ストレンジャー(放浪者)

甘く危険な香りにて・・・



僕は丁度、喉が渇いたのでその店のカフェに入る。
そして、彼女の横のテーブルに陣取る、暫らく様子をうかがって見たが、どうやら一人で来てるようだ。

僕は、用も無いのにポケットから携帯を取り出して、メールのチェックでもするかのように、携帯のボタンを押そうとした瞬間に地面に落としてしまった(勿論、わざと落とした)

僕は、落とした携帯を拾い上げ耳に当てたりボタンを押したりしながら(大丈夫かなぁ~)と、呟く。
隣の席に座ってる女性も僕の方を見て気になるようだ。

僕は、彼女に(すみません、チョット僕の携帯を鳴らして貰えませんか?)
彼女(ハッ?)
僕(壊れたかどうか確認したいんです、番号は090の・・・・)と、教える。
彼女は、なんだか解らないうちに自分の携帯を取り出して、僕の番号を押した。

僕の携帯から着メロが鳴りだした
僕(あ~良かった、壊れてないや)と、はにかんだ笑顔を彼女に向けると、彼女も笑顔を返してくれた。
僕(あっ、その番号メモリーして構いませんよ)
彼女は暫らくキョトンとして、プッと噴出した、
僕も笑い出す、そして(ソッチの席に移って良いですか?)
彼女は(ええ、どうぞ)と、細くて白い手で椅子を差し出してくれた。

僕は、彼女の席に移り話をした。
それによると彼女は、既婚でご主人は単身赴任中、子供はまだ居ないそうだ、今日は、友達と食事の約束で待ち合わせをしたのだが、友人が急に都合が悪くなりスッポカさせられ、このまま、帰るのもなんだから此処でお茶してるの、と言った。

僕(ご主人が単身赴任ですと、寂しいでしょう?)
彼女(うーん、もう慣れちゃった)と、通りの行きかう人に眼を向けた、
僕(僕が友達の代わりに食事に招待しますよ)と、彼女の手を掴んでカフェを後にした。


此処のイタリアンレストランは、ウェイターもイタリアンでとても日本とは思えない店だ。

薄いブラウン・ヘアのウェイターに席に案内された彼女は、
店内を繁々と見回して(お洒落なお店ですね、良くいらっしゃるんですか)
僕(ええ、特別の日には来るんですよ)
彼女(ふーん)
僕(今日は、特別の日ですから)
其処へ、先刻注文した赤ワインのボトルが運ばれてきた。

クリスタルのワイングラスに注がれた、ワインは間接照明に照らされてルビーのように怪しく光る。

僕は、注がれたワイングラスを差し出して(乾杯!)
彼女も笑顔で(乾杯!)
クリスタル特有の上品な甲高い音が「チーン」と、店内に共鳴した。

ワインが体内に回り始めると彼女は、饒舌になった。
ご主人とは結婚1年目で、さて、子供を作ろうかと思った矢先に突然の事例で、中国に単身赴任に出て行き、彼女一人の生活が1年続いてると喋り、不意にため息を付き(ハァ~、なんか疲れちゃった、結婚てナンだろう?)
僕(忘れさせてあげますよ)
彼女(本当に?)

僕は、彼女の心の衣を一枚一枚と脱がしていく・・・
そして最後には、裸の彼女が僕の前に現れる・・・

食事を終え、レストランを出たら日がとっぷりと暮れていて、街のネオンの光が仕事を終えた人々を招いていた。

彼女(美味しかったぁー、少し酔っちゃった!)と、舌を出した。
僕(では、酔い覚ましの散歩をしましょうか)と、彼女の手を握って歩き出した、握られた彼女の手は、嫌がってなかった、いや待ち望んでいたようだった。

僕は、握った手を放して彼女の腰に手を回した。
彼女は小さく(アン)と、声を洩らした。

僕(もう暫らく君と、一緒にいたい)
彼女は、小さくうなずいた、腰に回した僕の手から彼女の震えが伝わってきた・・・・・


等と、目論んで人妻探しに出掛けた、巣鴨トゲ抜き地蔵の商店街に在る、ダンゴ屋の軒先には、おバァーさんしか居ないじゃいか!



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