みんなの笑顔

みんなの笑顔

1、 静かな僕と元気なあいつ


 タッタッタッ・・・
 あぁ・・・後ろから誰かが走ってくる・・・。急いでるのかな?
 後ろからの足音を耳で感知した僕は、ほぼ無意識に右によけた。近づいてくる足音は・・・。
 僕は眉間に皺を寄せた。せっかく僕が右によけているというのに、左を抜ける気配が全くない。なんなんだ!
 変に思った僕は、チラッと後ろを振り返ってみる。するとそこには見慣れた顔の少年が立っていた。外は寒いこの時期に、コートすら羽織っていない薄着の少年は、熱くてたまらないといった様子で息を切らせている。
「よぅ!!」
 そうして声をかけてきた少年に、僕は真正面から言ってやった。
「よぅ!!・・・じゃないよッ!体が鈍らないように運動するのはいいことだと思うけど、タオルぐらい持って走れって・・・」
「ん?タオル?汗なんか袖で拭けば平気だろッ!」
 はぁ・・・これだから・・・
 僕は、半分呆れた顔で
「外は寒いんだから、そんな薄着で走ってたら風邪ひくよッ。これ、羽織るだけでも違うから・・・。」
 そう言って、今まで着ていた上着を少年に渡した。
 少年は僕の幼馴染で、名前は平田洋輔(ひらた ようすけ)。僕は昔から“洋ちゃん”って呼んでる。

 洋ちゃんは、ありがとうと言って僕から上着を受け取ると、手で持って僕の隣を歩いた。
「なぁ雄ちゃん、雄ちゃんはこれから本屋さん?」
“雄ちゃん”というのも勿論あだ名で、僕の本名は浅木雄太(あさぎ ゆうた)。洋ちゃんから“雄ちゃん”と呼ばれるのなんて、気が遠くなるほど前にもう慣れていた。
「そうだよ、ただコタツにいるのもつまんないから、読みたい本を探してくるんだ。それに、お店なら、暖房費0円で暖まれるしねッ。」
「雄ちゃん、それ、主婦の言うことだよ?」
「節約は大事だろ。」
と、まぁあれこれ話をしているうちに、本屋についてしまった。







続きはまた今度~♪



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