9月4日 安心できる介護のために


茅野市議会議員  伊藤まち子

改訂「介護保険法」が民主、自民、公明、みんなの党の賛成で6月15日成立しました。国会での審議は衆議院で10時間、参議院で8時間弱だったと言うことで十分な審議もされないまま決まってしまったと言うことです。
「介護の社会化」をと12年に始まった介護保険ですが、実態を反映しない介護認定や本当に必要な利用できるサービスがない、保険料が高い、施設が不足している、重い利用者負担・・・・等、様々な問題があります。今度の改訂はそれらの問題を解決するものにはなっておらず、国の負担を増やさないことを大前提に、介護給付を押さえることと利用者の負担増に腐心した改訂になっています。
 特に軽度の方の介護給付を押さえると言うことで前回の改訂で、介護認定で「要支援」と認定された利用者への予防給付が新設されました。現在は介護認定で要支援と認定された場合予防給付を受けることができその内容は施設に入所はできませんが、デイサービス、訪問介護、ショートステイなど介護給付と同じようにサービスを受けることができます。
 今回の改訂では、その予防給付の切り下げが打ち出されています。要支援の方の予防給付を市町村の判断で介護保険からはずすことができるようにするものです。市町村は介護予防・日常生活支援総合事業を創設し、ひとり1人について従来の予防給付を受けるのか総合事業に移行するのか判断できることになります。
 サービスの基準はあるのか、利用者の意思は反映されるのか、財源はどのようになるのか様々な問題がありますが、来年からの実施に向けての詳細は明らかにはされていません。保険者である諏訪広域連合に問い合わせていますが、まだ具体的な運用についての説明がないのでとのことです。
 介護の大変さは必ずしも介護度に比例していません。歩くことができ自分で排泄もでき食事も自分で食べることができても自分がわからなくなり目が離せない、認知症が発症し徘徊してしまう等、軽度と認定されても介護は本当に大変なのです。そして軽度なるが故に受けられるサービスは限られているのです。
 改訂された介護保険法を具体的にどのように実施していくのか、今後安心できる介護保険制度に向けて、広域連合、市町村の対応を求めていかなければなりません。

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