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2014.01.11
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テーマ: 読書(10001)
カテゴリ: その他
このブログで、書評というのはあまりやったことがありません。 「メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故」(講談社文庫 大鹿靖明著)と、「福島原発の真実」(平凡社新書 佐藤栄佐久著)を取り上げたことがあるくらいです。

そんな私でも、特に強い印象の残る小説が、何冊かありますので、順不同に紹介しようと思います。

「所有せざる人々」アーシュラ・ル・グィン
アーシュラ・ル・グィンと言えば、スタジオジブリがアニメ化したゲド戦記(アニメはあまり評判がよくなかったけど)が有名です。あれは児童文学ですが、児童文学ではない一般向け小説(主にSFが多い)も数多く書いています。それらの一つで、「ハイニッシュ・ユニバース」というシリーズに属する作品です。人類が、遠い将来宇宙に広がっていき、あちこちの星で、人類とよく似た知的生物の高度文明と遭遇する時代の物語りです。(それらの知的生命体は、古い時代に地球人類と枝分かれした遠い親戚同士であるらしいことが、いくつかの作品で示唆されています)
「所有せざる人々」は、ある連星の片方には豊かな物質文明を誇る人々が住み、もう片方には、エコロジー的な生活を指向する人々が住む、そんな星の物語です。ただし、エコロジー生活をする人々が住む星は、惑星アレナス(スペイン語で砂の意味です)と名付けられ、荒涼とした星で、自然はあまり豊かではなく、むしろ、物質文明を謳歌する星(惑星ウラス)の方が自然が豊かなのです。
その惑星アレナスから、ウラスに、一人の科学者が渡ります。この科学者が故郷アレナスで送ってきた生活と、ウラスに渡ってからの出来事、つまり過去と現在が交互に登場する手法が取られています。
同じく、「ハイニッシュ・ユニバース」に属する1冊、 「闇の左手」 もお勧めです。両性具有の種族が暮らす星に渡ってきた、地球人の外交官が、その星の国家間の争いに巻き込まれて、逃避行を繰り広げる話です。

「泥流地帯」 「続・泥流地帯」三浦綾子
三浦綾子の小説も大好きです。何しろ、旭岳に登った際、帰路に旭川で三浦綾子記念文学館に寄ってしまいました。旭川に行く機会があったら絶対に、って思っていましたから。

三浦綾子の代表作は何と言っても「氷点」でしょうし、これも好きですが、1冊だけ挙げるとすれば、「泥流地帯」と「続・泥流地帯」です。(泥流地帯は、完全に物語の途中で終わっており、続・泥流地帯と併せて、はじめて一つの物語になります。個人的には、タイトルは、「続」ではなく、「上下」にした方が良いいような気もしますが)
これは、十勝岳の大正噴火(噴火によって積雪が一挙に溶融、火山泥流となって上富良野の町を襲い、140人以上の死者が出ている)を描いた話です。貧しくつらい生活の開拓移民ながら、何とか心豊かに、少しずつ生活の安定を掴み始めていた主人公の一家、貧しさと、親が酒乱であるに、遊女に身を落としたヒロイン、2人とも、十勝岳の噴火によってすべてを失い・・・・・・以下はネタバレになりそうなので、書くことはやめておきます。
三浦綾子の小説は、とにかくみんな好きですね。前述の「銃口」「天北原野」「海嶺」なども印象に残っています。北海道の人なので、だいたいの小説は北海道が舞台です。「海嶺」は違いますが。

三浦綾子記念文学館
MiuraAyako1.JPG

周辺は外国樹見本林になっています。「氷点」の舞台として出てくる場所です。
MiuraAyako2.JPG
撮影は2003年8月です。

「エバ・ルーナ」イサベル・アジェンデ
イサベル・アジェンデは、かのサルバドル・アジェンデの従兄弟の娘に当たります。アジェンデというのは、バスク系の苗字で、スペイン語圏でもあまり多くはなく、どちらかというと「名門」というイメージです。チリで雑誌編集者をしていましたが、アジェンデの親族であることから、クーデターの数年後にベネズエラに亡命します。その後彼女は夫と離婚してしまい、米国人と結婚して今は米国在住です。
おそらく、現在ラテンアメリカではもっとも人気のある小説家だと思います。半分くらいの作品は日本語に訳されています。
処女作となった「精霊たちの家」は非常に面白い作品であると同時に、多少難解なところもあるのですが、その後の作品はどちらかと言うと大衆文学の分かりやすさで書かれています。
「エバ・ルーナ」は彼女がベネズエラに住んでいたころ、ベネズエラを舞台にして書いた小説です。貧民出身で、親に先立たれた孤児のエバ・ルーナと、オーストリア出身のジャーナリスト、そして武装闘争を行う左翼ゲリラ、非常にワクワクする冒険劇です。

そしてもう一つ、 「パウラ、水泡なすもろき命」
こん睡状態が続いている間、「もし彼女が目を覚ましたとして、途方にくれないように」と物語るために書いた、アジェンデ自身の自伝です。しかし結局、パウラは意識を回復することなく、1年後にこの世を去ります。その部分の描写は、(日本語訳で読んでいますけど)非常に美しく、胸が締め付けられるようです。

「武揚伝」1 4佐々木譲
「ベルリン飛行指令」で佐々木譲の小説を始めて読み、この人にもはまりました。でも、中でも印象に残っているのが「武揚伝」です。幕末の歴史といえば、たいてい維新の志士が正義の味方で、徳川は老残の旧体制の権化。しかし、佐々木譲はあえて、五稜郭に逃げ込んだ旧幕府軍を正義とする視点で小説を書いています。おそらく、歴史的事実としては、「蝦夷共和国」の実情は先進的なものではなく、徳川残党の苦し紛れの策に過ぎなかったのだろうと思います。が、佐々木はあえてそこに、明治政府がその後進んでいく対外戦争と侵略の歴史とは違う道の日本、いや、違う道の北海道(佐々木も北海道の出身ですね)という夢を、小説に託したかったのでしょう。
それにしても、坂本竜馬や、幕府側としては人気のある勝海舟をあえて小物や嫌なやつに描く発想はすごいな、と思います。その代わり、函館で死んだ土方歳三は、えらくかっこいい描き方。ま、実際残っている写真を見ると、今の感覚でも、男の私から見てさえ、確かに「いい男」だと感じますが。

他にも、「これは」という小説はいくつかあります。気が向いたら、また紹介するかもしれません。





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最終更新日  2014.01.11 16:06:09
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