない」
というのもまた事実なのです。
近い将来、何らかの形で参加してもらわねばなりません。
もし、これができなければ、地球は破局を迎える可能性が
大きいのです。
ひとり人の人間は、水の小さな1滴みたいなものです。
しかし、1滴の水が集まって海になるように、心をひとつに
して知恵を出し合えば、きっと素晴らしい解決策が生まれる
と思います。
それにはまず自分から・・・・知ったことを周囲の人に伝える
ことから始めてみてはいかがでしょうか。
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