ガラスの40代




僕は ガラスを こぶしで 破った。

女房と息子は おどろきと あきれた目で

僕の からだを見ていた。

ただ ひたすら 破片をひらい、

かたずけていた。



僕は ただ 自分に対して 泣いていた。

失格 という 言葉が

頭の中や 目の前に 細かいチリのように 漂い、

いつまでも 舞っていた。



「すまない」 なんて言葉は

軽すぎて

とても 言えなかった。


僕は 十字架を背おうことになった。


足に 手に 首に


しぬまで





脳が




停止 するまで・・・

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