2007.09.10
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カテゴリ: 彩の国 石仏閑話
 写真は、浦和区岸町・調(つき)神社に、狛犬に代えて置かれるウサギの石像。地元では、この神社を「つきのみや」と呼ぶ。月の宮だからウサギが祭神の使者と考えられている。鳥居のない神社としても知られる。

 調神社の名の由来は諸説ある。その一つは、律令制の租税制度である「租(そ)、調(ちょう)、庸(よう)」の「調」といわれる。調とはその地の特産品を税として納めること。その保管倉庫があったことに起因するという。ちなみに、租は年貢米、庸は歳役という労働の代納物として布などを納めること。

 現在の祭神は天照大御神などだが、かつては月読命とされていた。また、月読命は別当寺である月山寺の本尊でもあった。「月読本尊往昔兎乗御座候」という文書もあり、二十三夜月待ち信仰も盛んだったようだ。その月山寺は、明治の神仏分離で廃寺となった。

 「調」を「月」に転じ、月読命を祀ることで、この眷属のウサギが生まれた。このウサギは使姫兎といわれ、その氏子はウサギを食べない。

 この石像を「狛ウサギ」などと呼ぶ一部のアマチュア愛好家がいる。「狛」は本来、犬という意味の文字だから、狛兎とか狛狐などはあり得ない。「眷属の兎」と呼ぶのが正しい。さらに、「狛」は外国という意味を含む、などという愚説まである。  




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最終更新日  2007.09.12 20:49:37
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