2007.09.05
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カテゴリ: 彩の国 石仏閑話
 写真の像は、その姿が馬頭観音のように見えても、荒神の石像だ。寄居町・少林寺境内の山道には、五百羅漢と並んで、千体荒神という異体字の荒神文字碑が林立する。それに混じって、登山道の曲がり角ごとに荒神の浮き彫り像が立つ。その十一体のうちの一つが写真のものだ。

 荒神は、仏教的には、仏法僧の三宝を守る守護神で、三宝荒神の略称。日本古来の災禍をもたらす神霊・荒ぶる神と、仏教との習合神と考えられている。この地に祀られているのも、三宝荒神だ。

 他方、民間では、荒神は火の神やカマドの神と認識されることの方が一般的だ。西日本では屋敷神や集落守護神など、地神として祀られることもある。いずれにしても、荒神は仏典にはない尊格で、修験者や陰陽師が創作し普及させたものであろう。

 その図像例は少ないうえに八面で六手や八手の忿怒相、菩薩形、神像形など各種あって、一定しない。少林寺のものは三面六手だ。

 荒神の特徴の一つに、金剛鈴を持つことがあげられる。

1.gif


 といっても、青面金剛や馬頭観音が金剛鈴を持つ例もあるので、決定的な判別法とはならない。置かれた状況などを勘案して、総合判断するしかない。




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最終更新日  2007.09.05 20:34:32
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