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2005.08.06
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カテゴリ: 世界
役所になにかを訴えてみる。部署が違います、アッチですなどと云われる。それでこんどはアッチのほうへ持ち込むと、ああソレねえなどとすこしあきれたやうな顔でジロっとみてあごで前方斜め23度あたりを天上に向けるようなかっこうで指し示す。正直者でうぶで素直なわたしはこんどこそとすこしホッとしたりしてあたらしいほうのアッチへいってみる。こんどのアッチは37階にあるという。広大な砂漠のような役所の無人販売機ばかりの目立つコンクリートの立方体のぺたぺた草履だかサンダルだかのショクインとショウする木っ端役人の削りかすのような表情のうすい顔をながめつつうろうろする。ばったりとクマに会う。おう! わお!!最上階の回転する展望レストラン「市民の窓」で、青汁すすりながら旧交を温める。クーラーが効いていないので暑い。クーラーは市長室と助役室と応接室だけにしたんだそうで、地球に優しい役所を謳うからである。謳うのは勝手だが室温40度にちかいゾ。いえいーんですとクマがわかった風に云った。やつらほれクールビズですがな。なるほどタンブラーに青汁乗せてさきほど運んできたおねえちゃんもそういえば下着姿であった。クールビズもわるくないなあ。(v)

この町に移ってからこの小さな町にふさわしい質素な佇まいの町役場、床はむき出しのコンクリート。夏は工事現場にある大きな扇風機が回り冬はだるまストーブが赤々と燃えていた。町民の税金もそのころは無駄には使われていないだろうと言うこっちの勝手な解釈に気をよくしていたが、いつのまにか古い平屋の町役場は取り壊され、まるで料亭のような長い廊下と吹き抜けの玄関、広い駐車場を新しい庭木が周囲をぐるりと取り囲んでいる。そして市町村合併が始まりこの町も町から市に変わった。この新しい料亭のような役場はいつの間にか部門が減り机が減り椅子が減り余った広い空間は真ん中にシルバーセンターの手作りの人形や生け花が飾ってあった。市民が汗水たらして働いたお金が税金としてこんなところに無駄に使われている。皆、黙ってないで何とか言おうよ!! Σo( ̄□ ̄;)何でやねん?? (H)

■ひめちゃんからかなり前に原稿が来ていた。すこしちがうがそのまま繋いだ。(V)がわたしで(H)がひめちゃん。さあて、じゃあこのあとテキトーにつじつま合わせてみよう

青汁をクマとチューチューしながら、わたしは今朝見た夢にでてきたナゾの女性の台詞をおもいだしていた。彼女は別れた妻とどこか似ているようであった。しかし彼女は関西弁ではない。気性も夢に現れた女性ほどはげしくない、どころかぼーっとしている。しかしそういえばおなじようなことで怒っていたっけ。わたしが今日こうしてあまり来たくない役所に来たのもアノ夢のせいと云ってもよかった。クマがなにか言いたそうにしきりとこちらを見る。なんだ?とわたし。クマとわたしはちょうどひとまわり歳が離れていてわたしが年上になる。えへへとわらう。どーした、なにか可笑しいか? 滝の如くながれおちる汗を片手でうけとめつつわたしはクマのニタついたながい顔を見据えた。「ほらあー、それ」と垂れ目で細いクマの目のさきにはストローである。おお!なつかしい藁のストローぢやないか!!

暑さに気をとられ気づかなかったがわれわれがチューチューしていたストローは塩ビ製のものではなく藁でつくったホンモノのストローだった。吃驚するわたしにクマの表情がえへへ、とかがやく。「それさあ、オレがやったのさね」やった、ってなにをしたんだオマエ。「だからさあ、石油が高いだろう、われわれの生活は石油のうえに浮かんでる、そんな生活がいつまでもつづくわけがないじゃないか、で、身近なところからエコやろうってわけでさ、おいらが提案したんだ。藁に替えようって」なるほど。クマが役所事情にくわしいのはすこし前までここの観光企画課にいたからだが、そうかクールビズもおまえの仕掛けか。「さいごのご奉公になっちまった」うなづきながらこんどは目配せする。まったくいそがしいやつだ。「みろよ」とヤツが鼻の下を二倍くらい長くした。みるとゆるやかに動く床に男がひとり寝そべっている。このレストランは浮き床式で床がゆっくりと円形の展望台を回転する。自治体庁舎では世界初というふれこみだった。いったいどれくらいの税金を投じたのか。たしかに完成した当初はたいへんな人気で近在からも見学者が殺到した。しかし翌年には半減し三年目にはさらに半減し、いまはひろいレストランに客は青汁啜る私たちだけである。半裸のウエイトレスの女の子が数人手持ちぶさたに窓際に立っている。寝そべった男はパンツ姿でほとんど全裸に近い。いやクールビズであるからそれでいいのか。たしかにこちらもハダカになりたい気分だ。クマ公は短パンにTシャツだからまだいい。こちらは夏物とはいえ背広にネクタイ姿である。気が狂いそうだ。役所に出す書類をいれた封筒はいまや水につけた如くわが汗で濡れている。こんなところでまともな市民が食事や喫茶をするとはおもえない。あいつ職員だろう、とわたしはクマにささやいた。最初に応対に出た総務課の男に違いなかった。あのときは半袖の開襟シャツを身につけていた。それがいまはハダカにちかいかっこうだ。「相沢だよ、あいつも来週でクビだ」クマ公がちゅーっとおおきな音をたてていきおいよく青汁の最後のかすを吸い上げる。ほう、とわたしはちょっとまたおどろいてしまった。39階建て延べ床面積がちょっとした高層ホテル並みのこの市庁舎に市長以下職員は2000名ほどいるはずだ。多いようにおもえるが、民間企業ならその10倍くらいは働いていておかしくない規模のビルである。市財政がここ10年赤字であることも知っているが、このところ職員がつぎつぎに解雇されている。半年で1000人は辞めたろう。クマもそのひとりであるはずだった。「来年のいまごろは500名にするんだ」にたりと笑ってヤツがこともなげに云った。人口80万人の自治体の職員がたった500人か!わたしはおもわず椅子から転げそうになってしまった。

つづく。





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Last updated  2005.08.07 01:55:04
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