石坂千穂つれづれ日記

石坂千穂つれづれ日記

2009.2月県議会一般質問



    石坂ちほ議員 一般質問

1、女性管理職の登用について

<石坂議員> おはようございます。通告に基づき、順次ご質問いたします。
 最初に女性の管理職登用についてお伺いします。
 西沢議員もふれられていましたが、昨年6月県議会の長野県男女共同参画社会づくり議員連盟の総会で、長野県の男女共同参画施策のいっそうの促進をはかるため、「女性の登用推進」「ワーク・ライフ・バランス」のワーキング・グループを選出して精力的に調査を進め、11月には知事に「提言」をさせていただきました。超党派の議員連盟が協力し、このような「提言」を行なった趣旨は、「新年度の県の予算や施策にぜひとも活かしていただきたい」ということですので、今後に期待しているところです。
 新年度から女性管理職の確実な登用率向上を実現していただきたいと思いますが、ご検討の程はいかがでしょうか。総務部長、教育長にそれぞれお伺いいたします。

<浦野総務部長> 女性県職員の登用に関するご質問でございます。県では平成14年度に第一次、それから平成19年の2月でございますが、現在の第二次の女性職員の登用促進、職域拡大等の取り組み指針というものを策定いたしております。管理職の登用につながります係長級以上への女性職員の積極的登用に、それに従いまして努力をしております。県職員の管理職への登用につきましては、適材適所といった観点から、それぞれの職位において、さまざまな経験をつむなかで、求められる能力を身につけていく、キャリアアップをしていくことが重要だろうと、こんなふうに考えております。そのために多様な分野への女性職員の配置によります職域の拡大でございますとか、いただきましたご提言にあるような、自治大学校での研修やあるいは国への研修派遣をはじめといたします能力開発、それから性別による固定的な役割分担意識の払拭などの職員の意識改革など、そんなことに取り組んでおります。この春平成21年4月の定期人事異動におきましても、女性職員の積極的な登用と職域の拡大に引き続き努力していきたいと、このように考えております。

<山口教育長> 学校における女性管理職登用に関するお尋ねでございます。本県公立学校の女性管理職の比率は、全国的に見て必ずしも高いとは申せません。教育委員会としましても、課題として認識しておりまして、教育振興基本計画においてその向上を目標に掲げているところでございます。
二つ目の件でございますけれども、提言を受け、21年度に関しては、義務・高校とも女性比率が今年度上回るよう鋭意努めているところでございます。管理職登用のためには、女性教員が教務主任や学年主任等、学校の中心的役割の経験を通じて求められる使命感、先見性、リーダーシップ等を伸ばせることが必要でございます。また管理職にふさわしい年齢まで安心して仕事を続けられる環境を作ることも重要となります。引き続き育児中の女性教員の支援体制を強化するなど、女性教員がキャリアアップしやすい環境の整備も努めてまいりたいと考えております。

<石坂議員> 併せて、「提言」では、施策の推進のためにはトップの姿勢、知事のリーダーシップが大切としていますので、村井知事に「提言」の受け止めと、県政に活かす上での決意をお伺いいたします。

<村井知事> 男女共同参画社会づくり推進議員連盟の提言を受け止めて、どのように考えるかと、決意を述べよというお尋ねでございます。議員連盟のみなさまから、意欲ある人材の責任ある役職への積極登用、具体的には女性の管理職登用につきまして、幅広い視点から具体的なご提言を頂戴しております。
男女共同参画社会づくりを促進するためには、社会のあらゆる分野で主導的な地位に女性が占める割合を一層高める必要がありまして、中期総合計画にも、主要施策と位置付けております。行政分野におきましても、率先した取り組みが重要であるために、第二次長野県男女共同参画計画(18年度~22年度)におきましては、行政機関等における女性の参画拡大を基本目標の第一に位置付けております。
提言の中で、知事のリーダーシップがポイントになるというご指摘を頂きました。全くごもっともだと思いますし、個人的には私どもは共学のはしりでございまして、それで職場に入りましたら、完全な男性社会だったわけでありますが、そこへ勇敢な女性のチャレンジャーたちが入ってこられて、これがまた見事なパフォーマンスを残されて、そしてそれがどのように組織に貢献したかと実感している経験者としましては、例えば私大臣になりましたときに、女性警察官というのは非常に多いのに、女性のキャリア警察官というのがいない。おかしいじゃないかというようなことを申しまして、少し採用を増やしてはどうかということ積極的に申した経験がございます。そんなことを申し上げながら、二つ考えなきゃいけない。
ひとつは、複雑化する行政ニーズに対応するために、多様な視点や新しい発想を導入することが求められておりまして、そういう意味では県行政を推進する上で女性の活躍は極めて重要であります。一方で女性管理職の登用に際しましては、適材適所の適所という観点も非常に大切でありまして、女性自身が意欲を持って積極的にチャレンジしていただかないとどうしようもないという問題もあるんです。そういう意味では、今後とも私どもも努めますけれども、職域拡大や能力開発そういったことも含めまして、一番いい管理職というわけにはいかない。ですから、各層でそういう能力をアップして、女性職員のキャリアアップを図りながら登用に努めてまいりたい。このように考えております。

<石坂議員> 知事及び総務部長から、適材適所というお言葉ありまして、ぜひそうしていただきたいわけですが、この適材適所という言い方が、私議員になりまして十数年ですが、ずっとその言葉で実は登用が実は進まなかったということがありますので、今のご決意をぜひ現実に活かしていただくように、くれぐれもお願いしたいと思います。
 総務部長と教育長に再度、お伺いしたいと思いますけれども、総務部長にはその意味の適材適所で提言の中でも新しいチャレンジの分野、例えば危機管理とか建設とか、そういう分野にも、そういう目で登用をしていただくならば、ふさわしい女性管理職の候補者はいるはずだと、そういう事を申し上げておりますので、そういう分野まで広げていただける登用を今後につながるように検討していただけるかどうか。
 教育長には、新しい提案と致しまして、事務長というクラスにもぜひ女性の登用をと提言しておりますが、そのご検討と、特に教育委員会では、数値目標を持っておりますので、来年度の数値目標達成のために具体的な前進があるのか、その点をお伺いしたいと思います。

<浦野総務部長> いま先ほど私お答え申し上げましたように、多様な分野への配置というふうに申し上げましたし、職域の拡大というふうに申し上げてきましたので、特にこの部局に置くとか置かないとか、正直言ってあまり強い意識をもってこれまでやってきておりません。したがいまして、たまたま女性がおられない部局もございますけれども、それは女性を配置しないという意識をもってやっているんではなくて、むしろどなたでもという中でたまたま女性がおられないと。我々小さい所帯になるとそういうことになりますけれども、そういう状況でございますので、今申し上げましたように、この部局というふうにどうこうということは言えませんけれども、いずれにしても多様な分野へ例の女性の活用と女性の配置は心掛けてまいりたいと考えております。

<山口教育長> 学校教職員というような捉え方もしておりますので、決して事務職を例外的に扱っているという考え方はございません。それから数値目標でございますけれども、これは中位以上という数値目標を掲げておりまして、なかなか目指してみると、難しい部分もございます。先ほども申し上げましたけれども、やはり学校運営の枢要的なものを体験しないと、なかなか難しい部分がありまして、ちょうどその時がですね、女性にとって一番の子育てと重なる時期でございます。そういったところがやはり厳しいのがあるかなという印象が率直に申し上げざるを得ないというところがございます。これを含めて、先ほど答弁させていただきました。

<石坂議員> この「提言」でも指摘しておりますように、長野県の女性公務員の管理職登用率は平成19年も20年も2.7%で変わらず、全国順位は平成19年の40位から平成20年には43位、一般行政職の女性管理職登用率は、やはり平成19年も20年も1.5%で変わらず、全国順位は平成19年の43位から平成20年には44位となっています。長野県の女性職員の管理職への登用は全国水準を大きく下回っているとともに、全国の前進の流れに逆行しています。
 また、昨年8月、村井県政の2年間の折り返し点にあたって、県世論調査協会が行なった県民世論調査では、村井県政の運営手法や県庁の体制全般について「評価しない」は51.2%で、「評価する」を4.4%上回っていますが、特に「女性の積極的な登用」は「評価しない」が68.3%に達し、県幹部への女性の登用が進まない現状を多くの県民が批判的に見ていることを示した(信毎の9月1日付の報道)とされているだけに、知事には、特段のご努力をお願いしておきたいと思います。

2、県職の非正規雇用者の処遇改善について

<石坂議員> 次に、県職の非正規雇用者の処遇改善についてお伺いします。
私は、昨年の12月県議会でも、県の手話通訳士や行政事務嘱託員などの非正規雇用者の処遇改善について質問を致しましたが、それは、不況を理由とした「派遣切り」「雇い止め」が社会的な問題となる中で、景気の調整弁として、安上がりの労働力として非正規雇用労働者を使い捨てにする問題を解決していく上でも、自治体自らが当然のことのように、いわゆる「官製ワーキングプア」を拡大していくことは、あってはならないと考えるからです。
地方公務員法・地方自治法によれば、自治体の恒常的・本格的業務は正規職員が行なうとし、臨時の職や緊急の場合に臨時職員を、非常勤の職については非常勤職員を任用することができるとしています。しかし、実態は、住民サービスに欠かせない本格的・恒常的業務にも非正規職員が配置をされており、これらの臨時・非常勤の非正規雇用者は、法的には、公務員の権利を守る保護法制からも、民間の非正規労働者を保護する法制度からも除外され、法の谷間となって、労働条件や権利を保護する法律がありません。全国的には、このような不利益を受けている自治体の非正規雇用者の約8割が女性であるとされており、自治体での正規と非正規の格差は、実は間接的な男女差別にもなっています。
このようななかで、12月議会での質問でもふれましたが、昨年8月、人事院は、国の機関で働く非正規職員に対する均等処遇を進める一歩として、「国の非常勤職員に対する給与の支給についての指針」を定めました。
この「指針」を参考にして、県の正規職員と非常勤職員の格差是正や処遇改善を検討していただきたいと思いますが、総務部長の見解をお伺いします。

<浦野総務部長> 非常勤職員の処遇改善に関するお尋ねでございます。お話しありましたように、人事院は昨年の8月に国の非常勤職員に対する給与についての指針を定めまして、これを踏まえて、給与の適正な支給を努めるよう各省庁に通知を致しております。総務省はこの指針につきまして、非常勤職員の任用に関わる制度運用は、国と地方では異なるために、地方自治体の直接当てはまるものではないという説明を致しているところでございます。本県におきましても、非常勤職員の勤務形態や処遇内容等を勘案致すとともに、人事委員会勧告の動向等を踏まえまして、その給与を決定してきておりまして、昨年4月にも引き上げ改定を致したところでございます。今後も人事委員会の勧告や社会経済情勢等を踏まえまして、対応してまいりたいと考えております。

<石坂議員> また、人事委員会委員長には、12月議会で、「管轄外ではあるが、要請があれば、人事課とのすりあわせや意見交換会をする用意はある」と前向きの答弁をいただきました。その後、人事委員会として、非常勤職員の処遇改善の問題を議題にしていただくとか、人事課との意見交換などの検討はあったのでしょうか。人事委員会委員長にお伺いを致します。

<市村人事委員会委員長> ただいまのご質問の件でございますけれども、確かに一般職の非常勤職員は人事委員会の管轄外でございまして、これにつきましては県の条例、一般職の職員の給与に関する第46条でございますけれども、常勤職員との均衡、これ一般的に使われない言葉かと思いますが、均衡というふうに理解すればいいんでしょうかよろしいのでしょうか、均衡を考慮して予算の範囲内で報酬を支給をすると、これが一つの根拠になっておりまして、昨年ご質問ありました懇談会でございますけれども、その後ですね社会の雇用問題、雇用情勢、これが非常に顕在化してまいりまして、したがいまして処遇の実態把握をより精査するということと併せて、雇用の量も考えなければならないと。それとの関連もこの処遇には合わさっているかなと考えております。したがいまして、現在ただ今懇談会は開いておりませんけれども、人事委員会と致しましては、早急に任免権者と事務レベルので意見交換を是非開きたいと、こんなふうに考えております。

<石坂議員> 国と地方はもちろん総務部長がおっしゃるように違うのですが、ただ国が今回新しく指針を出しました背景にILO(国際労働機関)から、「日本政府が第10号条約」つまり、同一労働同一男女の賃金、これが守られていないという勧告を受けている。このことの背景があるわけなんですよね。ということで、人事委員長からは、前向きなご答弁を頂きましたけれども、ぜひ新しい課題として、今の状況にふさわしく、ご検討を積極的にお願いしておきたいと思います。

3、行政委員の報酬見直しについて

<石坂議員> 次に県の行政委員の報酬見直しについてお伺いします。
 県の非常勤特別職の行政委員の報酬は、現在、人事委員会委員、監査委員、教育委員会委員、公安委員会委員、労働委員会委員、選挙管理委員会委員などは月額制で、例えば人事委員会委員長は月額227,000円、委員は197,000円、教育委員会委員長は282,000円、委員は197,000円、公安委員会委員長は245,000円、委員は192,000円などとなっています。一方、収用委員会委員、各種審議会の委員、審査会の委員などは日額制で、収用委員会会長は日額23,700円、委員は15,600円、審議会や審査会の委員は12,800円です。
 これら労働、選挙管理、人事などの行政委員の報酬額は、長野県において年間総額どのくらいになっているのでしょうか。また、実際の会議開催の状況などの勤務実態はどのようになっているのでしょうか。総務部長にお伺いを致します。

<浦野総務部長> 行政委員の報酬に関するお尋ねでございます。本県におきます行政委員の報酬は年間総額で約7,600万円でございます。また委員会や会議への出席など、行政委員の公務の状況でございますけれども、報酬を月額制としております行政委員会は年間20日~70日程度でございます。報酬を日額制としている行政委員会は年間5日未満となっておるところでございます。これらの日数には、委員が自宅等で行います調査・研究活動やあるいは会議の事前準備といった活動等は含んでおりません。

<石坂議員> 現在、収用委員会は、長野、山梨、福井、富山の4県だけが日額制で他の県は月額制、全国ではほとんどの県が行政委員の報酬を月額制としているようですが、今年の1月、滋賀県で、労働、収用、選挙管理委員会の各行政委員に月額報酬を払っていることの是非が争われた裁判で、大津地裁は、「勤務実態を前提とすれば、地方自治法の趣旨に反する」として報酬支払いを違法と認定、知事に支出差し止めを命じました。地方自治法203条は、「非常勤職員への報酬は勤務日数に応じて支給する」と規定していますが、「条例で特別の定めをした場合を除き」という但し書きがあり、裁判ではこの点が争われました。判決は、「(月額報酬制は)勤務実態が常勤職員と異ならないといえる場合に限られる。滋賀県の場合、行政委員の勤務実態が、労働委員会の総会が月2回、調査日も月1回程度、選挙管理委員会と収用委員会の定例会も月1,2回であり、勤務実態は常勤職員と異ならないとは到底言えず、法律は勤務日数によらないで、報酬を支給することを許していない」と判断しました。
 全国的には、北海道が2009年度から収用委員会の報酬を月額制から日額制に改めることになったのをはじめ、神奈川県知事も、行政委員の報酬を月額から日額に見直すことを表明するなど、時代にふさわしい見直しの動きが始まっています。
 長野県でも、この機会に、行政委員の報酬を月額制から日額制に見直す検討をするべきではないかと思いますが、知事の見解をお伺いします。

<村井知事> いろいろな考え方があると思いますけれども、月額制の行政委員につきまして、毎月定例的に業務がありまして、年間の公務日数もさきほど総務部長がお答えしたとおり、相当なものがございますし、さらにこれに加えまして自宅等においての調査・研究、事前準備等で費やす時間というものを考慮すれば、相当の日数を行政委員としての活動に割いていただいている。私はそのように認識しております。
その上に、なによりも高い識見に基づいてこのような公益的な立場でのご貢献をお願いしていると。こういうことに対して、どのように対応するべきか。そこはいわゆる勤務時間のみによって判断するべきことではないのだろうと。私は基本的な考えて方を持っております。
それから、長野県の場合、月額制でありましても、月のうち全くその公務に従事しない、そのような場合には報酬を支給しないということとしておりまして、これらのことを総合勘案しますと、月額制で運用していますことに、一定の合理性があると。このように考えております。
裁判の事例、他県の事例ということがお話頂きましたけれども、もちろんそのあたりのことは意識しながら、これからみてまいりますけれども、私は現段階では現在の運用を継続するのが適当ではないか。そんなふうに考えているところであります。

<石坂議員> 知事のご見解を伺いまして、確かに私も一律に一斉に日額制にするべきだとか、そういう機会的なことを申し上げているわけではないんですけれども。
例えば、収用委員の報酬が日額制の山梨県では2007年度、委員7人に支払った報酬総額は81,900円だったそうです。同じ7人の収用委員のいる滋賀県は、先ほどお話がありましたように月額制ですので、同じ7人の委員で1,725万6,000円。だから、7名ずつの委員ですが、方や81,900円。方や1,725万6,000円。大きな開きがあります。税金の支出で。そして委員が扱った裁決申請は実際には山梨、81,900円の報酬を支払っている7名の山梨県では1件、それから1,725万6,000円を支払っている滋賀では0件と。こういう実態もあるんですね。ちなみに国におきましては、選挙管理委員、中央労働委員などの行政委員は日額制になっておりますので、できるところから事務事業の見直しということで、この議会でも300円から500円に上がる福祉医療の手数料値上げが子育て世代を直撃するということで、いろんな議論がありました。こういうこともありますので、厳しい県財政でもありますので、実態に合わせた見直しの検討をして欲しいと。できるところから、見直しをして欲しいということはぜひ申し上げておきたいと思いますが、知事、改めていかがでしょうか。

<村井知事> 充分問題意識を持って検討すべき課題の一つだと思います。私は先ほど申し上げたことに加えまして、一定の高い識見に基づいてお願いしている立場である上に、責任の大変高い、責任も伴う、そのような役職、そういうお立場だと、そういうことも考慮しなければならないことだと思います。議員のお話は一つの視点でございますから、それはそれで、またよく考えさせていただきたいと思います。

<石坂議員> 繰り返すようですが、高い識見に謝礼という意味での報酬をお支払いする。これは私も理解いたします。行政委員はどなたでも出来るお仕事でもないと思います。そこは理解した上で、先ほど県職の非正規職員と正規職員の格差是正、処遇改善の問題も取り上げさせていただきましたけれども、実際には例えば、12月議会で手話通訳士の正規職員化なども私求めましたけれども、いろいろ難しい問題があるとしても、ほとんど常勤に等しい、本来常勤でやっていただくべき仕事を現実には非正規の立場で「ワーキングプア」すれすれのお給料で頑張っている県の職員が一方におり、一方で月1,2回の、会議の出席。もちろんその間にいろいろ識見を豊かにする研修とか積まれているとか責任が重いとかそれはその通りなんですけれども、全国的にも1,300万人もの「ワーキングプア」と呼ばれる人たちがこれだけ出てきているなかで、正規職員との格差に苦しむ非正規雇用者がいるという現実の中で、税金の適正な支出はいかにあるべきか、これはぜひとも慎重にも慎重な検討をしていただきまして、できる改善は図って頂きたい。このことは強く申し上げておきたいと思います。

4、生活困窮者のためのセーフティーネット貸付について

<石坂議員> 生活困窮者のためのセーフティーネット貸付についてお伺いします。この件については、わが党県議団の毛利県議が、昨年6月県議会、12月県議会でその実現を求めて質問していますが、今年3月までには、長野県で7,000人をこえる非正規雇用労働者が職を失うとされており、今では正社員にまで及ぶ人員整理や、失業までには至らないが、仕事が減った、収入が減ったと、深刻な事態が進行しています。
新たに発足した離職者のための勤労者生活資金緊急融資制度もようやく貸付が始まったということで歓迎するものですが、申込者の中には、多重債務者で利用できない方も多いとお聞きしています。多重債務者の整理資金や生活再建資金としての融資制度の必要性は急を告げています。社会福祉協議会の様々なメニューも、県のご努力もあって、かなり短期間で借りられるようにはなりましたが、まだまだハードルが高く、多重債務には至っていないが、本当に困っている人が借りられる融資は、まだまだ少なすぎる現実です。
セーフティーネット貸付については、長野県、労働者福祉協議会、弁護士会、司法書士会、労金など25の団体、機関が関わる長野県多重債務者対策協議会で、一昨年の7月から検討を始めているとお聞きしていますが、何がネックなのか、一日も早く踏み切って頂きたいと思いますが、企画部長にお伺いいたします。

<望月企画部長> セーフティーネット貸付、とりわけ多重債務者対策協議会における新しいセーフティーネット貸付の仕組みづくりの検討状況、ネック等の問題についてのお尋ねでございます。先ほどお話がございましたけれども、6月あるいは12月の県会で毛利議員にお答え申し上げている通りでございましたが、この貸し付けにつきましては、お話ございました、多重対策者対策協議会のメンバーのうち、弁護士会、司法書士会、金融関係団体、こういったものが中心となって、いま検討を重ねているところでございます。今年度も3回ほどやっておりますが、その中でやっぱり問題になっているのは、貸付原資自身をどうやって確保していくかという問題がまず一つでございます。それから過去に債務整理をしているために、その貸し付けとなる対象とならない方に対する融資であると、こういったこともございまして、なかなか審査の難しさがあるということも出ております。それから万が一の貸し倒れ時ですね、こういったときに損失補償をどうやってやるのか、リスクをどうやって分担するのか、こういった分担の必要性、こういったものが大きな課題になっております。お話ございましたけれども、昨今の経済雇用情勢の変化というものもございまして、早急にというお話でございますけれども、なんせ課題が大きくてですね、なかなか引き続き検討が必要だと。こういうふうに伺っております。いずれにしましても、問題はセーフティーネットだけではなくて、多重債務者全体の問題という事で県だけではなくて、市町村・国、それから関係団体が一緒になって取り組んでいただくということも必要ですので、引き続き協議会等を活用しまして、連携を深めて検討を進めてまいりたいと思っております。以上でございます。

<石坂議員> ぜひ早急な対応をくれぐれもお願いしたいというふうに思います。実際にセーフティーネット貸付を行っている岩手、福岡、東京などの事例を聞きましても、今おっしゃった貸し倒れというのは本当にないんですよ。ぜひそういうところの事例も参考にしていただきまして、現実のものにしていただきたいと思います。

5、知事の政治姿勢について

<石坂議員> 右近参事のご冥福をお祈りし、人が自ら命を絶つということの重さに思いをいたし、その死の真相が今なお闇の中という事態には多くの県民が納得していないことを申し上げ、知事にお伺いします。
昨日、備前県議の質問に対し、知事は、新政治問題研究会からの献金について返還する考えはないとおっしゃいましたが、これは明らかな政治資金規正法違反の疑いのあるお金ですので、ぜひ適正な処理、つまり返還をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

<村井知事> 右近君に対する弔意のご表明には感謝いたしますが、ただいまご指摘の新政治なんとかという団体からパーティー券を購入してもらったということにつきまして、これは私の方としては政治資金規正法上、適切に処理しているものでありますので、返還するべきものだとは認識しておりません。そのことを申し上げた上で、しかし、事態解明が進んでこのパーティー券購入が法的に問題があるということになれば、それは返還を検討いたします。

<石坂議員> この新政治問題研究会はすでに明白な西松建設のダミーです。他人名義での献金や政党以外への献金を原則禁止した政治資金規正法に違反する疑いが濃厚となっていると思います。平成17年4月に「村井仁シンポジウム」に支出をされているお金ですが、適切な処理を改めて求めておきたいと思います。
また、「国家権力が常に正しいとは限らない」と知事はしながら、「司法の解明を待つしかない」というのは私は大変矛盾していると思います。自らあらゆる手を尽くして、この闇の中の真相を解明し、県民への説明責任を必ず果たしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。そのことを伺いまして、私のすべての質問を終わります。

<村井知事>  私としては、可能な限り事実を調べるような努力はしてみましたけれども、誰が右近君に何かをしたというようなことを述べたのかもわかりませんし、そしてそれがどういうことなのかも、全く分からない。それをどうやって、ない話を事実でない、濡れ衣だという証明をするのか、本当に私自身苦しんでいるということを重ねて申し上げざるをえません。

                                以上

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