聞こえていない?難聴の疑い



保健婦さんは、Bがおもちゃのラッパの音や、スズの音に反応しないことが気になるらしい。「再検査しますからね、この日に来てください。」小さなザラ紙、かすれた印刷。コピーをコピーしていくうちに印刷が悪くなったらしい。

再検査を言い渡された人は皆暗い顔をしていた。私は「印刷が悪くなるほど大量に必要になるんだから、異常がない子どもにも配っているに違いない」と思い、気にはならなかった。

再検査の時にBの機嫌が悪くないといいな、ということと、Aのお迎えに差し支えない時間までに終わるといいなということしか頭になかった。

Bは再検査の日もいい反応をせず、再々検査を受けることになった。
どこがどう違うのか私にはわからなかったが、この検査の日に「現段階では難聴と断定はできない」というグレーな判定をもらい、もう検査には来なくていいことになった。

「変わったことがあったら、すぐ来てくださいね。」私がBの風変わりな性癖を説明しても、「大丈夫です。」と断言した人たちが、「音を聞いても反応しない」と言うだけで大騒ぎをする。この人たちにとって「変わったこと」って一体何なんだろう。

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: