沖縄自治研究会

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徳田報告と質疑応答




○質問者(宗前清貞)  行政法学者で、情報をキーワードにして組み立てている方は、例えば名前としては、どういう人ですか。


○徳田博人  2人ほど挙げますと、京都大の芝池教授(芝池義一「情報管理行政論」室井力他編『現代国家の公共性分析』(日本評論社, 1990年)134頁以下)と公私協働との関係で言及しました重視した九州大学の角松助教授と言う人です(前掲・論文参照)。


○質問者(宗前清貞)  はい、わかりました。ありがとうございます。
せっかく聞かせていただいたのでコメントめいたことを…。行政法学の中で、これほど情報という実態的な概念がカギとなる切り口になっているのは非常に驚いたし、徳田さんのHACCPを中心とした食品安全行政というのが結局は情報の非対称性というのを権利的にどう保障していくかということにつながっていくんだろうなと思っていたんですけれども、こうまではっきり聞いたのは初めてだったので感激しました。

 一つ思ったのは、市場メカニズムが非常に学会の中に侵食していく過程で、行政法学が従来想定していた人間像が相当大きく変換していて、刑法的な弱い人間像から、民事系で想定されているような強い消費者像にかわっているし、そのときに使えるキーワードがインディビジュアルじゃなくてグループという概念を使います。

 ただ、それに対していうとクラスアクションなんかが認められていないという点で法整備が遅れているんだなという印象を持ったんですが、自治行政にもし適用するためには一段階メタレベルで上げたほうがいいんだろうと思うんですが、一つは徳田さんの報告を聞いて思っていたのは、食の安全とか消費者保護行政を通じて得られるであろうところの行政の情報に対する熟達というんですかね。そういうものが実は大事な観念としてはあるんだけれど、それはお金に上手く、あるいはパフォーマンスとして軽量化できないものなので、NPM的なとか、新自由主義的な改革の中だと切り捨てられてしまう可能性が非常に高いと思うんです。それで消費者政策部会のほうは、一旦市場のインフラを守るために必要なものというのがあって、それが消費生活センターなんだというロジックを使っているんでしょうね。


○徳田博人  そうですね。


○質問者(宗前清貞)  僕は何かそれは実は近代資本主義論のかなり基本的な程度だと思っていたんで、例えば先々週亡くなりましたけれども、ロンドン大学のモリシマミチオ先生なんかは新古典派が想定しているマーケットって言うのはバザールの資本主義であって、そんなものは先進資本国にはないというんですよね。あり得ないと。だからこそ実は新古典派が想定しているような完全競争モデルというのはただの神話であって、先進資本主義国であればあるほど、実は補助装置がたくさん必要で、補助装置があって初めて取り引きというのは信頼性が保護できるんだというんですけれども、実は自治の問題というのをずっと突き詰めていってしまうと、ものすごく極端に言えば場当たり的にその都度、その都度考えるということになると思うんですが、マイノリティの権利を保護するときには、ある程度法的な保護というのは必要で、それを自治が行き過ぎると実は圧制になっちゃう可能性だって当然あり得るわけだし、ナショナルミニマムを無視しちゃうことだってあり得るし。あるいはそこまでいかなくても瞬時に成果が出にくいような領域の問題というのを、今はちょっとそんな時代じゃないからと飛ばしてみたりとか、そんなことはあり得ると思うんですよ。それに対して行政法学のほうで、例えば、どういうクライテリアというんでしょうか、判断基準を構築しつつあるのかなというのをちょっと聞きたかったんですけれども。


○徳田博人  ごめんなさい。自治との関係で。


○質問者(宗前清貞)  消費者保護行政の中では、果たして最後のところで確かに相手の土俵に乗ってどこまで行けるのかというのは、ちょっとわからないというようなことをコメントして出していたけれども、本当はわかっているんじゃないですか。


○徳田博人  いえいえ、本当にわかっていないですよ。これは難しいなと思っているのは一つの切り口ではできないなというのは思っていて、さっき言った補助装置、セフティーガードですか。少なくとも消費者の権利を保障するということになったら、裁判所に訴えやすいシステム、司法改革をどう考えるのか。司法まで訴えるのか難しかったら、まさにADRというか、行政にどう訴えるのかとか、そういう整備もしないといけないだろうし、いろんなことを全部、一つ一つ細かくやってみないといけない。

 ただ議論の仕方としては、経済効率性という先ほど宗前先生が報告したことと関連していて、ある観点だけで全部白か黒かという二者択一的議論はまずくて、行政が従来どういう存在意義があって、どこがまずかったから、どういう改革をするのかというのを個別具体的に見るしかなくて、ただ法律家として攻めるときは、まずは権利論を一つ組み立てるのが一つ、論じ方としてあり得る。

 もう一つは公序というか、どういう秩序を考えるのかというのが一つあるだろうというのと、難しいなと思ったのは第3点なんですけれども、消費者観です。今回の答申というのは強い消費者だけではなくて年齢にも配慮しなさい、お年寄りにも配慮しなさいという形で一定程度制度として配慮するシステムはつくってはいるんですよ。でも、これは冗談めいて僕の同僚に言われたんですけれども、「消費者契約法が出てきたときに情報の格差とか、いろいろ場の雰囲気で流されるというのは、どういうことなんだろうね」と言ったときに、「徳田先生がパソコンを業者に『これいいですよ』と言われたらついつい買っちゃうじゃないですか」と言われて、「それですよ」といわれたんですよ。そうだよな、言われてみたら、いい人だからとか、信用してよさそうだからとか、もう一つのパソコンを比較してみるとか、そうことをしないんですね。だからこそクーリングオフとかがあって1週間ぐらい期間を置いている。

 ところで、近時の消費者法関連の改革の議論では、強い消費者像を前提に、ある程度制度的に議論を組み立てている。しかし、そんなに消費者がクールに動けるかというと難しいのではという思いもある。でも、現状を改革するために、どうこの二つに接点を見出し、先に進む議論を組み立てるのか、難しいのです。

 従来は保護という形で全部行政が守っていたのを、こういう枠組みにしたときにどうするのかといったときに、これが個人だけの問題なのか、同じような問題がいっぱい出てきているときに自治体の果たす役割というのは、やっぱり苦情処理とか、そういう役割というのは、さっき言った補助装置として、ナマの生きた人間の声を聞くという意味で非常に重要な役割を果たすと思っています。そういうまだ一つ一つの制度を詰めたわけではないんですけれども、難しいなと思っているところです。つまり、具体的な消費者問題もあるし、消費者像のとらえ方といった抽象的議論もある。様々なレベルの問題を、どのように整理するのかも含めて、多くの課題がありますね。宗前さんの質問の答えになっておりませんね。すみません。


○質問者(宗前清貞)  実は、いやいやこれは無茶な質問だったと思っていて、僕だって答えはわからないので、とりあえず投げてみたんですけれども、もう少し自治体に引きつけた話にして考えてみると、徳田さんが想定している情報の入手経路をどうやって行政は開拓していくか。また、おいしい情報というのを提供者にあんまり損をさせずに、なおかつ消費者というか、主権者であるところの国民に対する責任も果たしつつ、どう提供するのが最もいいかということを一生懸命考えていかなければいけないよねという話ではあったと思うんですよ。

 ただ、それは行政の側が受け取った情報を適切に処理できるという前提があって初めて成り立つわけで、自治体の場合はローテーション人事があったり、例えば消費者保護センター一つを取ってみても出先として位置づけられていて、それが政策決定回路に対してフィードバックするような仕組みが全然保障されていない。もっと生々しいことを言えばしょんぼりしながら出向していくというようなところに県庁だと位置づけられているケースが多いので中枢じゃないんですよね。だからポテンシャル、潜在的な可能性としては非常に情報センサーとしての役割があるはずなのに、それはしばしばメインストリームとしての回路には乗っていないというのは、すごく問題じゃないかなというふうに私は思います。


○徳田博人  鋭いですね。まさに消費者行政というのは二つの側面があって事業者との関係と消費者との関係ですね。三面関係の中で、消費者行政の在り方を考える必要があるでしょう。例えば、情報に関連していうと、苦情処理などで得た情報をまさに事業者に対するいろんな規制とか施策にどう反映させるのか。苦情処理なり、別のところで得た情報がここにどう反映させるのか、その際に、情報収集から規制過程に至る過程が機能するために何が必要なのか、そういった問題意識が重要だと私も思っています。ただ、このへんになると行政学的な官僚制の研究も含めて、考えてみる必要があると思います。


○司会(島袋純)  他にありますか。


○質問者(江上能義)  興味深いお話、ありがとうございました。幾つか聞きたいんですけれども、行政法の門外漢でありますので教えていただきたいんですけれども、市場原理の考え方がこういった消費者行政の中に、かなり浸透しているという、そういう基本的な前提でのお話だと。


○徳田博人  そうですね。


○質問者(江上能義)  それは、やっぱり徳田さんの消費者行政というか、そういう消費者行政法、それ以外の分野でもやっぱり市場原理というのが、日本の法律の世界でいろんな各分野で浸透しているんでしょうか。


○徳田博人  典型的なのが社会保障だと思います。介護保険ですね。


○質問者(江上能義)  やっぱり日本の行政が市場原理的な発想でニューパブリックマネージメントとか、どんどん導入しておりますので、当然それは法律に反映されていくということですね。


○徳田博人  そうです。


○質問者(江上能義)  私は25年ぶりに早稲田に帰ったんですけれどね、私が早稲田の大学院学生のところは全共闘体制で、「産学共同路線で粉砕」なんて、ところが今早稲田に戻ると、もう産学共同のいけいけで、その使い走りをやらされて、これは25年で大きく変わって、まさしくこの日本社会は、世界中がそうなのかも知れませんが、市場原理ががっちりと深く広く浸透しているということですよね。それはやっぱり行政も法律も反映していて、それこそ公共系の公共とはいったい何なのかということは、それはおそらく徳田さんは考えておられるんだと思いますけれども、そういう意味でいろんな課題があって、例えば公私協働論とか、そういういろんなあれがあると思うんですけれども、ということは法律の分野でも、さっき言ったいろんな分野で、そういった市場原理がどんどん入ってきているということですね。社会保障もそうですし、他の分野でも、多分いろんな分野が反映されているということですね。

 もう一つ聞きたいのは、これはちょっと論点から外れるんですけれども、消費者行政という観点で、アメリカのちょろちょろと言っていましたけれども、アメリカのことも留学されていますから詳しいと思いますけれども、今ハイテクの植物がいろいろありますよね。遺伝子組換えのあれとか、狂牛病の問題もありますよね。ああいうので、結局アメリカというのは、とにかく行けいけどんどんで、見ていると、消費者行政というのは非常にアメリカは強そうですけれども、消費者の権利というのは、どんどんどんどんやっぱり生産者、事業者のあれにおいて後回しになっているような気もするんですけれども、そのへんのところはアメリカはどういうふうになっているのかをお聞かせいただきたいんですけど。


○徳田博人  アメリカの場合には、例えば、連邦食品医薬品局(FDA)にしろ、他の消費者行政機関にしろ、いろいろなルールをつくります。行政立法、各省庁の政令とかつくりますよね。その際、消費者の権利と規制といった問題の立て方、つまり規制か選択の権利かなんです。しかも、行政立法の段階で、これは立法はおかしいという形で国民が意見を言えるし、住民とか消費者団体、あるいは事業者も、行政のアカウンタビリティが不十分だと思ったら、その段階で裁判所に訴えることもできます。

 企業が得するようなシステムはつくらないんですね。事後規制でも日本の場合だと例えばBSEとか食の安全で食中毒を起こしたと仮定します。入院費に1,000万円かかった。損害賠償は企業に対して1,000万円しかもらえないんですよ。訴訟のやり方は弁護士が間違えて800万と言ったら、800万円しかもらえないんですよ。アメリカの場合には、こういうことが二度とないように、故意的にやったとしたら掛ける2倍、3倍もらえる懲罰的損害賠償制度がある。このようにフェアな形を一定程度担保して、情報はある程度提供するけれども、提供した後は消費者であるあなた方の責任ですよという、そういう理念があるみたいです。でも、実態はそれだけ賢い消費者かというところになると、ちょっと問題はあると思うんですけれども、というのは最初、僕はデラニー条項というのをやっていて、デラニー条項というのは、ある物質が添加物にがんが誘発するかも知れないよ。そうしたら市場に出たらいけないという条項ですけれども、サッカリンに関しては例外的にサッカリン表示法といって市場に出してもいい。ただしサッカリンが入っていてガンを誘発する恐れがあると表示をしなさいという規制がある。アメリカにいた頃、スーパーに行って見ていたら、甘味料として、普通の砂糖とサッカリンが入っているので倍ぐらい値段が違うんですね。そしたら、消費者は、多くの場合、安いほうを買うんですよ。表示は案外見ていない。法的な理念としてはちゃんとやっているのに、そこをどう考えるのか。でも、アメリカが、すごいなと思うのは、アメリカは行くだけいって失敗したなと思ったら戻ってくる時計の振り子理論みたいなところがあって、市場という原理であれ、その原理や理念に基づいて改革を行ってみて、ちゃんと戻ってくるという感覚があるんです。日本は大きな事件があって何かない限り、なかなか進まないところがあるなというのが一つと、もう一つなんですけれども、先ほどの消費者の訴訟との関係で言うと、クラスアクションとか、いざといったときに消費者が裁判に訴えたときに企業が悪いことができないシステムはつくるんですけれども、日本の改革の場合には、例えば株主代表訴訟なんかでもそうですけれども、企業が潰れちゃうよということになって、一定の制限を設けたり、あるいは今回の消費者法制改革の問題なんかでも集団訴訟は認めないかもしれないなという心配もあるんですよ。集団訴訟がなぜ重要かというと、次のような事例への対応という問題です。たとえば、灯油で一人一人の損害としては1,000円とか1万円だとかなんですけれども、裁判に訴えたら50万円、あるいは100万円ほど、訴訟費用がかかるから、ほとんどの人は訴えないと。訴えたとしても100人200人だったら、企業は、300万ぐらい払えば終わる。でも企業としては不正取引のお陰で何億と儲けている。アメリカだと正義心のある人が、わずか2・3人でも訴えて被害者全員分の損害賠償を請求できる。場合によっては、懲罰的損害賠償だって請求できる。そうすると、企業は、やみくもに違反なんかできない訳です。日本の場合は団体訴訟とか認めないがゆえに、企業が最後は損をしないような、つまり、企業が潰れないシステムをどこか残している。アメリカは、こういうところは潰れてもいいじゃんという割り切りをしていうような気がするんですね。

 また、アメリカだと、ある理論があって、その理論に即した形で制度が案外できるんですよ。少なくとも、理論と関連させながら、制度改革が行われ、かりに、それに沿って改革が進まない場合、その理由が問われるシステムがあるんですね。透明性が確保されているというか・・・。


○司会(島袋純)  無理やり宗前さんと徳田さんの話を結び付けようという試みなんですけれども。


○徳田博人  ありがとうございます。


○司会(島袋純)  基本的にやはり情報の格差、先ほど宗前さんの話だとwithin-outsiderあるいは専門的な情報の独占者たちがいて、それに対抗情報源という言葉を使っていましたが、基本的には対抗情報源的なものを、どう位置づけて行政手続あるいは裁判の手続きを、あるいはグッドガバナンスの中に埋め込んでいくかという問題かなという気がして、今それで二つの話が結びつけられるかなと。

 結局、アメリカでは例えば、企業の中にコンプライアンスの問題。今日、企業がいると思いますけれども、内部告発をすればその人を保護するシステムがあるじゃないですか。それがwithin-outsiderをちゃんと保護して情報提供させると。だから三菱の問題だとか、あんな問題が起こって内部告発者がどんどん出てこれる。出てきやすいシステムですよね。だから日本の場合は企業と業界と行政が一緒になって、インサイダーになってしまって、しかも一番情報に近いところに情報を提供させるといったらまともな情報は提供しないわけですね。それが三菱の問題であるし、ミドリ十字社の問題であるし、だからコンプライアンスの問題が非常に低いというか、劣っているというか。その問題は企業にしてもそうだし、行政にしてもそうだし、アメリカみたいに内部告発者を保護して、対抗情報源として生かす制度設計が全然なされていないという問題と、それと内部告発者だけじゃなくて、外部にやはりラルフネーダーみたいな対抗情報源の組織的なシステム、これがないし、しかもガバランスの中に組み込まれていないという点。だから、そこが非常に大きな問題点じゃないかなと。これをおそらく沖縄だけの問題に限らず、日本全体で、このシステムを今から構築しないと三菱はまた起こるし、ミドリ十字社はまた起こるという問題ですよね。

 だから、コンプライアンスという言葉が出てきて思ったんですけれども、やっぱり対抗情報源あるいはウィディンアウトサイダーこれをどう出てきやすいように、しかもガバナンスの中に位置づけていくかという、これをどう構築するかなというのが私の感想です。

 それで、一つその中で考えて思ったのは後期資本主義とか晩期資本主義とか、いろいろ資本主義の発展段階論というのがあって、それで大学院時代いろいろ勉強したけれども、なかなか難しくてなかなかわかりにくかったんですけれども、基本的にバザールの資本主義と言っていますけれども、現代の資本主義というのは全然違う資本主義で、国家が市場の中に大介入しない限り、市場の原理そのものが破壊されてしまうという。そういう時代ですよね。その中では、もう市場を生かすも殺すもというか、国家がなければ、市場さえも生きていけない。存在し得ないという中で、その中、基本的に、中央の様々な諸機構、裁判制度も、公正取引委員会もいろんなのを合わせたのと、それから地方自治体との間で役割分担をどうするかということ。それがもしかしたら自治基本条例とか、あれ県レベルの自治基本条例を考える上で非常に重要になるかなと思って、それでお話を聞いていると経済規制的なことは国が。それから消費者保護的なことは県あるいは自治体がというイメージなんですけれども。沖縄の場合は総合事務局にある公取室が、実を言うと県域の経済規制的なことも取り扱っているんです。県も全く同じ領域を取り扱っている。それで基本的に僕の発想としては、国家機能を持った県というのをつくったほうがいいんじゃないかと思っているんで、総合事務局の公取室の機能も県が持っていいんじゃないかという発想があるんです。

 新しい道州制の問題ですけど、だからどういう意味かというと国家的な機能、国家が市場を管理する、あるいは市場を活性化する。あるいは経済規制を行うという。そういった役割を持った自治体というのを両方備えたような自治体という。これは広域レベルの自治体ですけれども、それを道州制の新しい姿としてみるということはできるし、しかも、経済規制と社会規制的な部分。それをしかも統合するというのは、こんなことでしかできないのかなというイメージです。これについて積極的な案をお願いしたいんですが。


○徳田博人  後者については、ちょっと考えてなくて、多分何となく道州制に関しては少しちょっとまだアレルギーがあって(笑)、ここはまだこれから勉強します。僕の研究スタイルは、自分の研究テーマから少し広げていって、そこから発言を確実にもっていこうとするものですから、自治の問題にたどり着くまでに、時間がかかったので、これからあれこれと考えてみたいことが多々あります。

 さて、島袋純さんのもう一点の指摘ですが、つまり対抗的情報に関する指摘は鋭いなと思って、本当にいい勉強をさせていただきました。ありがとうございます。ミスったなと思ったのは内部通報制度については法律ができました。公益のために通報を行った労働者に対する解雇等の不利益な取扱いを制限する法律で、「公益通報者保護法」と呼ばれている法律です。これについてはまだ詳しく勉強していなので、詳しいコメントは避けます。しかし、対抗的情報源が出やすい環境という観点から、この法律をどう評価できるのか、あるいは、その法律との関連性、そういった観点からまとめると面白いのができそうだなと思って本当に嬉しく思っています。後でいろいろまた教えてください。島袋先生のおっしゃる通りだと思います。


○質問者(宮里大八) 宮里といいます。今日、お話を聞いていて思ったのは、ちょっと具体的な話になるんですけど、2枚目のトレサービリティという点で、最近大変興味があります。先ほどHACCPとか、最近ではISOの22000というのができるという話を伺っているんですけれども、この食の安全という先生の分野ですけれども、その食の安全を保障するため消費者に対して、それは企業側がやるのか。それとも行政側がやるのかというのも大きな問題になっているのかなというふうに私個人的に思っているんですけれども、その企業が、果たしてどこまで食を安全に提供するか。もしくは生産者、農家の方々がどれだけ無農薬であったり、有機栽培であったり、そういったものを提供できるか、もしくは行政側としてそれをどう情報をきちんと明確にして提供できるのかというのを最近いろんな文献を読んだりとか、講演会に行って考えるようになったんですけれども、先生のお考えで、もし行政と企業と消費者の先ほど三つの体系図があるということだったんですけれども、それで食の安全ですとか、消費者に対して、どういったものが必要なのかというのをお聞かせ願えればと思います。


○徳田博人  基本的にトレサービリティをやる責任者は業者です。これは企業の責任だと思っております。農場から食卓まで。行政がやる仕事は基本的に検証です。その履歴として情報として残ったもの、つまり、企業が記録に残しているものが正しい情報なのかどうかということを確認する。これに対して消費者のほうは、まさに知る権利の行使をどのように実効的に行えるのか。企業の情報を公開してもらい、行政に検証してもらう。そのシステムの中で、対抗的情報源というのがどういう役割をするかというのは、今日、このような考え方を教えて頂いたものですから、今後、検討課題の一つにしたいと思っておりますけれども、基本的には行政自身が、消費者の立場に立って、検証し、消費者は消費者で行政に対して、あれこれと請求できるシステムが必要になると思います。

 要約すると、最も情報源をつくりやすいところは事業者でしょうから、第一次的には消費者に対する情報提供のシステムを内部的に制度設計する責務を企業がもつ。ただ、その際にそれに関わるインフラに関しては、食とか商品に内部に加算されるでしょうけれども。商品の保障システムの拡大と考えればいんでしょうね。そういったシステムの適正化を前提にして、行政や消費者がコミットできる仕組みを組み込む必要があるかと思います。漠然とした答えになってしまいましたが、よろしいでしょうか。


○司会(島袋純)  では時間になりましたので終わりたいと思います。


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