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沖縄自治研究会
大城と松島報告 質疑下
効率的な話じゃないですけど、純経済的にいって、今中国の元とか、台湾ドル、これを例えば2割でも3割でも、仮に上げるとなった場合、おそらくは沖縄から台湾、例えば同じ品質のレベルであれば、絶対対外国内での生産というんですか、よりは安くなるし、台湾の企業は中国に行っているんでしょうけど、そういう為替的な、沖縄から輸出するときに、為替を輸出品に対する所得について課税しないとかいう、変な話ですけど、所得として、例えば100ドルの物を相手の国に売って、経費を差し引いて、例えば所得があって、それに課税するわけですね、国のほうが。そういったものを、沖縄から直接輸出品については課税を掛けないと。ということは、実際税金を掛けないことになるわけですから、その地域はある程度限定してでも、中国沿岸部とか台湾とかの、しかも大都市、代表市に向けるときにはという。あと、あそこについて、目的地にも品物を納めてしまったら、流通はあそこのほうではフリーにすればいいわけですから、そういう形の法制度を、これもやっぱり最終的には、政治とかに絡んでくるんでしょうけど、うまい具合に工夫して、日本政府の幹部が認めるような、何かそういう特別にものでも数を限定した形の輸出奨励のシステムぐらいは認めてくれるんではないかなというふうに、私は甘い考えしているんですけど、これはどうなんでしょうか。
○大城肇 氏 こういうのができるといいと思います。輸出奨励政策は、実はWTOで禁じられておりますので、日本としてはできないということになると思います。
ですから、別の形で実質奨励できるような形で、例えば原料のほうを輸入するときに免税をやるとか、あるいはフリーゾーンのときに問題になっていた輸入割当なども、沖縄に入れるときは適用外にしますとかいう形で、直接的に輸出奨励ではないけれども、間接的に輸出を奨励するような制度を工夫することは可能だと思います。
○東江 氏 沖縄の会社が、例えば台湾とか中国で、運送代がだいぶ安いでしょうから、沖縄の会社が現地法人をつくりまして、輸入カンパニーをつくって、台湾とか中国のそこでつくるわけですから、一応現地法人で、ある意味でダミー会社なんでしょうけど、そういうところに輸出するときに、事実上値引きして買う形にすれば、実質的に、極端に半分とかいう、そういうことはないんでしょうけど、2割、3割安くても、これは例えば台北の都市部や上海は、かなり物価が上がっていますから、ある意味ではこれはいけるというんですか、逆に、普通は今、日本企業が中国に、台湾企業もそうですけど、中国のどんどん奥地に行って、現地の人使って日本に輸出しているのを、逆に沖縄はまだ日本本土の中で人件費も安いですから、台湾でも台北と都市部、また上海と、比較的沿岸部の物価が高いところに現地法人をつくり、そこに向けて、ミサイル発射じゃないですけど、集中豪雨的に輸出していって販売するという。
ずるい手かもしれませんけど、それだったら、例えば泡盛について、先生がおっしゃるように、今、きょうの新聞を見たら、税収が非常に上がっていまして、ということは売れているということで、かなり日本本土でも、私、広島に転勤したときに、やっぱり結構沖縄で転勤した人たちというのは、泡盛をよく飲むんです。東京でもその話聞いていまして、昔に比べて品質もよくなっていると。やっぱり売れる商品じゃないかと。だから台湾とか中国でも、これはやっぱりそれなりに泡盛は売れるブランドにはなっているので、そういうピンポイント爆撃的な形で沖縄から会社が向こうで現地の人に会社を設立して、専門に輸入させるという形で、法人設立は向こうでやれば、台湾でしたら同じ制度ですから、やれるでしょうし。
そうすると、結構有望な商品の販売というのは増えてくるし、また台湾とか中国沿岸部でしたら、沖縄の人は、例えば廈門沿岸なんて大体日本人の留学生のうちの9割は確か沖縄県出身者とか、台湾の台北でも、割と沖縄とつながりある人もいるということだし、こういう売れる、まさに松島先生のおっしゃったとおりの人的なネットワークを使っていけば、今までの予想もしなかったような利潤が見込めるんじゃないかと。
実はそれだけじゃなくて、ちょっと漁業のことでいいますと、モズクは今県のほうあたりは、中国あたりではカワモズクですか、環境保護ということで、モズク採取をある程度抑えている。それですけど、そのへんが、モズクというのは、実は沖縄でしかできないです。サンゴ礁がないといけない。ところが台湾はあまりないということで、モズクとしては売れる商品があると。だから、まさに海のもの、繊維のものは売れるし、近いし、そして人的なネットワークはあるし、日本本土に販路を広げるというよりも、やはり台湾の、しかも大都市の台北、上海、廈門と、そういう昔の久米系の人たちが来たところを、逆のルートで販路を広げて経済圏を広げるほうが、率的には勝算はあるというふうに、私のほうは見ているんですけど。
そこでやっぱり最終的な、制度としてはそういうことも地元の人はやるだけじゃなくて、これからはもっともっとやっていくと、多機能的に、道州制でいきますと、どうも他府県の道州制を見ていると、経済的な権益を得るために、中央政府から離れてでもやったほうが利潤がいいということで、関西系もそうですし、特に九州あたりに、北部九州から中国の日本海沿岸もそうですから、皆さんどこの州も、どうも中央政府のコントロール化にあるよりは、近い中国を目指して、やっぱり交易を広げていったほうが経済的地域の振興になるというのが大体共通認識なので、何も沖縄だけが特殊なものではないので、そういう意味ではスクラムを組んで、ある意味で輸出奨励のためのブロジェクトじゃないですけど、日本政府が道州制と一緒に睨んだ形のものができるんじゃないかなという、個人的に見ているんですけど。いかがなものでしょうか。
○大城肇 氏 非常に共感します。おそらく、台湾あるいは上海、そこの市場が有望であるというのは確かだと思います。いろいろネットワークもあるというお話でしたので、可能性はあります。私は台湾に2000年以降ちょこちょこ行っていますが、台湾では意外と沖縄は健康ブランドという形でのブランドが定着しつつあります。ですから、今おっしゃるような、泡盛とか含めて、健康食品関係は有望です。モズクは、私がさっき言った分類では水系にも糸系にも入りますが、沖縄産のモズクは健康にいいというブランドがあります。だから、多少高くてもいいというのもあるように受け取りました。これらに対して、今おっしゃるような制度的な面での優遇措置をとれれば、販路開拓は進むと思います。
現に、物産公社がありますが、海外でどれだけ売っているか、ちょっとそこがわかりづらいところがあります。ただ、県の姿勢といいますか、これは政府の姿勢かもしれませんが、台湾に関しては、中国に遠慮しているような気がします。台湾については、例えば正式な国交がないとかいう理由を建前に、逃げています。ですから、先ほど松島さんの話にありましたように、台湾の方から沖縄で企業展開したいという要望あるけれども、なかなか本気になって受け止めてくれないというのが、問題だと思っています。
おっしゃるような形で、例えば運賃の助成とか、あるいは運賃割引とかいう形で可能性を出せれば、向こうへ行っても価格面では負けないと思うし、沖縄ブランドというのが定着してきているので、有望です。
さっき言い忘れましたが、糸系と水系の分野を組み合わせて、これを僕は健康と環境と観光を含めて新3Kと言っています。新3Kに沿った循環型産業システムを構築できれば、沖縄が生き残れる道はあるんじゃないかと。幸いに台湾などでは、そういう健康ブランドというのが沖縄に対して、例えば日式と書いていて沖縄というのが入るだけで付加価値がつきます。それと、黒糖にしても、沖縄のものは本物だという評価があります。そういった沖縄ブランドが定着していくのはいいことです。
ただ、彼らから日本製というものに対して、日本製のブランドに対する信仰みたいなものもありますので、日本ブランドと抱き合わせで沖縄のブランドを戦略的に売り込んでいったら、可能性は広がるのではないでしょうか。非常にいい視点だと思います。ありがとうございます。
○松島泰勝 氏 今後、沖縄が沖縄独自に道州制を敷いた場合、アジア経済との関連というのは非常に重要になると思います。
先ほど、島袋先生から聞いたんですけれども、日本の経済同友会とか経済財政諮問会議においては、九州の県と沖縄を合体させて道州にするという案があるそうです。これは言ってみれば、沖縄だけの、島だけの経済を維持するためには、九州島と組んだほうが経済規模からみていいというようなシミュレーションがあるそうです。
しかしながら、この案は、沖縄が閉鎖的な島であると考えた話でありまして、沖縄の経済力、経済ネットワークを、アジア、中国、台湾等々に広げて、広い意味で沖縄の経済的可能性というものを実現化していけば、沖縄独自の道州制というのは、経済レベルの意味でも可能性があるのではないかと思います。その方法に関しては、大城先生がおっしゃったように、沖縄が持っている特性を生かしていくという、それを具体的にやっていく。
経済学者はこういった道筋を具体的に明らかにしていって、県民を沖縄だけで道州制を実施していくと説得する必要があると思います。
特に中国の場合は、賃金も安く、技術水準も高い。沖縄は、中国を含むアジア諸国がどのような法制度、また経済的な状況にあるのか、いろんな調査をして、その中で沖縄が何ができるのかということを、具体的に明らかにして、そのための方法論なり、企業のやり方、出方を具体的に提言していく必要があると思います。
○藤中寛之氏 大変興味深いお話、ありがとうございました。
今、松島先生がおっしゃいました、沖縄だけで道州制を導入するということで、関連する質問をさせていただきます。
松島先生の2枚目のレジュメで、援助政策の見直しのAで、世界銀行、アジア開発銀行による構造調整政策の実施で、政府部門縮小で、公務員の方を減らすということを指摘されました。この点と、(4)の、なぜ島嶼の経済自立が困難かということで、ガンバランス上の問題、政治家が商売上外の世界といろいろと利権関係でつながっているということをご指摘いただきました。
この2点がとっても、先生がご指摘された道州制において、沖縄だけが別個の小さな州になる上で非常に重要なポイントになるかなというふうに自分は認識しています。というのは、今の構造、中央政府からいっぱいお金が流れてきて、その中で非常に既得権益を持っている方たち、公務員の方や建設業の方とか、そういう方たちがいらっしゃるわけですけれども、沖縄が別個でやろうとするのだったら、その既得権益にいかにメスを入れることができるのか、ということが非常に大きな分かれ道であると認識しています。先生が今まで太平洋の島々をいろいろと研究された中で、何か良いアドバイスがありましたら教えていただけたら幸いです。
○松島泰勝 氏 この政府部門の縮小に関しては、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島においては、政府職員全体の2割とか3割減という形で、大規模な人員削減はもう既に進んでおります。もうそうしなければ、アジア開発銀行は融資をしないといっています。失業者が当然、生まれます。
しかしながら、島においては民間企業というのはほとんどないので、どうするかということになります。幸いなことに、ミクロネシアの多くの島々ではサブシステンスとう部門があります。これは生存部門ともいいます。島の作物、タロイモ、ヤマイモ、いろんなイモ類ですね。サンゴ礁には魚がいる。だから失業しても飢え死にはしない。自給自足の生活に戻るとか、また、村の祭りをするとか。そういうふうに生き方を変える。太平洋の島々も沖縄も似ているようなところはありますので、沖縄も1つの選択肢として可能性はあるかと思います。しかしながら、沖縄は130万人の県ですので、必ずしも全員が自給自足するわけにいかないわけです。だから、沖縄では本当に抜本的な政策が必要である。だからこれは、免税措置や税金を少なくして、ほかから企業を呼ぶ。また県内の企業の足腰を強くするため、いろんな経済的な仕組みをつくっていく。
そういうふうに、沖縄が単独で道州制なった場合は、どうしてもやはり身軽にならないと、コストがかかりすぎる。財政赤字が深刻になれば、じゃあ九州と合併するしかないんじゃないかということになる。そうならないためにも、沖縄とアジアとの経済的な関係を強化して、沖縄の経済レベルもアップする。だからといって開発至上主義になるんじゃなくて、自然も残す部分は残す。失業した人も、自立のための1つの選択肢として、自然とともに生きるという方法も残すぐらいの豊かさをもつ島であったらいいなと思います。
「ガバナンス上の問題」という言葉は、他面では政治的な言葉でもあります。太平洋諸島政府にガバナンス上に問題があると厳しく指摘しているのは、オーストラリアとかアメリカの政府です。彼らは自分たちの援助政策が失敗した原因として、その責任を島嶼国になすりつけている部分もあります。実際、汚職もあるんですが、それだけが島の経済混乱の原因ではないと思うんです。
ガバナンス上に問題があると、オーストラリアとかアメリカが主張して、じゃあ自分たちが出て行こうといっているわけです。ですから、このガバナンス上の問題にしても、これをだれが言っているのか、その言っている背景に何があるのかということも考えないといけないと思います。
○比嘉俊雄氏 浦添市役所に勤めております、比嘉俊雄と申します。
先ほどから、沖縄の場合も、南ミクロネシアと大体似通っていると。ある意味では依存体質から抜けきらない部分がある。それが沖縄においては、軍事基地と財政問題なんです。
それで、どうしてもそういう経済自立を考える場合は、軍事基地と切り離しては、とてもじゃないが考えられないんじゃないかな。今はどちらかといいますと、いわゆる振興策と。基地をあてにして振興策を推進するという風潮が、皆さんご承知のように、沖縄では大きいわけですけれども。
ただ、マルタではそういうふうなところからイギリス軍が撤退していって、全く軍事的なサービスというのがゼロになったというようなことなんですけれども、それがそういうマルタの経済構造とか、その軍事基地で潤っていた人々というのに対して、何ら影響というのはなかったのかな、そのへんをちょっとお聞きしたいなと思います。
ミクロネシアとか南太平洋は、何となく沖縄人と同じような、行ったことはないんですが、何となく感覚的にわかるような感じがするんです。だがしかし、そういった意味では、なかなか依存体質から抜けきれないお互いの生理的なものも持っているのかなという思いがあるんです。そういった意味では、マルタにおいては、全くそういったものは切り離して、自ら独立したというのが、どういう背景があったのかなということをお聞きしたいと思います。以上です。
○大城肇 氏 吉経済のウエイトが、ちょうど返還される直前になると、経済全体のGDPに占めるウエイトが5%前後まで落ちていたというところがあって、ある意味では基地が切り離されても、大きな落ち込みはなかったということです。実際のところ、少し経済成長率は落ちています。大きな落ち込みはなかったわけですが、その分は製造業とか、特に当時はすぐ製造業のほうに雇用吸収を求めるという形で、政策を展開していったというところがありました。ですから、返還した後は製造業が結構伸びて、前から製造業のほうのウエイトは高かったですが、そこが受け皿になったというのがマルタの軟着陸といいますか、ソフトランディングさせた理由だろうと思います。
だから、1つは基地経済のウエイトがそれほど高くなくて、製造業という受け皿があったということです。そこを乗り越えて行って、フリーポートとか国際金融、そういうところにだんだんウエイトが移っていったということになります。
おっしゃるように、沖縄の場合、依存体質からの脱却という点では、基地と財政はリンクしていますし、その意味での基地の存在は大きいと思います。だがこれは基地そのものが既得権益化してしまっているというところが大きいですし、一般の皆さんも、基地収入というので、何か恩恵があると思っているフシがあります。基地「収入」という捉え方は正しくないと僕は思っています。あれは基地を維持する「コスト」であるわけですから、そうとらえると1,800億円とかいうのはかえって安すぎます。沖縄側はもっと要求していいと思うぐらいです。しかし、それがないとやっていけない既得権益にしがみついている人たちがいるわけです。特に土建業者など。
だから、それから脱却しようとすると、今はやっているような、じゃあカジノでもつくろうかと、そんなところに議論がいってしまって、結局は箱物をつくって、そこで食いつないでいくというような、そういった場当たり的なやり方をやり続けるという気がします。
ですから、おっしゃるような依存体質から脱却するというのは、ある意味では難しいかもしれませんが、やっぱり意識を変えていって、基地を維持しているコストじゃなくて、むしろそれに代わるようなものを、別の形で平和的に、新しい産業などを生み出していくというような意識の変換がないと、なかなか難しいと思っています。
だから、かつては国の委託仕事をやったこともありますが、報告書に基地のことを書くというのは、これは必ず削られました。基地のことは書いてはいかんということになっていましたが、今は逆に、国のほうが基地を全面的に出してきて、それでどうですかという形でくるわけですから、だから、開き直られているような感じもしないでもないです。だからこれはあくまでも基地を、財政の一部も含めて、 基地を維持するためのコストであって、だからこれを基地収入とかいう形での恩着せがましい言葉はやめたほうがいいと思っています。
ちょっと答えになったかどうかわかりませんが。
○高良鉄美氏 今の基地とも関係するんですけど、非常に興味があったのは、松島先生のあれで、島の土地の所有を、島の人たちの共有にして、外部からの人たちが取れないようにするという法制度をつくっているというのは、いろんな非難もあるのかもしれないですけど、すごく僕は大変大事なことかなと思っているんです。
やっぱり大きな国、土地がいくらでもあるというところと違って、島嶼というのはどうしても限定されているし、それがある自由化されて、ぽんと島ごと買ってしまうというようなことはあり得るわけで。やっぱりそういうことをつくったということは、ある意味はその島々が、自分のところに対してのすごい思い入れと、自立かどうかわからないけれども、ある意味では理念をもって強くやっているわけです。その部分というのは、僕は必要かなというような感じがあって、非常に参考になったわけです。
ですから、そこらあたりが、経済との関係でうまくいってない部分があるのかもしれないですけど、将来的な展望として、そこはむしろ独自のものができ上がってくるんじゃないかなという気がして。
先生が先ほど、長い目で見ると、最初は大したことない地域とか何とか言っていたけれども、やっぱりそういうふうに長い目で見るというのはすごく大事なことかなと思って、なかなかない地域性とか独自性とか、そういうもので、ちょっと何かその件について、もう少し詳しいお話があれば、お願いしたいんですけど。
○松島泰勝 氏 私はかつてパラオに住んでいて思ったんですが、土地の共有制にパラオ人が非常にこだわっているという理由は、やはり、土地というのはただ単に経済開発の手段ではなくて、自分たちの文化、物語、また神様がいると考えている。これはあくまでも自分たちのものであるという考えが非常に強いなと思います。
パラオの土地制度、経済と、グアムの土地制度、経済を比べると、非常に対照的です。 グアムというのはアメリカの領土でして、土地の私的所有権が保障されています。グアムは観光業で有名ですけど、ほとんど日本企業が支配しています。つまり、日本企業はたくさんお金を持っていますので、グアムの有名な海岸沿いを買い取ってホテルを建てています。日本企業は、自分たちだけでグアムから観光収入を吸い上げて、日本の本社に送る。グアムのチャモロ人と呼ばれる先住民族は、観光業の発展による経済的利益から無視されたような存在におかれている。パラオの場合は土地の共有制という縛りがある。日本の企業が投資したいときは、パラオの人と話し合って、中には10年ぐらい話し合って、やっと土地を借りることができて、その後もパラオ人を共同経営者として迎え入れる。そのことによってパラオ人は利益も得る、経営的な技術も学べる。
ですから、パラオ人は隣のグアムを見て、ああいうふうになってはいけないと考えている。土地の共有制はやっぱり経済的にもいいし、自分たちの文化、歴史、またアイデンティティを守る上にもいいというふうな感覚があるわけです。ですから、IMFなどのような国際機関が変えろというふうに何度も言っているんだけども、なかなか変えようとしない。
確かに、経済理論的には競争原理が働けば経済発展はするが、その際、特に経済主体がだれであるかは問いません。どこの人間でもいい。しかし、パラオに住んでいるパラオ人にとっては、自分たちがこの島で、豊かにならなければ意味がないわけです。パラオのマクロ的な経済自立が達成されなくても、パラオ人自身が経済的な利益を得るようなシステムの方が望ましいと考えている。ある意味の開き直りがある。財政赤字があってもいろんな国から、例えば台湾からもらえばいいんじゃないかというふうなしたたかさもある。
財政黒字になったりとか、貿易黒字にならなくてもいいというふうなところはあります。
○宮国氏 すみません、わざわざご指名いただきまして、ありがとうございます。
私、岐阜県から実は来ていまして、岐阜県庁の職員なんですけど、元々は建設省に入って、今出向しています。宮国と申します。こちらのほうは前城さんに紹介していただいて、一度見てみたいなと思ってまいりましたが、次回以降はそう出れないと思いますので、ここで質問させていただきたいと思います。
質問というよりも、はっきり言えば感想になってしまうのかなと思いますけど、基本的に、先ほどから道州制とかいろんな話が出ている中で、きょう、いろいろお話を聞かせていただいて、島嶼カードの活用といったところで、松島先生の、あの島嶼の特殊性というのが、さまざまな独自性とか、高度な自治権を持つということが世界の島嶼の常識から見た当然だということがあったんですけど、これを島嶼じゃない、普通のメインランドの人たちもそう思うような何か説得材料というか、深めていくと大きな切り札になるのかなという気がしていまして。
というのは、今、流れの中で、道州制というのが大きく出ているわけですけど、その道州制って根っこは何かというと、結局国の財政がだめになって、地方に金をばら撒けないと。行政こそ圧縮するという、市町村合併と全く同じで、地域の文化とか特殊性は無視して、規模で数合わせでやっていこうと。それは機械的な、無機質なものの組み合わせという感じで進んでいるわけなんで、それから脱しようと思うと、やっぱりその特殊性というもの、その特殊性は九州と一緒になって1つの道州、全体としてやるわけにはいかないという話になるんだろうと思いますし、もっと先の話をすると、多分、今度の沖縄の特別措置法は平成23年までですか、22年か。10年間だから、多分そこらへんぐらいかなと思うんですけど。
言ってしまうと、沖縄も国からお金いっぱいもらって、だから特殊性を出さないという従属関係にあったと思うんです。今度は、分権で道州制もそうですけど、結局、中央政府も金がなくなってくるんで、じゃあ次の手は何だといったときに、やはり、関税にしても、その新たな制度にしても、独自性を持ったやり方というのを次の第5次の特別措置になるのかもしれないですけど。そういったものを出せるかどうかというところで、おそらく金をもらったら独自性は出せない。金をもらうかわりに独自性を出してくれと。こういうバーター取引、つまり中央政府にとってみると、コストを考えてくれと。あなたたちからもらう、その1億円もらうコスト、もらって、沖縄が得るメリットと、あなたたちが5,000万円払って、独自の工夫をやればこんな安くあがるよという説明の仕方をやると、おそらく中央政府に対してものすごく説得力を持ってくるんだろうなと思うんで、お金をくれて独自になれというと、多分なかなか難しいところがあるんで、次の、おそらく道州制でもいろんな議論が出てきて、三位一体の18年が終わった後、19年以降はその話ばっかりになるんじゃないかなと思うんですけど。そのときに深く議論を進めていくと、なかなか……
(テープ2本目A面終了)
……僕はよくわからなかったんですが、マルタなんかは同化したという感じですよね、EUに入って。ですから、沖縄としてどっちが得なのかなということだろうと思うんですけど、やっぱり特殊性を出したほうがいいと思いますし、特殊であれば台湾とか中国の中の交渉の場として、冷戦の締結のマルタからみたいに、コンベンションというかフランス、スイスっぽくなるのかもしれないですけど、いろんな政治的な仲介の場として沖縄というのがすごく特殊性が出てきていいのかなというような感じで、つらつら思いながら聞いておりまして、具体的な質問がございませんが。
もしあるとすると、大城先生のところで、フリーポートがあるんですけど、なぜフリーポートがマルタで成功するのかなというのがよくわからなくて、沖縄にはフリーポートの可能性ってそうないのかなというところをちょっと質問してみたいと思います。すみません、お願いします。
○大城肇 氏 フリーポートにつきましては、やっぱり周辺に競合相手といいますか、適地があるかないかによると思っています。
マルタの場合は、一番近いのでシシリーがありますが、あそこにフリーポート的なのがないものですから、やっぱりヨーロッパから地中海を東に抜けていくときの中継点でもあるということです。あるいはアフリカに持っていくときもそこは中継点になっているということです。そういった立地的な要因がマルタの場合はあって、それと同時に、船舶の修理まで一緒にやるといったサービスまで付随していたので、マルタの場合は何とかやってきたという印象があります。
ただ、沖縄の場合は、距離的に韓国の釜山が東アジアで一番大きいでしょうし、大連もおそらく大きいと思います。私が大連へ行ったときに、10年ほど前ですけど、カントリー・クレーンが100基ぐらいダーっと並んでいるところで、これはとっても沖縄は太刀打ちできないなというのが実感としてありました。あと、香港があります。わざわざこういう距離のところで、沖縄で積み替えしていくだけのメリットがあるかというのが単純な理由です。それで、2月、3月頃に県が一度募集して応募していますが、そのときに今の花城部長におそらくだめだと思いますよという話をしたら、彼は怒って、そんなことない、一月後を見てくださいと言いましたが、結局1つも集まらなかったわけです。
だから、そういう周りの客観性情勢というのに打ち勝つだけの有利性が沖縄は持っているかというと、ちょっと疑問だというのがあります。これは金融特区でも一緒だと思います。だから、世界的視野でそこらあたりを精査しないと、また今度応募すると言っていますが、また来ないという気がします。
それと、先ほどのお話の前半の、独自性を出して、それに対してこれだけかかるから、カネを要求するというのは大事だろうと思います。ですから、カネだけじゃなくて制度も含めて、こういうことを沖縄でやりたいということがあれば、コストの面もそうですが、制度的にも、これらが障害になっているというのを明らかにして、要求していくのが、おそらく今後の順当なあり方じゃないかと思います。
意外と沖縄の場合、アイデアは、フリーゾーンにしても、おそらく沖縄で出たフリーゾーンが、FAZ(フォーリーアクセスゾーン)につなげていきましたし、あれだけあの頃に特区構想、沖縄もこれ独自のオリジナリティではないですけど、中国の特区構想を真似て沖縄でつくろうといっていたのが、遅ればせながら全国にもこういう特区構想が出てきたという意味では、アイデアについて沖縄は負けていないと思っていますが、あとの詰めのところが今ひとつうまくいかなくて、国を説得できないというところがあるのかなと思います。ちょっと余談でした。
○島袋純 氏 また司会なのに、ちょっと言いたくなくてしまって……。自治州とか、あるいはレジオンとかリージョンとか、ヨーロッパでやっているサブナショナルレベルの政府で、きちっと完全自主権を持っているところってそうないんです。マン島ぐらいなんです。
実を言うと、マン島はグローバルレベルで生産と流通を管理するシステムというのが、小さく生産もないんですけれども、関税自主権はまだあるわけです、マン島の場合は。ところが、スコットランドはマン島をモデルにして自治つくったんですけれども、どうもやっぱり関税自主権をもらえないんです。
だから、生産と流通を管理してグローバルレベルを展開していくときに、本当は関税だけじゃなくていろんな補助システムがあるから、そっちを重視させたらどうですかという話はいくらでもあるんですけど。僕はやっぱり、本当は、関税自主権を持たないとだめじゃないかという気がするんです。ですから、生産と流通に関して、これ課税というシステムで、例えば法人税でもいいですし、それから関税でもいいですし、そのシステムを沖縄が分捕ることは、本当にこれできるのかなというので、これを目指さない限り、どこまでとれるかわからないですけど、実を言うとだめじゃないかなという気がして、それで一応ヨーロッパの先進国の中には、マン島ぐらいだと。僕はマン島しかわからないんですけど、あることはあるんです。それでコルシカだってサルジニアだって、実を言うとシチリアだって、ないんです。だから、そこまで目指すべきだと思いますね。
そのためには、単なる道州制の議論の中では、おそらく進まない。何でマン島が持っているか、いろんな歴史的経緯もあるんですけれども、当然我々は独立して、当然の国で、たまたま日本にいるから。ですから、独立国並みの権限を寄越せというしかないんじゃないかなって、僕は思っていますね。そういった問題があるんじゃないかなと思います。
だから、本当にこれから道州制の議論になるときには、そもそも沖縄の地位はどうなのかという議論ですね。島嶼の特殊性というのは、実をいうとそこにかかっていると思うんです。いろんな地域において、島嶼がいろんな高度の自治権をもって当たり前でしょうと言われる部分には、やはり以前の歴史的な経緯ですとか、ほとんどやっぱり、本国とは別の独立国家なり、あるいはリョウホウ国家なり、そういった歴史的背景があるわけです。ですから、その部分を強調していくということかなと思います。
それで、1つチャンスなのは、この前吉元さんに来ていただいたんですけれども、自民党税調のドンだったんですが、結局、山中さんという存在は何だったのかって。結局、沖縄のために貢献して、名誉県民賞とかもらっているんですけど、これを支配して、牛耳って離さなかったわけです。沖縄を利権という自分の権力の拡大に徹底的に使い尽くしたという存在ですよね。これが死んでしまったと。これは沖縄県民にとって、これ言ったら悪いな。そういうのを、人の不幸を言ったらだめですけど。この構造が、実を言うと大転換する可能性は僕はあるんじゃないかなと、これつけ入る隙じゃないかなと思います。
それから、もしかしたら3年以内に政権交代が起こるかもしれない。その中で自民党の族議員が支配していた税のシステム、これがもしかしたら緩んでくるんじゃないかと、そういう期待ですね。そういったのを想定しながら、本当にもう攻撃していくしかないんじゃないかなと今思います。僕の感想です。
○松島泰勝 氏 税に関しては、やはり私が住んでいた米属領のグアムでさえ経済的主権的なものを持っていました。グアムにはグアム経済開発局があります。これはグアム独自の政府機関です。そこが、海外の企業を日本に誘致するために、グアム経済に貢献する企業であることが明らかであれば、税金を100%免除したりとか、いろんなことができるわけです、グアムでさえ。
ですから、沖縄の身近にそういった島があるわけですから、沖縄も別にやってもおかしくない。アメリカの島でさえそうなのに、日本でやってもおかしくないというような説得はできると思います。
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