Get your gun

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白紙の未来  1



白紙の未来  1




ふぅ~と溜息つきながら、机に顎を乗せて目を細めた。金魚鉢に住む生き物達は、その小さい世界の中でふわふわ漂っている。白く半透明で、不思議な形のシーモンスター。そして、水槽のガラスに反射して映った、自分の顔と机に散乱してるプリント類。どちらも冴えない様子だ。

高2から文理に分かれるため、1年の夏から早くも進路調査がある。なりたい職種に志望する学部、大学の記述欄。早いうちから狙いを定めるのは確かにいいことなんだろう。けど、俺には将来のビジョンなんて全く見えていなかった。小学生の頃は
「僕ね、パイロットになってあの星まで出かけるんだ。あの星に着いたら、地球からみえるぐらいう~んとおっきな旗を振るの!」
なんてこと、堂々と口に出来たのに。なりたいものや叶えたい夢がいくつもあって、未来に希望を持っていたのに。今となっては、本当になりたいと思えるものが分からなくなってしまった。俺に何が出来るんだ?俺は何をしたらいいんだ?



「D組の沢木さ、担任から『医者めざしたらどうだ?この成績を維持していけば、確実だぞ』って言われたんだって。あいつもすっかりその気らしいぜ。」

クラスメイトがそう噂していたことを、ふと思い出して腹が立った。頭がいいから医学部を目指すのか?出来る奴には「医者か弁護士になれ」って言うのか?そんなのおかしいだろ。成績のいい奴なら、受ける大学だってよりどりみどりだろう。けど、「医者なら儲かるし、世間体もいいしな~。」そんな動機で医学部目指そうなんて、そんな奴がいるから医療ミスも多いし、若い医師は冷たいなんて言われるんだろ?生きるのに必死になってる人に、どう顔向けするんだよ。ちゃんと真摯に向き合えるのかよ。

怒りが次々と移転していく。



親父はこの春、息を引き取った。癌だという真実を告げられないまま。
「胃潰瘍だから」と偽って受けさせた手術では、もう手遅れで、寧ろ死期を早めてしまうこととなった。
でも、親父は癌だと知っていたんだ。そう確信したのは、親父がなくなる2週間ほど前、病室で二人きりになったとき。

「なぁ、おまえは神を信じるか?」
「俺?俺は…さぁ、どうかな。信じないかもな。何でそんなこと聞くの?」

突拍子もなくそんなことを話し出した親父の気持ちが、まるで分からなかった。



続く…




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