いなかの猫の天邪鬼部屋

第33話

OnAir~シーズン3・第33話~


#ギョンミンとヨンウンの寝室

(ギョンミン、ベッドの上に伏せてベビーベッドを見ている。)

ギョンミン : (ウンミンを見下ろして) 天使だ...

ヨンウン : (微笑む) 世界中の全ての赤ん坊がそうなのよ.... 。世の中には赤ん坊の数だけ天使が存在する....(急に憂鬱そうになって)これは盗作ね...

ギョンミン : (笑う) 作家本能.....

ヨンウン : だけど本当にそうだと思わない?何も分からないこの時は本当に天使みたいで。

ギョンミン : 昔の名画でも天使は主に赤ん坊の姿じゃないか。何だっけ?ビーナスの誕生?

ヨンウン : いいえ...それじゃなかったと思うわ。...何だか赤ん坊の天使が似合わない絵じゃなかった?

ギョンミン : ...そうなのか?

ヨンウン : とにかく天使を説明するには赤ん坊ほど適した比喩はない...と思うわ。

ギョンミン : 反対じゃなくて?

ヨンウン : (見る) 何が反対なの?天使は見た事がないのに、分かる事で分からない事を説明するのは....

ギョンミン : (頷く)そうだな...

ヨンウン : 今日はちょっとコンディションが低調のようね。久し振りにあなたと闘うつもりだったのに。

ギョンミン : (ウンミンを見てボーッとしている) 今日じゃなく.....今だろう...

ヨンウン : どうして今なの?

ギョンミン : .....やる気がなくなった....頭が回らないや....

ヨンウン : (眉間をしかめながら見る) 何??

ギョンミン : (見る) 眠い.....(伏せたまま目を閉じる)

ヨンウン : (見て苦笑する) .....誰が赤ん坊ですって?....自分がもっと赤ん坊みたいじゃないの.....

(ヨンウン、微笑んでギョンミンの裸の体に布団を掛けてやる...(意地悪く脱いだ事を強調する作家......^^;;)


#翌日、ギョンミンとヨンウンのアパート

(居間のソファ-にヨンウンとセア、座っている。)

セア : 前もって差し上げなければならなかったのに、申し訳ありません。

ヨンウン : いいえ。あなたたちは大変だったんだから....ありがとう。...(微笑む)見てもいい?

セア : (笑う) 見て下さい。小さな物です。可愛いと思いますよ...

(ヨンウン、包装を開けて見る。綺麗なピンクのワンピースが入っている。同じ色の履き物。)

ヨンウン : 可愛い!うわぁ。

セア : お気に召しましたか?赤ちゃんの服は買った事がなくて...

ヨンウン : とても気に入ったわ。着せてみたい。(見る) 今着せてみる?

セア : はい。私も見たいです。

(しばらくしてウンミンにワンピースを着せて楽しそうなヨンウンとセア。ウンミン、心地良くないのか泣き面。)

ヨンウン : ああ~ 可愛い。

セア : とても可愛いです。.....だけど.. ウンミンはそれほどじゃないみたい...

ヨンウン : (見て笑う) 子供が何を分かるの?大人が楽しくて着せてるんだから...

セア : そうなんですか?赤ちゃんも楽しければもっといいんですけど.....

ヨンウン : (ウンミンを抱いて微笑む) 見たら、どう?

セア : え?...可愛いですけど。

ヨンウン : (笑って見る).......彼は、どう思うかしら?

セア : (目を大きく見開く)..........(はにかんで微笑む)はい。

ヨンウン : セアさんの赤ちゃんもとても可愛いでしょうから...

セア : (頭を下げて笑う).....

ヨンウン : 早く結婚しなさいと。本当にダメね。二世を産んじゃうのも方法の一つなんだから....(首を横に振る) いいえ。私、今何て言ったの?...?この考え無しめ...(簡易ベッドにウンミンを寝かす)

セア : (視線を下げたまま) それもありですね...

ヨンウン : (乗り気になる) え?そんな事が出来る?チン代表がそうしようって?

セア : (笑う) いいえ。彼はダメだって......

ヨンウン : ...ダメだって?

セア : ...はい。

ヨンウン : ...たしかにそれは正しい言葉ね....

セア : .......

ヨンウン : 家にはまだ分かっていないの?

セア : はい。分かったら何が起こるか....。姨母夫はまだ待っています。

ヨンウン : ...カン局長.....チン代表の事はやっぱり?

セア : (苦々しげに笑う)...はい。

ヨンウン : 一度受けた印象は変えにくいものよ。カン局長の気持ちも理解出来るけど...これはチン代表が解決しないとならない宿題のようね...

セア : (見て笑う) あの.......

ヨンウン : うん?

セア : やっぱり悪い事をして生きていてはいけないんだと思います...ブーメランですね。

ヨンウン : うん?...... (眉間をしかめて笑う) セアさんがそんなふうに言うと狼狽するわ....

セア : (笑う) 事実じゃないですか。彼は...悪い人じゃないですか。

ヨンウン : (笑う目) そうね。だけど...この痛快さは何かしら?クックックックッ...(笑いが裂ける)

セア : (ヨンウンの姿を見てため息をつく) ....そんなに可笑しがられるとは思いませんでしたけど.....本当に悪い人みたいだから....

ヨンウン : (笑って様子をうかがう) ...いえ、極悪人とは違うでしょう....

セア : はい?

ヨンウン : (笑う) いえ、だから...(また笑いが裂ける)...どうしましょう?....私がこんな反応をした事、チン代表に言わないでね。すねちゃうだろうから...

セア : (無情な目) 彼じゃなくて私がすねると言ったら?

ヨンウン : (急に真顔になって) うん?...ごめんなさい.........クックッ。(笑いを堪える)....私どうしよう~~~~(わあと叫ぶ....)

(セア、呆れた目で見て一緒に笑う....)


#10月、セアのミニシリーズ'奇蹟'初撮影の日、撮影場所

(セア、車中。撮影場から離れた所で見ている。)

(昼休み。ジウンの電話が鳴る。)

ジウン : キム・ジウンです。

セア : こんにちは。ユン・セアです。お疲れ様です。

ジウン : うん?....ユン作家...どこですか?

セア : 朝から見ていました。申し訳ありません。大変ですよね?

ジウン : (苦笑) 不便ではありません。それでもメールで議論出来て良かったです。

セア : 本当に申し訳ありません。

ジウン : ...終わるまで現われないつもりですか?こういう状況が笑い物なのは御存知でしょう?

セア : はい、話にならないのは分かります。申し上げる言葉もありません。...本当に~ 私が必要ならこの番号に連絡下さい。他の人には分からないようにして下されば...

ジウン : そうします...まだ大丈夫です。なにしろト書きが几帳面なほど少なくて、それがちょっと不満ですが...

セア : (笑う) 申し訳ありません。よく意見交換が出来ないから...書けば良かったですね。特にこだわらないで下さい。...感じだけでやっていただけたらいいんです。

ジウン : はい。そうします。ずっと見ているんですか?

セア : もうちょっとしたら帰るつもりです。作業しないと。


#11月、セアのミニシリーズ初放送の日、サンウの部屋

(一人用ソファ-に重なって座ったサンウとセア、TVを見る。)

セア : 重くない?

サンウ : (ドラマを見る) まだ大丈夫....

セア : まだ?

サンウ : ......ああ。足が痺れ始めたら言うよ...(片手で腰を抱く)

セア : (見て苦笑) .....(TV見る)

(しばらく後、ドラマが終わって...)

サンウ : (片手で顎を支えている).....

セア : (見る).......どう?

サンウ : (見る)........

セア : ....ねえ。

サンウ : (一方の口角を上げて苦笑する) ...あれは俺か?

セア : (舌を出し、笑って様子をうかがう) .....ええ。

サンウ : 許可も受けないで勝手に書くのか?あんな悪い奴に?

セア : (笑いの出る唇を噛む)だけど自分だと思ったのはどうして?

サンウ : 何だ?

セア : あんな悪い奴が自分だと、どうしてそう思ったの?(横目でそっと見る)

サンウ : (目元に笑い滲む) だけど...カッコいいじゃないか....

セア : プブ- 呆れた...

サンウ : (睨む) 最後まで悪い奴としてだけ出すみたいだな...

セア : それだとどうするの?

サンウ : (意味深長な目で微笑む) あのとおりにしてやらないとな....

セア : (頭を回して見る) うわ、恥知らず...

サンウ : 俺は元々恥知らずだよ。知らなかったのか?

セア : いいえ。知ってたけど、改めて....(見る。笑い滲む)

サンウ : ユン・セア....変わった趣味だな....。どうしてこんな悪い奴に惚れるんだ?

セア : 私、元々平凡なのは嫌いなの。

サンウ : それじゃ俺はずっとざらざらしてつやがないようにふるまってやろうか?平凡なのが嫌いなら。

セア : え?(瞬き) いつもそればかりはイヤ。たまになら大丈夫。スリルがあるでしょう?

サンウ : (さらう) ....今は?

セア : (じっと見る) 願いどおりにしてくれるの?

サンウ : ああ...

セア : 今は(考える目) .....そのままのあなた...

サンウ : そのままの俺とは...?

セア : (サンウの唇を見て近付いて行く) 私が愛する男....(口付ける)

(サンウ、暖かい目で見てキスする.....)


#通り

(カン局長、車に乗って行く。信号待ち中。)

(横断報道を渡るセアとサンウを発見。サンウと腕を組んだセア、幸せな顔。サンウ、セアを見て笑っている。)

(二人を見守るカン局長、二人が消えた方を見る。クラクション音。カン局長、我に帰って運転する...)

(二人が消えた方に車を走らせる。通りに従って歩く二人。二人に付いて行く車。書店に入って行く二人。)

(しばらく後、書店から出る二人。書店前に駐車されたカン局長の車。車の横に立って二人を見るカン局長。)

(サンウ、カン局長を見てビクッとする。セア、サンウの視線に従って見る。カン局長、沈んだ目でサンウを見る。)

(サンウ、カン局長と顔を見合わせる。視線を下げて、また見る。淡々とした目つき......)





(原作出処: sonkhj1116さんのブログ

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