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いなかの猫の天邪鬼部屋
第15話
OnAir~シーズン3・第15話~
#通り
(セアとユミ、歩いて行く。セアの電話が鳴る。)
セア : (発信者を確認する) はい、ユン・セアです。
ヨンウン : 私です。ソ・ヨンウン。
セア : はい。どうされたんですか?
ヨンウン : ええと...もし良かったら、今週土曜日の夕方、時間をちょっと割く事は出来る?
セア : 土曜日ですか?(ユミを見る)
ユミ : ??
ヨンウン : ええ。夕食を一緒に食べられたらと思って。
セア : 夕方ですか...?
ヨンウン : 問題ないでしょう?久しぶりに何かちょっと作ってみようかと思って...どうせ作るなら分け合って食べればいいじゃない?
セア : (笑う) そうですね。特に忙しい仕事もないと思います。
ヨンウン : あ...忙しい仕事があっても来て。一人で居るのでしょう?一緒に夕飯を食べましょう。
セア : はい、ありがとうございます。そうします。
ヨンウン : さて!....セアさんの得意料理はある?私はとても久しぶりだから不安で...
セア : 私、料理は苦手ですが...
ヨンウン : そう?それじゃ食べに来るだけでいいわ。待ってるから。あ、そうだ...仕事部屋に来てね。6時。
セア、 : はい。(電話を切る)
ユミ : 誰なの?
セア : (見て苦笑する)....ああ...
ユミ : (首を傾げる)...
#コーヒーショップ
(セアとユミ、座っている。)
ユミ : 誰?..... それじゃ、彼の奥さんという事?
セア : (肩をすくめて) うん...
ユミ : あなた、無謀じゃない?分かっちゃうわよ。
セア : (苦笑) もう分かってるのよ。
ユミ : 誰が?その女が?
セア : (頷く)...うん。
ユミ : (目を丸くして) ....大丈夫なの?あなたも、その女も..
セア : (息を吸い込んで)...大丈夫だと思うわ...もうある程度整理も出来たし...
ユミ : (不審な) ...そう?.....つまらないわ。
セア : (目を細く開いて見る) 何が?
ユミ : こういう事は、道徳を頭から切り離して争えば面白いのに....惜しいわ。
セア : (ため息をつく)...あなたは率直過ぎて恐ろしいわ...
ユミ : 自分でも分かる。それで友達がいないんじゃないかしら?あなたしか。
セア : (睨む)私だって付き合いたくて付き合ってるんじゃないのよ。だから手加減して~。
(ユミ、笑う...)
#金曜午後、ギョンミンとヨンウンのアパート
(ヨンウン、キッチンで忙しい。オキシム、横で不安な目で見守る。)
オキシム : 大丈夫?そんな事をして火傷でもしたらどうするの?
ヨンウン : (振り向く) お母さん...私、全く出来ないわけじゃないんですよ。仕事をしているうちにやらなくなったけど、元々家事をするのは......(口をつぐむ)
オキシム : (見る。口をつぐむ).....分かったわ。それじゃ一度やってみて。(キッチンから出る)
ヨンウン : (やや苦い笑い) ....
#夕方、ギョンミンとヨンウンの食卓
(ギョンミン、チュニ、オキシム、食卓に座っている。食卓に食事の用意がされている。)
ギョンミン : これを君が作ったんだって?
ヨンウン : (黙って頷く) ....
オキシム : 本当だわ。私は今日一度もキッチンに入らなかったわ。
チュニ : (ギョンミンを見る) ママは元々こういう事をよくするんだよ。忙しくない時はよくママのご飯を食べていたんだけど...
ヨンウン : (照れくさそうな笑い) 凄く久しぶりに作ったから、出来はどうか分からないわ。
ギョンミン : (オキシムに) 食べてください、お母さん。(チュニに) チュニも食べて。
チュニ : 先に食べて。
ギョンミン : (チュニを見て口の片端を上げる。' スキのない奴')..
オキシム : (箸を持ち、味わう)...悪くないわ。
ギョンミン : (不審な) 本当に?
チュニ : (ギョンミンをじっと見る)....
ギョンミン : (チュニを見る)...何だよ。
チュニ : (情けない表情で頭を傾ける)...本当にママを愛してる?
ギョンミン : (箸を口に持って行って咳をする) ごほんごほん......何???
チュニ : 愛していれば、何でも美味しく思わないとならないんじゃない?僕はミンジが茹でてくれるラーメンが一番美味しいけど...
ギョンミン : (呆れた目で見る)....
オキシム : (横で笑い堪える)....
ヨンウン : (情けない表情に笑いが裂ける)プブ-
#ギョンミンとヨンウンの寝室
(ベッドに座ったヨンウンの肩に触れるギョンミン。)
ヨンウン : (大きくため息をつく) ハ~...そうなのよね...
ギョンミン : (見る) ..何が?
ヨンウン : 私が理解しないとならないのよね。子供だってそんな事は分かるわよね。
ギョンミン : (小心になって) ..何が....?
ヨンウン : (言葉に棘がある) 世界で一番美味しいものは自分の女が作ってくれるもの?確かに舌は正直だけど...
ギョンミン : (真意が読めずため息をつく) 何が言いたいんだ?
ヨンウン : 別に...そういう事...私の作った物がまずいと言われても、あなたの愛が冷えたとは考えないから....
ギョンミン : 美味しかったよ!凄く美味しかったよ!
ヨンウン : (振り向く) それなのに試食しないと分からないの?まずそうに見えても美味しく食べてくれないとならないんじゃない?それを舌で確認してみないとならないの?(後ろ向きに座る) 一体どこを見て私を愛してると言うの?
ギョンミン : (呆れる) ハ...まったく.....
ヨンウン : (まだ口を尖らせている)...
ギョンミン : .... (ため息をついてヨンウンの顔を見る) 俺が悪かった。うん?あれは普段ちょっとしか...あまりにもしないから本当に出来ないんじゃないかと思ったんだよ~。
ヨンウン : (頭を回して睨む) 私に料理をする暇がある?ずっと病院にいたし、仕事で忙しかったし、お母さんがあまりにも上手だからキッチンに入ればむしろ邪魔になるかと心配だから控えてたのに、何?普段ちょっとしか?
ギョンミン : (目を閉じる) ごめん...そこまで考えられなかったんだ。ごめん。
ヨンウン : (悲しい) 人を身重にさせて、大変な思いをさせておいて...(口をつぐんでハーハーする)...
ギョンミン : (本当にすまない) .... ごめん、俺が悪かった。大変な思いをさせておいて、俺が至らなかった。な?
ヨンウン : (目に涙を溜める) ....
ギョンミン : (涙を見てどうしていいか分からない) どうして..泣くんだ?俺が辛くなるよ...
ヨンウン : .........(べそをかく)
ギョンミン : (ため息をついてヨンウンを抱く) は...本当~に、ごめん。俺は死ぬべき男だ...
ヨンウン : (横目で見る) オーバーね...
ギョンミン : オーバーじゃないよ。本当に死にたいよ。自分の女を泣かす奴は死ななければならない。
ヨンウン : (呆れる) まったく... それって私に寡婦になれって事?子供が二人いる?どうしろと言うの?
ギョンミン : (すまない笑い) 許してくれるならちょっと考えてみるさ...(舌を出す)
ヨンウン : (睨んでいるが、途中から笑い滲む) ああ~~ 小憎らしい!
#土曜日、ヨンウンの仕事部屋
(ヨンウン、玄関を開ける。セア、入って来る。)
ヨンウン : いらっしゃい。早かったのね。
セア : お元気でしたか?お招きいただいてありがとうございます。手伝って差し上げる事がないかと思って..
ヨンウン : あら、ありがたいわ。実は一人でちょっと忙しかったから..
(二人キッチンに向かう。ヨンウン、セアにエプロンを渡す。)
ヨンウン : (見て笑う) こんな物まで準備して、何が'食べに来るだけでいい'よね?私の補助作家が使っている物なんだけど。
セア : (笑いながら受ける) せっかくですからしっかりやります。そうだ...ワインを持って来たのですが..白ワインです。
ヨンウン : まあ。
セア : それから (買い物カゴを持って) これです。
ヨンウン : うん?それは..?
セア : 海鮮スパゲッティを作ろうと思って少し準備して来ました。他の物はあまり作れませんが、パスタはよく作るんです。
ヨンウン : (嬉しい) そう?良かった~。パスタは準備していなかったから。
(二人ともキッチンで忙しい。)
ヨンウン : ここは仕事部屋だからどうしてもキッチンがちょっと使い辛くて...狭いのよ。
セア : (笑う) 一人ならいいですが..二人だと確かに狭いですね。何人分準備するんですか?
ヨンウン : これ全部料理したら...6人?いえ7人分かしら?
セア : それでは、まず4人分だけでいいのでは?
ヨンウン : ええ、そうね。
(しばらく後)
(居間でソクヒョンとギョンミン、座って話し合う。ヨンウン、セア、ヒョンス、食卓を準備するのに忙しい。)
(呼び鈴が鳴る。ギョンミン、立ち上がる。)
ヨンウン : (ビクッとする) ちょっと待って。私が出るわ。
ギョンミン : (見る)...え?
ヨンウン : (目を丸くしてギョンミンを目で制する)..
ギョンミン : (怪しげな。独り言で)..どうしたんだ?
ヨンウン : (玄関に行ってから思い出したように) セアさん、ちょっと手伝って。
ギョンミン : (座ろうとしてまた腰を上げ、ヨンウンを見る)...?
セア : (キッチンから出る) え?
ヨンウン : (手を上げて) 今私、手が離せないから..セアさんがドアを開けてくれる?(ボタンを示す) これを押せばいいから。
セア : (近付く) はい...
(ヨンウン、すぐにキッチンに行く。セア、ドアを開ける。門の外にサンウが立っている。セア、サンウを見て固まる。サンウ、セアを見て驚く。二人、顔を見合わせて固まる....)
(原作出処:
sonkhj1116さんのブログ
)
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