今が生死

2018.11.27

母の教え

(4)

テーマ：感謝と祈り(27)

カテゴリ：教育

廊下やトイレでゴミが落ちていると大概の人は拾うと思うが私も拾う。たまに見過ごして通り過ぎると心が苦しくなる。
母は農家に嫁に来る前は女工として製糸工場に勤めていた。その工場での体験なのか自分や友人が入社試験を受けた時の体験なのか状況はよく分からなかったが、或る試験場でわざと廊下にゴミを落としておいてそこを通って試験場に入ることになっているがそのごみを踏みつけて通るかよけて通るか拾うかで点数が異なり、拾った人が合格になったのだよと子供の時から何度も何度も聞かされた。筆記試験や口頭試問もあったかもしれないがそれより人が見ていないところで（実際には試験官がどこかに隠れていてこっそり見ていた）どのような行動をするかで人は評価されるのだよということを教えてくれたのだと思うが、ごみを見るといつも母を思い出す。小学校を卒業するとすぐお子守りや製糸工場等で働き学歴はなかったが本を読むのが好きでジャンバルジャン（ああ無情）の話を良くしてくれた。
大きくなってからのことで印象に残っているのは、国立甲府病院に５年務めた後博士号をもらうために北里大学病院に研修医のような形で就職した時のことである。胃カメラ研修の時一緒に研修している仲間は北里大学を卒業したばかりの若い研修医である。私は他の病院の勤務を経てからの研修なので３５歳を過ぎており、年齢的ギャップを感じて精神的に辛いことがあった。そのことをたまたま相模原まで来てくれていた両親の前で話したら母が「そんなことはすっかまっちょし」と言ってくれた。勉強するのに年齢差なんか関係ない。ということに気づき、以後は年齢のことは気にしないで研修することが出来た。母には様々な恩義を受けたが自分はといえば全く報いていない。晩年入院していた時などお世話できればよかったがそれも殆どできなかった。そのことを思うと悲しくなるが、その教えに忠実に生きることがせめてもの恩返しと思って廊下や道に落ちてるゴミは拾っていこうと思う。

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Last updated 2018.11.27 22:37:13
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■コメント

Re:母の教え(11/27)

moto，jc さん

おはようございます
数学や国語　体力テストも重要ですが　もっと人間的なことを学ばなければなりませんね　ゴミを落とすことはあっても拾うのは少ないのでしょうね (2018.11.27 22:56:14)

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人間的な教育

楽天星no1 さん

moto，jcさんへ

「数学や国語　体力テストも重要ですが　もっと人間的なことを学ばなければなりませんね」

昔は修身という科目があり、母のような昔の人は修身を学んでそれを子供に伝えてきたのだと思ます。ゴミのことも修身の教えの中にあったのかもしれません。今の子供は学力とか音楽とか英語とかスポーツには熱心ですが修身は全くしていません。修身を復活するというと軍国主義復活だといって大反対されます。軍国主義を除いた自分の身を修めることは私は必要だと思います。今は道徳と言う教科はありますがこれは国語や数学と同様に知識科目で自分達を修めるのとは違うと思います。モトさんが言うように知識科目だけでなく、人間性を高める教育が必要だと私も思います。 (2018.11.28 19:06:26)

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Re:母の教え(11/27)

ご隠居さん

私はつくづく幸せ者と思います。母が21歳の時生まれたのが私ですから、私は今
73歳、母は今94歳、正月過ぎには95歳になりますが健在です。母親が健在の友人なんて探しても周囲には居ません。昨年母が部屋で転倒して大腿骨を骨折して3ヶ月半の入院とリハビリをしましたが、今も元気で週4日のデイサービスに行ってます。補助具は使いますが歩くには支障がありません。脳トレーニング本が好きで、私がスマホを片手にしないと解けないような問題もスイスイ解いてしまいます。苦労人の母親には尊敬と感謝の念が有り、実体は中々伴いませんが親孝行が出来る幸せを感じています。昨年までは母親と晩酌を共にしていましたが、入院以来飲みません。ですから食事をしながら談話をします。耳が遠いので簡易な会話ですが、兎に角健康で来年も変わること無く共に良い正月を迎えたいと願っています。 (2018.11.29 00:23:10)

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Re[3]:母の教え(11/27)

楽天星no1 さん

ご隠居さんへ
その歳で母親が健在なんて滅多にいません。母についブログを書いていた時ご隠居さんの事を思いました。お大事にしてやって下さい。 (2018.11.29 13:25:13)

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