2006年6月議会


2006年9月議会伊藤真智子一般質問 (映像あり)

一般質問
16番(伊藤眞智子) 16番、伊藤眞智子です。
 私は、通告どおり障害者自立支援法に対する市の取り組みについて、職員の健康管理について、教育基本法についての考えをお尋ねします。答弁よろしくお願いいたします。
 初めに、障害者自立支援法についてお尋ねします。
 これは、12月、3月議会でも法施行後予想される問題について、適切な市の対応をするようにと要望してまいりました。障害が重くなるほど負担が重くなる。障害が重い人ほど働きたくても働けず収入が得られない、その人たちに原則1割の利用料を課せられるわけであります。4月からみなし支給が始まり、障害区分の認定も始まっています。10月からは本格的な実施となります。
 利用者にとって原則1割の応益負担が導入されたことによる大幅な負担増、そしてそのことによるサービス利用の手控えが、現に起こっています。
 5月末には利用者に請求書が届き、保護者の間からは憤りの声が上がっています。利用料について低所得のための月額上限額がありますが、同一生計の所得も対象にすることなどから、今サービスを受けている人のほとんどが低所得に該当しません。さらに、これまでになかった資産調査が導入されます。その上に食費や移動のための費用、施設入所者には居住費が新たな負担増となります。市独自の利用者への負担軽減策を講じる考えはないかお尋ねします。
 二つ目に、今回の法律では、利用者ばかりでなく、施設や事業者にとっても報酬単価が引き下げられたこと、さらに支払い方式が月額から日額制になったことなどにより大幅な減収となり、事業所の存続そのものが危うくさせられている大変な事態が起こっています。その影響は、そこで働く人へのしわ寄せとなり、ひいては利用者へのサービス低下につながります。施設へも独自の支援をする考えはないかお尋ねします。
 三つ目に、市町村が主体となって行う地域支援事業についてお尋ねします。
 3月の聴覚障害者の皆さんの要望に対して、手話通訳について今までどおり無料で継続するという市長の回答であり、本当によかったと思いますが、ほかの地域生活支援事業、視聴覚障害者などのガイドヘルパー等の移動支援事業、日常生活用具、相談事業などについて、独自に決められる費用負担はどうなるのか、対象者はどうなるのか、当事者は大変心配をしています。
 また、茅野市でいえばあすなろセンター、ひまわり作業所など小規模作業所をどのような事業体系にしていくのか、地域活動支援センターとして残すのか、今対応が迫られています。
 9月議会で地域生活支援事業については、条例化されますけれども、今検討中だと思いますけれども、基本となる考えをお尋ねいたします。
 次に、職員の健康管理についてお尋ねします。
 今年度より行財政改革プログラムにより、役所の機構改革が行われ、21年までに職員を57人減らすという計画が始まっています。パートナーシップの手法による行政運営など、その準備や時間外の会合、法改正が次々とされるなど、仕事はふえているのではないでしょうか。市民全体の奉仕者として市行政の運営に、職員の皆さんに元気に頑張っていただく、自分の能力を十分に発揮し意欲を持って働くことができる、そして気持ちよく働ける職場環境、そのことが市民サービスの向上につながることだとの立場で質問したいと思います。
 職員の健康管理について、特にメンタル面での健康管理はどのように行われているでしょうか。また、悩みの相談などがどのように行われていて、それが問題の解決や職場環境の改善に役立っているでしょうかお尋ねします。
 二つ目として、4月からの組織再編で仕事量の変化や配置がえに伴い多忙化している部署がないか、残業等の状況についてお尋ねしたいと思います。
 次に、教育基本法改正についての考えをお尋ねします。
 今、国会でまさに論議されている教育基本法、改正を推進する人々がいじめや不登校、学力低下、フリーターやニート、ひいては耐震偽装やホリエモンの事件などまで教育のせいにして、だから教育基本法を改正しろと言っていますが、全くの筋違いです。教育基本法全文と11条からなる法律は、民主的理念に満ちた本当に格調の高いものであります。戦前、お国のために命を投げ出すことこそ美徳と、教育の力で子どもたちを戦場に送ったことを反省し、国家が教育に介入することを強く戒めたのが今の教育基本法で、しかしそれに沿った教育がなされたのはほんの二、三年であり、その後は教育委員の公選制から任命制へ、学習指導要領の法制化、教科書検定、教育現場の管理強化など、教育への国の介入の歴史でした。現場にいて私はそのことを強く感じてきました。それらが子どもをめぐるさまざまな危機の根源にあるというふうに思います。
 大きな問題点は、新たに第2条、教育の目標をつくり、そこに国を愛する態度などの20もの徳目を列挙したことです。そして、第6条には、学校においてはその教育目標が達成されるよう体系的な教育が組織的に行われなければならないとしています。目標達成のための指導が行われ、達成されたかどうかの評価が行われます。
 先日の国会質問で、福岡県初め幾つかの県で、愛国心の通知表があるということが明らかにされました。国を愛する心をA、B、Cで評価するというのです。内心の信条である愛というものを外からどうやって評価するのでしょうか。市民道徳は一人一人の人格の完成を目指す教育の営みの中で培われるもので、法律によって義務づけられるものではありません。人の心は法律で強制してはならないということだと思います。
 二つ目の大きな問題点は、教育は不当な支配に服することなく、国民全体に直接責任を負って行われるべきものであるとする第10条を変質させ、教育振興基本計画を新たに設け、国家が教育内容と方法に介入できるものとなっていることです。国の教育政策のあり方が子どもたちに大きな影響を与える、教え子を再び戦場に送らないと頑張ってきて、またいつか来た道に逆戻りするのではないか、そのことを思いますといても立ってもいられない思いで取り上げたわけです。
 この問題は、茅野市の教育長が直接どうにかするという問題ではありませんが、第10条にあるように、教育は直接国民に責任を負って行われなければならないということで、国のせいやまたほかのせいにできないことでありますので、教育長のお考えをお聞きしたいと思います。
 以上、答弁よろしくお願いいたします。


1市長(矢崎和広) 伊藤眞智子議員の御質問にお答えをいたします。
 最初の障害者自立支援法に対する市の対応についてという御質問でありますが、その中で利用者の市独自の負担軽減策についてという御質問であります。
 繰り返しになりますが、障害者自立支援法では、障害福祉サービス制度を、契約に基づきだれもが利用できる普遍的な制度に見直し、障害のある方も社会の構成員として利用者負担をすることで、制度を支える一員となっていただく、そういう目的であります。そのため利用者負担の見直しを行い、利用者から定率1割の費用負担をしていただくことになっています。
 もちろん大変大きな額になる利用者の方々もいらっしゃるわけでありまして、そういう意味で所得の低い方への負担を軽減するために、どなたでも負担がふえ過ぎないよう上限額が設定されるとともに、所得の低い方にはより低い上限が設定され、さらに資産、収入が少ない方には、社会福祉法人等の負担軽減制度による裁量もされているとこんなことであります。
 その上で議員幾つかの問題が出ているとこういうお話でありますが、当然従来の支援費制度では自己負担がなかったわけでありますから、その分、負担が出るということにつきまして、多少やはり御不満が出ることはあるんだろうと思いますけれども、医療保険、介護保険等々考えましても、基本的には負担と給付の問題というものがいつもついて回るわけでありますし、利用者負担がゼロということの今までの支援費制度の方が、むしろ不公平ではないかとこんな意見もあった内容であります。
 ただ、一番障害を持った方たちが、ある意味では経済的に苦しい、働きたくても働けないそういう立場の方々でありますから、介護保険等に比べましてより配慮のある負担軽減策ができているとそんなように私ども考えているわけでありまして、どちらにしましてもまだ始まったばかりでありまして、いま一つ実態が明らかになってこない部分があります。議員が御指摘いただきました利用者の市独自の負担軽減策、これは利用者、施設ともどもでありますけれども、もうしばらく様子を見させていただく中で、必要があれば市独自の軽減策も考えてまいりたいと思いますが、現時点でそういうことについては考えておりません。
 次に、地域支援事業の考え方でありますが、これが地域支援事業とか地域生活支援事業とか、介護保険は地域支援事業、ここは地域生活支援事業ということで、現場でもときどき言い違いをしたりするわけでありますが、基本的には同じような部分があるわけでありまして、市町村が実施しなければならない地域生活支援事業、これは相談支援事業、コミュニケーション支援事業、日常生活用具の給付、移動支援事業、地域活動支援センター事業ということになっています。
 介護保険の場合もそうでありますし、またきのうもそんな御質問が出たわけでありますが、介護保険もそうでありますし医療もそうであります。基本的に国が財政破綻の中で、やむを得ず地域が地域でできることはやっていくとこんなように切りかえてきているわけでありまして、本来の地域主権という意味では、私たちは全然その方向は構わないわけでありますが、負担だけが地域に来ている、そういう傾向が大変強い今までの三位一体の改革であります。思い切った税源移譲、権限移譲をされた上で、地域で地域の生活を自分たちできちんと支えろとこういうことならば潔しとするわけでありますが、少なくても今まで出てきた部分の国のすべての施策において、国の負担を地域に、特に市町村にしわ寄せをする、そういう傾向があります。
 また、県と市町村でも市町村会の中で不満が出ているわけでありますが、県も市町村に負担をしわ寄せする、そういう傾向があるわけでありまして、もう一度国、県、市町村の役割というものをきちんとして、権限、財源の問題を考えていかなければいけない、そんなように考えています。
 どちらにしましても、今議員おっしゃいましたように、御要望等々をいただいたわけでありまして、コミュニケーション、支援事業等々につきましては、従来無料化、私どもで負担させていただいたものについては、負担をさせていただくという方法で、利用料を課さない方向で検討していますし、お答えをしてきたところであります。
 次に、いわゆるあすなろセンター、ひまわり作業所の小規模作業所でありますが、担当の方の報告によりますと、現行の事業が自立支援法に移行できない場合、これはあすなろセンターやひまわり作業所が就労継続支援や地域活動支援センターなどに移行しない場合は、県の補助金がなくなる方向で今県は検討しているとこんなことでありまして、今あすなろセンターやひまわり作業所も、県の補助金をある程度当てにして運営しているわけでありますが、今のままでは県が補助金を打ち切るというような方向が、どうも出ているようであります。これはこれだけでなく国の方針転換の中、補助金が場合によってはなくなる方向の中で、県が素早く身を引くという施策が幾つか正直言ってあるわけであります。
 茅野市が開所をお手伝いさせていただいて発足をした、病児・病後児保育も、去年までは建設補助も運営補助もあったわけでありますが、それがなくなってしまうというようなことで、これは県に言わせますと補助金が交付金化することによって、県にそれなりの交付金措置がなくなっているので負担をしないとこういう言い方でありますけれども、それはちょっと違うわけでありまして、長野県は長野県で何を大切にするかということをきちんとする中で、国からの手当てがなくなったから県も市町村に支援しないということになりますと、基本的には市町村がそのしわ寄せをこうむるとこんなことになるわけでありまして、このことにつきましては就労継続支援や地域活動支援センターなどの移行も検討する一方で、方向が決まるまでの間、県が引き続き補助金による財政支援をすべきである、そんなことを市長会でも申していきたいとこんなように思います。
 そんなことでもあすなろセンター、ひまわり作業所については、社協やまたそれぞれの関係の方々とも家族会等とも協議を重ねて、特に通っている通所の皆さんたちに支障がないような結論を出してまいりたいというように思いますが、結論は年度内くらいには出さざるを得ないかなと思っていますが、県の方向も見ながら検討を詰めていきたいとこんなように思っています。
 次に、職員の健康管理でありますが、基本的に茅野市の行財政改革プログラムを御説明させていただきますと、確かに市民の方たちの中にも心配の向きがあるわけでありまして、10人の部長を5人に減らす、そしてまた大部制、大課制に移行していく。そして職員を1割強、5年間で減らしていくとこんなことでありますから、一体住民サービスはどうなるのかなという心配と、もう一つは職員に対して加重な労働を強いることになるのではないか、こんな御心配があるわけでありますが、この57人を減らす、そして10人の部長を5人にする、また課を2割強減らしていくということにつきましては、一方的に理事者側や職員係とか企画とかそういうところで決めた結論ではありません。これはそれぞれがそれぞれの部、課、もしくは係までおろした中で、これは減らしていけるのではないか、そういう積み上げによって出た数字であります。そういう意味では、減る課の多くをお調べいただくとわかるわけでありますが、基本的にはどちらかといいますとハード部門が減っていくことになります。区画整理が終わってきましたので都市整備課がなくなっていく、ほ場整備がなくなっていくので土地改良課がなくなっていく、そういう形でそれぞれの課が歴史的な任務、それを済ませたことによってなくなっていくのは当たり前のわけでありまして、片方では新しいニーズによって新しい課が起きてくるということもあるわけでありまして、現状でも今550名くらい、もっと減ったかもしれませんが、いるわけでありますが、そのうちの40何%くらいは、今でいいますと健康福祉部に属するわけでありまして、方向としてはハードからソフトにはるかに切りかわってきている、職員配置もそれに合わせてきているということでありますので、余り市民サービスに影響を与えない、そしてまた職員に無理な労働を強いらない、そういう見通しの中でやらせていただいているということで、基本的には御理解をいただきたいとこんなように思います。
 メンタルヘルス、また相談活動、意識調査等々の御質問でありますが、最初に茅野市におけるメンタルヘルス事業について説明させていただきます。
 平成11年、12年度の2年間で全職員を対象としたメンタルヘルス研修を行い、以後は新規採用職員等を対象として2年から3年に1回程度開催しています。
 平成12年8月には産業カウンセラーの沼倉たか子さんをお願いして、4日間カウンセリングの試行を行い、平成12年度からカウンセリングを通年事業として週1回、午後3時以降2時間程度、庁舎8階西側の控室で実施をして今日まで来ています。
 カウンセリングは、職員のプライバシーを尊重しまして、相談者が直接カウンセラーに相談時間を予約をして、相談内容は基本的には市側には伝わらないというシステムになっています。
 平成14年度から職員の個別面接を部課長職から実施し、ことしで5年目になるわけでありますが、平成17年度までに344人の面接が終了をし、また今後も全職員が個別面談を受ける方向で実施をしていく、こんなことであります。
 メンタルヘルスシートは、心の健康の自己チェックとして、平成13年度から全職員に配布し活用をしています。個人の採点結果は無記名で、庶務課に設置した回収箱に投函するよう協力を求めています。
 平成17年度に回収箱へ採点結果を投函した職員は173名であり、集計による平均点数はストレス度が9.54、疲労度が11.1、うつ度が10.78であります。これはどういう数字かといいますと、比較しますとわかるわけでありますが、国家公務員のサンプル調査による平均値と比較をしますと、国家公務員の平均値はストレス度12.4ということでありますから、私どもが9.54、疲労度が14.9、私どもが11.1、うつ度が14.6、茅野市が10.78ということで、いずれも国家公務員のサンプル調査の平均値を大幅に下回っています。
 そんなことから、全体としては余り気にならない状態だというように考えているわけでありますが、しかし仕事のストレスだけでなく、家庭のストレス、地域のストレス、それぞれがいろんな立場で生活しているわけでありますから、なおこれからもきめ細かなケアということについては、心してまいりたいとこんなように思います。
 なお、組織再編後の残業等々の、また休暇取得の状況でありますが、今のところこの4月、5月、6月超過勤務や療養休暇などが多くなっているというようなことは特にありません。組織再編がそんなに大きな変化を職員には与えていない、そんなように解釈をしていいんだろうとそんなように考えていますが、なおこれからもこの点は注意をしてまいりたいと思います。
 教育基本法に関しましては、教育長からお答えをいたします

◎教育長(牛山英彦) 16番、伊藤眞智子議員の御質問にお答えいたします。
 教育基本法改正に対する考えはとこういうお尋ねでございますけれども、御承知のように現行の「教育基本法」は、昭和22年3月に制定・施行されております。戦後の我が国の教育の基本を確立するために、教育の基本理念、義務教育の無償等について定められておりまして、学校教育法や社会教育法などすべての教育法規の根本になっている法律と、このように認識しております。
 具体的な内容を少しだけ申し上げますと、「民主的で文化的な国家の建設」、「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成」、「日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する」と記された大きく三つの内容の前文と、「教育の目的」「教育の方針」「教育の機会均等」等々、11の条文から具体的には構成されております。
 この現行教育基本法を今国会で改定する、しないを含め、前文等の内容につきまして激しく論議されておりますことは、私も承知しているつもりであります。しかし、その「教育基本法」の前文・条文などの内容改定にかかわりまして、私が今置かれています立場ではその考えを申し上げる立場にはないとこのように判断いたしますので、教育長としての考えは差し控えさせていただきます。
 よって、教育委員会教育長という教育行政をつかさどる立場におきましては、現在の国会審議など国の動向を深く注視し、法律が定められました暁には、国の決定に従って教育行政を推進してまいる所存であります。
 なお、一言だけ申し上げますと、あくまでも私は個人的には、現行の教育基本法は、日本国憲法の精神を受けて制定されているものであり、教育のあるべき重要な事柄は押さえられているのではないかと、現段階では判断しております。
 このようなことしか申し上げられませんので、御理解をお願いいたします。
 以上であります。


















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