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2006年03月20日
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テーマ: 日本文化(118)
カテゴリ: 日本文化
 だしは料理の味の根幹を支える大切な要素です。日本では昔からカツオだしと昆布だしを併せてつかうのが最も標準的で、料理の本でも単にだしと書かれている場合はカツオと昆布のだしを指すくらいにスタンダードです。しかし、世界を見渡してみると、日本人にとっては当たり前のこのだしが、実はかなりの優れものであることが解ります。西洋料理ではフォンやブロードといっただしをとるのに大変な手間がかかります。牛の骨をオーブンで焼いたり、香味野菜と長時間煮込んだり、とても家庭ではできません。だから家庭では調理中に自然に出てくる肉やハムや野菜の旨みを利用し、特にだしをとるということはしていないようです。それに対して日本では、横着をしなければ家庭でもきちんとしただしを簡単にとることができます。和食の基本だしは究極のインスタント食品といえるかもしれません。しかし、それはカツオ節と昆布にすでにすごい手間と知恵と技術が詰め込まれているからであって、保存性を高め、味を高め、使う時は簡単に使えるという、永い食文化の歴史の中で育てられてきた素晴らしいものです。このだしのおかげで薄味なのに豊かな旨みを持つといった、他の国の料理ではなかなかできないようなことが可能となっています。また、カツオと昆布を併せるというやりかたも実に理にかなっています。カツオ節のイノシン酸と昆布のグルタミン酸が合わさると、単純な足し算の7.5倍相当の旨みが発揮されるそうです。初めて二つのだしを併せることを考えた人は、旨みの相乗効果なんて知るはずもなく偶然のことだったのでしょうが、和食界の革命的出来事といっていいかもしれません。
 私個人的には、干し椎茸のだしを忘れるわけにはいきません。干し椎茸にはグアニル酸という旨み成分が含まれていますが、これが昆布などのグルタミン酸と合わさると旨みの相乗効果はなんと30倍にもなるそうです。我が家では豚汁やけんちん汁など具沢山の汁物には干し椎茸のだしが定番です。冷蔵庫の冷水ポットに干し椎茸を常に戻して常備しておくとすぐに使えて便利です。戻した椎茸も刻んで具にできますしね。その他にもアサリのコハク酸の味も捨てがたいですし、煮干のだしも他のだしでは肩代わりできない独特の旨みを持っています。料理の基本であるだし一つとってもこれだけの広がりを持っている日本の食文化って素晴らしいとつくづく思います。





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最終更新日  2006年03月20日 19時34分10秒
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