今が生死

今が生死

2012.09.29
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カテゴリ: 政治
今NHKの衛星放送で周恩来の知られざる素顔という番組を見終わったところである。周恩来が総理をしていたとき毛沢東が扇動した文化大革命が起こり、紅衛兵が決起して何百万人という群衆が造反有利を叫び、古いものを壊し、権威ある社長や学長、上司を次々に吊るし上げ北京市長や副総理、さらには国家主席まで逮捕する大暴動に発展していた。毛沢東夫人紅青はあらゆる手を使って周恩来をも失脚させる方法を探っていた。

毛沢東語録に反する発言をしただけで国権の最高位にいる人でも1夜のうちに群衆によって引き倒され踏みつけられる時代であった。周恩来は腕に紅衛兵の腕章を巻いて毛主席の言葉には従いますと言っていたが、このままでは若者が国中で暴れ回り、生産が止まり餓死者がでると考え何とかして職場に戻って生産についてもらいたいと考え、あらゆる場所、あらゆる機会に紅衛兵の大群に語りかけてきた。

共産党の先輩、同僚が次々と紅衛兵の餌食になり、国家主席も幽閉されて死亡している。国家主席が一番偉い人かと思ったら毛沢東主席(党主席)が最高の人物でその人の意に背く人はことごとく火祭に挙げられた。ナチスのヒトラーも民衆を動かして民衆自身やユダヤ人を悲惨な目に合わせているが、毛沢東もそれに匹敵するほど悪い人物だった。それはあまり語られていないがこの番組を見てカンボジアのポルポト、ソ連のスターリンと並んで極悪人だったことがよく分かった。彼らは共産主義という自分の主義主張、信念を貫いたが、人々の幸せや繁栄よりも共産主義が大事だとして大切なものを破壊し、知識階級や裕福な者、自分の意に反する者を容赦なく殺していった。主義のためには人命はどんどん消していってよかったのである。

周恩来もまかり間違えば葬り去られる状態だった。でも自分まで消されてしまったらこの国はどうなることかと心の底でしっかり考えていた。紅青はしっぽを捕まえようと躍起になっていたが表面では毛沢東に全面的に従う姿勢を示していた。そして紅衛兵などに捕まえられた幹部たちをあらゆる手を使って守ってきた。手遅れで殺されてしまった幹部もいて、周恩来は自責の念に苦しめられたりした。

周恩来も毛主席の指導に反対するものではなかったが、文化大革命における紅衛兵の暴動は何とか収めて国土を再び安定化させたいと思っていた。彼は同士が次から次に紅衛兵に捕まえられていくなかで、毛沢東に従う振りをして生きながらえている自分を外からは卑怯者とみられていることも知っていた。

このやり方は間違っていると言って捕まった方が潔いとも思ったが国を思う力が彼を引き止めた。卑怯者でもなんでもいい、何とか生きながらえて国のために尽くしたいとの気持ちが最後には勝利して、今日の近代中国の礎を作った。国のため、国民のために生き抜いた偉大な人だったなと思った。





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Last updated  2012.09.30 08:05:07
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