いなかの猫の天邪鬼部屋

チェ・ドウ - サイコパスICON

チェ・ドウ - サイコパスICON

"時々、とても時々、泣きたいのに、どうやって泣くのか分からない時、それが悔しい…"

血も涙もない冷酷な天才。頭脳、外貌、財力、学閥まで、何一つ不足するものない人生を生きて来た彼に欠乏しているものは、まさに'感情'だ。
彼の内面にはただ残酷な悪魔性があるだけ。大韓民国経済の中心である企業界と政治界を欲しいままにし、自分が勝つ事だけを目標に他人を踏みにじる。
だが、彼の前に'キム・シン'が現れ、彼との対決が徐々に'ドウ'を刺激する。
分かるような分からないような蠱惑的な女'ギョンア'も同様なのか。彼の残った人生を変える激突の瞬間が近付いている。


金の無い幸福?金が即自由であり幸福だ!
IQ170の冷血漢、今や世界を持つ!


感情と間違いが存在しない完璧な世界
チェ・ドウの世界は、彼曰く完璧そのものだった。望みさえすれば、彼は世界も持つ事が出来た。なぜなら彼は間違う事が出来ないから。彼が始めて彼が終わらせようとする事は、彼の計算通り完璧にきっちり合うから。
だが、彼の世界にも、ないものがたった一つあった。
それはまさに'感情'だった。感情がないため、彼は何でも出来、それが正しい正しくないという良心の呵責はただの一度も感じた事がなかった。チェ・ドウの世界は感情がなく間違う事がない、完璧だが暗い世界だった。

悪魔の顔を持ったチェ・ドウ
チェ・ドウの顔は、天使の仮面に隠された悪魔の顔だった。金しか知らず、他人の感情には無心なチェ・ドウは、ペクジェウォンを倒そうとギョーザ波動を起こし、自分は知り得ない数多くの人々を破綻に追い込み、キム・シンの兄の場合には死まで至らせた。
だが、彼はギョーザ波動によって人が死のうが死ぬまいが関係なかった。むしろ彼らは愚かだから貧しくなって死んでしまったのだとまで考える。
妹チェ・ウンスが刑務所でキム・シンと会ったという話に、直接彼を訪ねて行ったチェ・ドウは、キム・シンを露骨に嘲笑い、自分が愚かな事を人のせいにするのは恥ずかしいと言う。これにより、キム・シンとチェ・ドウは宿命の敵になってしまう。
こんな事もあった。彼の友達デニーが自分の会社にまで訪ねて来て彼を侮辱すると、チェ・ドウは彼を送ってやるふりをし、首を締めつけて殺そうとする。苦しそうな友達の顔を見ながらも、彼は笑いながら'良いか?'と言うほど他人の感情を認識出来なかった。

過去のトラウマ、そしてチェ・ウンス
チェ・ドウの過去は、母によって彩られていた。彼は幼い頃、病気で苦しむ母と、そんな母を放置したまま他の女と浮気をする父を目にして来ていた。一言で砕ける家庭で彼は徐々に闇に染まって行った。
そんなある日、彼は母があまりにも苦しそうにしながら薬を探す姿を見て、母に薬を置いてやる。自分がどんな事をしたのか、分かっていたのか分かっていなかったのか、彼は平安になって行く母の顔を見て微笑を浮かべる。
母の死は彼の人生のトラウマとして残り、時々彼の悪魔性が爆発する日は、常にこのトラウマが作用した。
そんな過去の傷を忘れさせてくれるのは、まさに彼の妹チェ・ウンスだった。
彼女は兄と反対に、限りなく善い人物だった。
また、彼とあまりにも違うためにチェ・ドウは彼女によって慰安を受け、彼女と居る間だけは人間になった。

ドリームチームとの一回戦、勝者は私だ
3年振りにキム・シンと再会したチェ・ドウ。キム・シンは直ぐに彼の脳裏に刻み込まれるようになる。
キム・シン、ド・ジェミョン、アン・ギョンテ、パク・ムノによって成されたドリームチームが、自分の父を相手に相当つまらない詐欺を打っている事を、彼は彼の父より早く気付く。彼は、父がこの詐欺の状況を、やられるままに放置する。
結果、彼は直接的にドリームチームと相対する事になる。
ドリームチームは、ブレーンであるアン・ギョンテを前に立て、チェ・ドウとの株式戦争を始める。
だが、チェ・ドウは父チェ会長とは違い、くみしやすい人物ではなかった。
自分の成功のためなら株価操作も躊躇わず、株式界に関する全ての事を見透かしている恐ろしい策師だった。彼はソ・ギョンアを利用して転換社債券を取り入れ、チェドンの株式数と時価総額を操作してドリームチームの資本率を下げる。そして、ソ・ギョンアが持って来た転換社債券を利用、ドリームチームの最後の希望だった株主総会まで崩し、ドリームチームを初戦を叩き壊してしまう。

2次戦争の場になった彼の王国、ネオモナコ、そして初敗北
ソ・ギョンアが彼に聞いた事があった。夢は何かと。
これに彼は、モナコが夢だと答える。7歳の時、偶然手に取った本がモナコだったと言う。
彼は、彼だけの王国ネオモナコを建設しようと、ミョンド市に元々住んでいた人々を追い出して捨てようとするが、ミョンド市の市長ヤン市長のため若干の難航を経験する。
この状況が、分裂しそうだったドリームチームに新たな跳躍の機会を与え、彼との2回戦を始める。
チェ・ドウは彼の計画に妨げになるヤン市長と市民達を一度に除去するために、彼らの間柄を離間させ、ヤン市長を公金横領罪で拘束する。
これを種に記者会見まで開き、しょっぱなから釘を刺してしまおうとしたその瞬間!
キム・シンがヤン市長の補佐官を連れて現れ、彼に嘘の良心宣言を頼む。
そして、虚偽の契約書まで持って来て話をすると、チェ・ドウは企みに物怖じしない表情を浮かべる。
だが、ドリームチームが盗聴した事実をまるきり知らなかった彼は、その時自分が見る前で、ソ・ギョンアとヤン市長の契約内容が放送を通して流れて来ると、なすすべもなくやられてしまう。

3回戦、自ら崩落
キム・シンとの2回戦で敗北した彼は、休む間もなく3回戦に突入する事になる。
当初、キム・シンをただ落ちこぼれだとしか見ていなかった彼としては、キム・シンが負わせてくれた敗北のダメージは相当のものだった。ネオモナコに続き、農業ベンチャーにおいて争う事になったチェ・ドウは、キム・シンの足引っ張り作戦に、やられるままにやられ、キム・シンのアジトでチェ・ウンスと会い、結局は爆発する。
チェ・ドウはキム・シンを破ろうと、ドリームチームのメンバーだったパク・ムノとアン・ギョンテを逮捕させ、更にチェ・ウンスを自分の傍に取り戻そうとする。だが、キム・シンとチェ・ウンスが結婚するというチェ会長の嘘に騙され、腹心ケイにキム・シンを殺すよう命じるが、それがチェ・ウンスの死を招く。
キム・シンとの3回戦は勝利も敗北もなかった。ただチェ・ドウが自分一人で自爆したのだった。
チェ・ウンスが死ぬと、彼は結局精神病院に連れて行かれる。

延長戦を暗示する微笑
チェ・ドウは解離性同一性障害という判定を受け、精神病院に入院する。そんな渦中に彼は自分の敵だったキム・シンに絵一枚を送る。難解な計算にノート、そして指輪。キム・シンはこれを解析する事に成功し、その後、チェ・ドウを訪ねて来る。
チェ・ドウは今度は数学者になって彼と会う。何だと言うのか、ただ一生懸命計算するチェ・ドウの姿に、キム・シンは諦めて立ち上がる。だが、その瞬間、チェ・ドウはソ・ギョンアにキスをしながらキム・シンに向かって笑いを見せる。
チェ・ドウは狂っていなかった。ただ狂ったふりをして世界の外で、再び自分がキム・シンと対敵する日だけを待っているという事だった。
体にあらゆる傷を負い、保護を受ける洞窟に入って行った黒豹は、空を心ゆくまで飛翔する黒禿鷲との再対決を待っている。


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