2007.09.06
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カテゴリ: 彩の国 石仏閑話
 弘法大師は、真言宗の開祖に止まらず、日本各地で水脈や温泉を掘り当て、各種土木工事を行い、不思議な作物を実らすなど、伝説的超能力を発揮した。写真は、さいたま市中央区「二度栗山」にある四国霊場碑の一つ。大師が、ここに年二度実る栗を植え、温泉も掘削したという。

 また、弘法大師は、とくに大工や木工職、左官、鍛冶職などの職人層に信仰される。これは、元来は聖徳太子信仰だったといわれる。仏教の普及とともに、聖徳太子のタイシと弘法大師のダイシとの交錯によって、すり替わったものと指摘される。

 この超人は、大日如来に篤く帰依し、その権化のような面がある。弘法大師の灌頂名・遍照金剛の「遍照」は大日如来の異称だ。手にする五鈷杵は、大日如来を中心とする五智五仏を象徴するもの。しかも、その持ち方は独特で、窮屈そうに見える。

 これは、金剛界大日如来の智拳印の右手と同じだ。この手の形を金剛拳という。密教の中心的菩薩である金剛薩 も弘法大師と同じ持ち方だ。

1.jpg


 智拳印は、インドで不浄とされる左手を、金剛拳で覆い隠すものと解釈される。

 写真の石像は、上部に大日如来を戴きながら、その金剛拳の形はいささか怪しい。




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最終更新日  2007.09.06 20:27:07
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