2007.09.28
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カテゴリ: 彩の国 石仏閑話
 写真は、さいたま市緑区大門・大興寺にある文字碑で、文政四年(1821)に建立されたもの。独特・奇妙な書体で「南無阿弥陀仏」と大書し、下部に「徳本」の署名と花押が印されるのが定型だ。直筆を石碑に彫ったもので、これを「徳本行者の名号塔」という。

 徳本は浄土宗の代表的僧侶だが、吉野山中で修行し、阿弥陀経だけを学んだ行者。いわゆる高僧ではない。しかし、念仏講を普及させた庶民教化の第一人者として、その名を知られる。
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 肩こりや筋肉痛の外用薬であるトクホンは、同名異人で甲斐の医聖といわれた永田徳本に因む商品名。ある学会でこれを混同した研究発表が実際にあったと伝えられる。

 徳本行者は、関西、中部、北陸、関東地方と、広い範囲で念仏講を普及させた。浄土宗以外の寺でも、そこを会所として念仏教化を行ったらしい。そのため、徳本の名号塔は各所に見られる。

 南無阿弥陀仏を六字名号というのに対して、南無妙法蓮華経を七字題目という。これにも日蓮上人の筆跡とされ、「鬚題目」と呼ばれる個性的な書体が見られる。

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 この書体の石碑には、履き古しの草鞋(わらじ)のような日蓮の花押が添えられることもある。




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最終更新日  2007.10.01 18:44:03
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