2007.08.13
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カテゴリ: 彩の国 石仏閑話
 写真は、さいたま市中央区大戸一丁目の路傍にある祠に鎮座する「お聖さま」。同じ形でも、「子宝石」などと、地域によっては呼び名が異なる。一般的には、陽石とか石棒といい、端的には男根である。その神名を金精神(こんせいしん)といえば普遍性がある。

 県西北部では、これを産泰(さんたい)様と呼ぶ例もある。これらの霊験は、子宝や安産だけではなく、下の病など。ところが東北地方や神奈川では、同様の石棒が道祖神として祀られることもある。

 石棒は、まれに縄文遺跡から、剣や土偶などとともに発掘される。その用途は宗教儀礼用と推測される。発掘された石棒を、神体として祀っている古い神社もある。

 金精神には、自然石をそれらしく祀るものと、加工したものとがある。写真はリアルな加工品だ。手づくりの木製品を奉納する習慣が残る地域もある。金属製のものを、とくにカナマラ様と呼ぶ。

 金精神は、商売繁盛の神として、遊郭の神棚にも祀られた。直接的で分かりやすいものだ。明治六年、政府はこれに目くじらを立てた。

「従来遊女屋其外、客宿等に祭りある金勢儀、風俗に害あるを以て、自今早く取棄て、踏み廃すべし。」

 これを金精排除令という。遊女屋という風俗営業は棚上げして、神棚の「金勢儀、風俗に害ある」が面白い。




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最終更新日  2007.08.13 10:01:14
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